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2011年11月16日水曜日

講演日記(25) ― @一橋大学・大学祭

2011年11月3日(日)国立市 一橋大学
場所: 一橋大学西本館36教室  
時間: 午後12時から午後2時30分時まで

 今回の一橋大学での講演はとても嬉しい講演でした。
最初に三鷹の卒業生である原田君(一橋大生)から大学祭( 一橋祭 )での講演の依頼が来たとき、すぐに顔と名前が一致しました。なぜならば原田君は私にとって忘れられない生徒だったからです。
私が三鷹在職中に、生徒の代表数人と話し合う会議があり、原田君は自分の意見をはっきりと表明していたからです。特に三鷹高校が中高一貫校になることに対して反対意見を述べ、私の見解を求めた生徒でした。また部活動でも弓道部の部長として活躍していました。
その原田君からの講演依頼は、まさに教師冥利に尽きます。三鷹の生徒が、卒業しても私と都教委が闘っていることを覚えていてくれたのが嬉しかったのです。
 
 原田君との打ち合わせの中で、教育行政の専門家である一橋大学の中田教授に出演してもらい、私の都教委との闘いの意味を解説してもらおうということになり、中田教授にも快諾していただきました。
 
 原田君が一番心配していたのは参加者の人数でした。私もその点が心配でした。最近の大学祭は、まじめな講演は敬遠される傾向があり、しかも有名人でない私の講演となればなおさらです。10分前に会場に入ったのですが、参加者がぱらぱら状態だったので、原田君に申し訳なく思っていました。ところが講演の始まるころから急に増えだし、最終的には教室がほぼ一杯になるほどの参加者で、原田君たち主催者もとても喜んでいました。私にとっても、卒業生、保護者、三鷹高校当時の同僚の顔が見え、楽しく講演を行うことが出来ました。それとやはり一橋祭での講演のため、若い人が多く参加していたので気合が入りました。

 今回の講演では、中田先生の講演もあるので、「職員会議における教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止」通知による学校現場での言論統制、校長の権限の侵害、それと業績評価に焦点を絞って話をしました。私の講演の後、中田教授が「日の丸・君が代」の通達と「意向を聞く挙手・採決の禁止」の通知を資料として配布し、パワーポイントを使ったわかりやすい説明でした。都教委の意図は、「挙手・採決の禁止」や業績評価そして校長の権限を侵害することによって、校長をがっちりと管理し、それによって学校教育を全て管理することである、と説明して下さったのです。
 
 最後に、またまた嬉しいことが起こりました。講演会が終わった後、花束をもらったのです。顔を見た瞬間、あれどこかで会った人だと思ったのです。「三鷹高校の卒業生です」と言ったとたん、三鷹の卒業生で鷹高祭文化部門のファッションショウでモデルをやっていた生徒だと気が付いたのです。「今日は先生のお話をうかがえて、とても嬉しかったです。先生は校長室から坦々と学校を支えるのではなく、学校生活の中心にいて、生徒一人一人を見守って下さる校長先生でした。先生が校長であった三鷹で、のびのびと高校生活を送れたのは私の宝物です。より多くの人が学校生活を誇らしく思えるようにと願っております。平成18年度卒業生」花束に添えられた言葉です。


参加者の感想(抜粋)

◎この地域の小・中学校PTA活動の中で、学校の方針に対して、クレーマーではなく保護者として勉強して発言することをしない保護者が増えていると思います。学校と保護者は「子どもたちのために」で本当は一致できるはずなのに、学校も強制しようとし、保護者も学校の「命令」に従うような構図で、「考える」ことをしなくなっている気がしています。土肥先生の著書は、日の丸・君が代問題にふれる中で知り、読ませてもらいました。今日、偶然「市民祭り」に来て聞くことができ、とてもラッキーでした。こんな素敵な先生にうちの子どもも出会えたらと思いました。また私自身は行政職の公務員です。教育者ではありませんが、自分の信条と異なる命令が出された時、どうすればよいのかと時々考えます。今日は本当に貴重な講演をありがとうございました。どうぞ頑張って下さい。(一般)

◎教職を考えているので、学校現場の現状が知れてよかったです。私は日本国憲法の精神の生きた社会を目指したいと思って教職を考えています。しかし、民主的でない最近の日本の現状を見て,どうしたら良いのだろうと思っています。土肥先生の姿勢には尊敬しました。がんばって下さい。(一橋生)

◎学校にこれほど言論の自由がなく、先生たちがこれほどしばられている事実をありありと知ることができました。ありがとうございます。このような学校で、子どもたちが健やかに希望をもって育っていけるとは思えません。大変心配です。今日知った事実から目をそらさないように暮らしていきたいです。(一般)

