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土肥先生の活動日記、お宝目録、スケジュールなどのコンテンツ盛り沢山です。是非ご覧ください。
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2009年9月13日日曜日

裁判(第二回口頭弁論)と報告集会の記録

― 裁判 ―
9月10日(木)午後4時より第二回口頭弁論が東京地裁606号法廷で
行われました 。 傍聴希望者は60数名。傍聴席は42席なので、
数十人 が法廷に入れませんでした。

弁論の内容:
青野裁判長「被告側の反論が出た。原告はさらに反論を書証で提出するか」
吉峯弁護士「今回は都側のきわめてマジメな反論が出たので、こちらもきちんと
         反論したい。」
青野裁判長「準備にはどのくらい必要か」
吉峯弁護士「1ヶ月半。」
青野裁判長「それでは10月28日までに書面を提出のこと。次回弁論の期日は
         11月5日(木)午前10時とする。」
吉峯弁護士「傍聴者が多く70名くらいいる。入れない人もいるのでもう少し
      広い法廷を希望する。」
青野裁判長「これより大きい法廷は1階の大法廷だが、50ある部で奪い合いの
      状態だ。今後証拠調べの段階になったら大法廷の使用もありうる。」

以上で閉廷。ものの5分で終わりました。土肥先生の出番はなし。


その後ただちに弁護士会館5階に移動し、報告集会を持ちました。

― 報告集会 ―
           



              
                                     
                     (写真撮影:平田泉氏)

吉峯弁護士の解説:
「裁判の陳述は口頭で行うことになっているが、現実にはあらかじめ
 書面を出しておく 。
今回の裁判の訴状は直接には非常勤講師の不採用をきっかけと
 しているが、 東京都の教育行政の中できわだっておかしなことが
 次々に起きていることを、 裁判の場であきらかにしていくことも
 目的にしている。
 校長は現場の声を聞かなくてよい、都教委の指示だけにしたがって
 いればよいというトップダウンの組織は時代遅れだ。

今までの日の丸君が代の訴訟で、都側はまともな対応をしてこなかった。
それに対し、今回は具体的な論点をあげてひとつひとつに対し、国家賠償請求を
起こしているので、都側もまじめに認否反論をせざるをえない。
都側の石津弁護士は比較的まとも。反論は68頁におよぶ力作で、一見すると
それなりに説得力がある。こちらも気合を入れて反論しなくてはならない。

都側の反論を読んで「この論点については自分はこういう意見がある」と
思ったら、吉峯法律事務所あてメールやFAXで知らせてほしい。
(採用するかどうかはわからないが)必ず読んで参考にさせてもらう。
弁護士には見えていない本質的なことがあるかもしれない。

土肥先生の話:
「忙しい中ありがとうございました。あんなに簡単に終わっていいのかなと
思いました。あれでも長い方だそうです。皆さんが来てくれることで裁判官の
心象が変るそうですので、気楽な気持ちで来てください。
都側の反論を見ると一見すると納得することが書いてある。
 しかし真実が書いてない。
例:文化祭での掲示物撤去。校長会では沖縄戦のことは一切言わなかったのに、
反論書では沖縄戦だと明記している。
みないいとこどりで自分(都教委)に都合よく書いてある。これから書く僕の反論と是非読み比べて
ほしい。「連帯をもとめて孤立を恐れず、力及ばずして倒れることを辞さないが
力尽くさずして挫けることを拒否する」という気持ちです。

司会「こちら側の訴状と都側の反論資料などをインターネットで公開できるか」
吉峯弁護士「かまわないでしょう」
司会「そうすれば文字とおりネット上の公開討論ができますね。」
吉峯弁護士「弁護士は基本的にウソは言わないが、都合の悪いことはカットして
言わない場合がある。カットの法則。主要な書面については原則として公開して
 いく。 」

質疑応答
Q1.「企画調整会議のあり方について裁判でも論じていかなくてはならないのでは
   ないか?」
土肥先生「どうするか今は未定。」
吉峯弁護士「都側は表向きはいいことを言う。例えば職員会議で議論は活発にやれ
 とか 。 現場の先生方はそれを逆手にとって、利用したらどうか。」

Q2.「日の丸・君が代不起立で非常勤に採用拒否された。不合格理由はC.
    校長に対する評価はどうなっているか?」

土肥先生「業績評価については校長は5段階評価。ただし採用試験は3段階評価だと思う。点数評価でなく総合評価と言っている。僕は校長採用の面接試験では都の方針に逆らう主張をしたが、採用された。 今回の非常勤講師採用の面接試験では考えて都教委の方針に反するようなことは主張しなかったのに不採用だ。
吉峯弁護士「結果はあらかじめ決まっていた。」(笑)



  次回の裁判は11月5日(木)午前10時 東京地裁606号法廷です。
 
                                   以上
  なお原告(土肥元校長)の訴状(2009年6月4日提出)は
  ブログ「学校の言論の自由をもとめて」
    =>http://blog.goo.ne.jp/ganbaredohi/c/54ce691c06aba6580c86c1a67e05c568
   に掲載されています。ご参照ください。
   

2009年9月5日土曜日

土肥元校長の講演日記 - @三鷹


講演日記(2)


2009年8月27日 東京都三鷹市
場所: 三鷹市 三鷹公会堂別館 
時間: 午後6時から午後8時


三鷹公会堂は三鷹高校の校長の時、映画
教室や芸術鑑賞教室でよく行った場所、
それと三年前に三鷹駅伝を走ってゴール
したところなので、故郷に帰った気分でした。

 今回の講演は、三鷹市の小・中に勤めている教員が中心で、
その保護者も含めた地域の人たちです。参加人数は約50人でした。
地域の年配の方も参加されていました。都立高校の教員と
市立小・中学校の教員は三鷹に限らずどの地域でもあまり
交流がありません。でも三鷹の教員から講演の依頼を受けた
ときはなんとなく嬉しくなりました。三鷹高校に生徒を入学
させた先生や三鷹高校保護者もいるだろうなという思いでした。
案の定、今年三鷹高校を卒業させた保護者がいました。
私も覚えている生徒なので話が弾みました。

 今回の講演は時間が100分ほどあったので、テレビ朝日で放送した
ドキュメンタリ宣言(30分)を上映してから講演に入りました。
ドキュメンタリ宣言では三鷹高校での私の生徒に対する思い、私の教育
実践を描いています。私の都教委に対する闘いは、私の教育実践の延長上
にあるため、ドキュメンタリ宣言を見てからの講演はとてもスムーズに
入れました。参加者も私が地元の元校長ということで初めから親近感を
持って聞いて下さりとても反応が良かったと思いました。

都立高校は東京都教育委員会、小・中学校は各自治体の教育委員会が
(三鷹の場合は三鷹市)権限を持っているので、高校と小・中の管理体制は
違うのですが(三鷹市は教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止の通知は出し
ていない)やはり東京都教育委員会の施策の影響はとても強く、非常なる
関心を持っていました。
特に業績評価については都と同様、業績評価を行っているため特に関心が
高かったようです。後日責任者からメールで「また機会があれば講演会を」
という嬉しい連絡を受けました。


三鷹の皆さんの講演の感想です。(主なもの)
★ バンコク在勤中に土肥先生の活動を耳にしました。この春から三鷹に勤めています。先生の活動の様子や闘志は、日本中だけでなく世界中の日本人コミュニティーに届いています。微力ですが土肥先生の背中を押します。そして一緒に勉強させてください。今日は素晴らしい講演ありがとうございました。
★ 三鷹高校の卒業生であることに誇りを感じました。土肥先生に元気と勇気をいただきました。言論統制に対してもっと敏感でありたいと思います。何よりも子ども達のために!
★ 現場にいると、あたりまえのように行われていることが、実はものすごく言論の自由を奪い権利を奪っているかもしれないのに、それを訴える人、それに気づく人が少なすぎます。それはもしかしたら皆分かっているのに言えないだけ、または知らずに統制されているんだろうなと思いました。自分はぜったい!!そんな先生にはならないぞ!と強く心に誓うことが今日出来ました。本当にパワーのある話をありがとうございました。

2009年9月1日火曜日

土肥元校長の講演日記 -@福井

講演日記

2009年8月26日 福井県福井市
場所: 福井市 ユー・アイふくい(福井県生活学習間)
時間: 午後3時30分から午後4時30分

福井は初めての場所。でも私が小学校の二年生の時大阪から新潟に引越し、
母の実家の京都に行く時、新潟から北陸線で急行「日本海」で深夜通過した
駅が福井。懐かしい思い出です。

今回は米原まで新幹線で行き、そこから北陸線の特急で福井まで。
講演の依頼を受けたときは、当然一泊二泊と思っていたら、意外や意外、
日帰りでも十分でした。やはり新幹線は早い。片道約3時間半の旅でした。

今回の講演は福井県の県立高校の先生方を対象とした講演です。
地方の先生方は、東京の教育が、地方に及ぼす影響をすごく心配している
のです。
福井駅まで迎えに来てくださった方によると、福井の先生はすごく真面目で
おとなしいとのことでした。今回の講演時間は60分と短かったのでビデオの
放映はなく講演だけでした。集まった人数は約50人。

講演を始めると、反応が今までの講演に比べるといまいちなので、私の講演が
興味を引かないのかなと思いましたが、私を見る目は真剣そのもの。
後で分かったのですが、これが迎えに来てくれた人が言った福井の人たちの
特徴だそうです。
講演が進むにつれ反応もよくなり、東京都教育委員会の横暴ぶりに驚いていました。
特に私が業績評価のことで守秘義務違反に問われ、一方マスコミに、校長に対し
C・D20%以上出すような指導はしていないという矛盾について話したときには、
さすがに都教委のやり方にあきれて笑いがおこりました。
この頃になると私の人柄も分かったようで、私もリラックスして話すことが出来
ました。
特に福井の人たちが興味を持ったのが、東京都の統括校長、校長、副校長、主幹
教諭、主任教諭、教諭のヒエラルキー化と業績評価でした。私自身も、教職員の
意向を聞く挙手・採決の禁止以上に、言論統制に大きな影響を与えるのはこの二点
だと思っていました。今回の講演でも「意向を聞く挙手・採決の禁止」「業績評価」
「ヒエラルキー化」の三点セットで一般教員の言論統制が完成することを強調して
きました。

福井の皆さんの講演の感想です。

★東京都の大変さをしみじみ感じた。時間が短い感じがした。

★ユーモアもあり、しかし、核心に触れたお話で、楽しく真剣に考えさせていた
だきました。やはり、業績評価は取り入れるべきでないと実感しました。
組合をあげて、福井県の導入を阻止すべきだと強く思います。

★あんな熱い校長先生は初めてみました。うちの校長とは大違いです。
今日は、いい話を聞かせていただきありがとうございました。

★都立高校の現状、都教委の現状、初めての話ばかりで驚きました。生の話が
聞けてよかったです。

★大変おもしろく話をしていただき、ありがとうございました。本、番組の
DVDに興味がわきました。 裁判の行方も注目して見守ってます。

★非常におもしろく、また感動しました。元気を頂きました。先生も頑張って
ください。生徒のために汗をかきましょう。

★先生の話、迫力在るなあと思いました。授業を受けたかった。同校で一緒に
働きたかった。でも、実態を知り都知事の見方ががらりとかわりました。

★1時間は、あっという間でした。もう少し時間があれば、教職員間と校長との
関係構築などの点を聞けたら良かったと思います。都教委とのたたかいについて
よくわかりました。これから裁判については注目していきたいです。

★基本的人権と平和主義を信条に教育活動をされていることに感銘を受けました。
学校運営がその信条を柱に生徒達の成長を期して教職員全体の合意で行われる
ことを福井の地で実践したいと思います。

★厳しい現実がよくわかりました。「生徒のために」という気持ちはよくわかり
ます。ただ、実際、「まず自分」という先生もいるのは事実です。そこで折り
合いをつけることは難しい。実際仕事する人に仕事が偏ってしまう。集団として
まとまるのは難しい。

★「自由にものが言える職場と教育」わかりやすい内容で興味が持てた。
土肥さんには、是非頑張って欲しいと思います。

★熱い講演を有り難うございました。強い信念のもと「生徒、教員のための先生」
として活動されている様子。とても力強く、励まされました。窮地においても、
先生を支持される方々のネットワークを 大事にされて、前進されていることに、
本当に感動し、聞き入りました。

★職員室へほとんど来ることのない校長から評価をされて給与が上下するのは
ごめんだ。 校長によっては、しょっちゅう職員室をまわる人もいるが滅多に
こんな人はいない。

★土肥先生の教育への熱意・情熱と貫いておられるポリシーに改めて「生徒の
ための教育活動」を実践しなければと思いをあらたにしました。

★不満に思うことや納得できないことがあっても、どうせ言ってもしょうがない
・・・という気持ちでいましたが、職場で意見が出せるようにしたいと思いました。

★先生の講演を聞いていると何だかスッキリした気分になりました(テレビを見た
ときもそうでしたが)。もっとお話を聞かせていただきたかったです。有り難う
ございました。

★東京の現状を知り、驚きました。土肥先生の訴訟に注目しています。頑張って
 ください。

★堂々と戦う姿勢に非常に共感。主張しているのは当たり前のことばかりなので、
保護者・生徒・マスコミが支持してくれるのも当然と思います。勇気をもらえる
講演でした。

★「意見が言える」ということが、本当に大切だと思った。先生の勇気ある行動
に敬意を表します。