◎私も現都内公立中学校の教員です。”今、学校現場がおかしい”さまざまな点で危惧される実態があります。”教育は子ども(生徒)が主体“本当にそう思います。今日は元気をもらいました。ぜひがんばってほしいですし、私も、小さな力ですが現場で子どもを大切にする教育現場を守っていきたいと考えています。(教員関係)

◎土肥先生がお元気そうでなによりでした。先生応援しております。裁判(12月22日)に伺えず残念ですが、後輩の都立高校生のために良い決断がくだされることと思っております。(三鷹卒業生)

◎大学で教職をとっているわけではないのですが、現在就職活動中ですので民間企業に入った際に役に立ちそうな話を聞けて良かったです。自分も法政に通っているので土肥先生の授業を聞きに行きたいと思います。今日は貴重な話をありがとうございました。(三鷹卒業生)

◎私は来年度からある県の行政職員として働いていく者です。教育のみを扱っていきたいということではなかったので、県庁の一般事務を希望しましたが教育が最も携わりたい分野であることも事実です。私が実感した出身県立高校の雰囲気として、いわゆる学力偏重、国公立大学への進学者数などといったものへの強いこだわりというものがあり疑問をもちました。こうした体験を受けて現場の教員が実際にどのような意思を持って働いているのか、またそれを知ったうえでどのような支援等が可能なのかといったことを見出していきたいという思いを持っていました。本日土肥さんのお話はそういった私の気持ちを強く再認識させて頂くものでした。この場で感じたことを常に胸に置きつつ来年度以降も頑張って参りたいと思います。(一橋生)

◎土肥さんのテンションの高さに圧倒されました。ややお話が教科書的だったのが残念(単に知事をかえれば、教育委員を全部かえれば、民主党政権のもとで制度をいじくれば、教育委員公選制にすれば、「自由な学校」が戻ってくる、というわけではないと思うので)中田さんと土肥さんの対談の時間をとって、中田さんが土肥さんから本質的な話をひきだす、というスタイルにすると、もっと活性化して面白くなったのではないかと思います。ありがとうございました。これからも期待しています。(一般)

◎一般論的な「現場の人間」ではなく、校長という中間領域で戦ってこられた方のお話が伺えたことは一歩踏み込んだ(俯瞰した)視点で公教育の現状を考えるよいとっかかりになったかと思います。ありがとうございました。土肥先生の裁判の勝訴を願っています。(学生)

◎私にはとても難しい話ばかりでしたが、判り易く大変聞いていておもしろかったです。息子が卒業の時、式の後の食事会で「是非浪人させてあげてください」と言って下さって、一浪の後、一橋大社会学部に入学致しました。来年卒業予定です。本当にお世話になりました。ありがとうございました。(三鷹卒業生保護者)

◎貴重なお話をありがとうございました。やはり教育行政は教師を統制する立場からものを言うのではなく、あくまでもサポート役に徹するべきなのではないかと思いました。反対の声をあげることは非常に勇気のいる行為だと思います。応援しているので頑張って下さい。(一橋生)

◎危機感はつのるばかりですが、戦いを続けていくことが希望だと思います。政治状況が変るように広げていくことが、あらゆる面で必要でしょう。(一般)

◎三鷹高校で土肥先生とご一緒させていただいた者です。あの時の三鷹高校は、教員も生徒も保護者にも明るさがあって、とてもいい学校になっていたと思います。先生の闘いを応援しています。是非頑張って下さい。お身体ご留意ください。(教員関係)

◎私は教員をめざしている学生ですが、機会があり、土肥先生のドキュメンタリ宣言を見る中で、あいさつの大切さ、自分の意見を持ち意見を出していくことの重要性を話している姿を見て、個人的に学校は勉強より大切なことを教えることができるところであると思っていて、そういう点でとても共感することがあり、生の講演を聞きに来ました。学校は、やはり生徒が主体でありその生徒にもっとも接している教師たちの意見を弾圧し、聞くこともなく校長のみの裁量によって決定されることに本当に違和感を感じるし、生徒に関わることがほとんどない教育委員会が人事権を持っていることによって権力にものをいわせてやっていることがおかしいと思いました。この土肥さんの裁判を機に教育委員会が現場の人たちの意見をくむような形に変わっていけばいいと思うし、変っていってほしいと思います。(大学生)

◎熱い気持ちが出ていて久しぶりに楽しい講演でした。今後も興味を持って見守っていきたいと思います。(三鷹卒業生保護者)

◎“学校に言論の自由を”という土肥先生の主張、大賛成します。都教委のやり方は、自分たちの思い通りに学校、教育、社会を動かそうとする権力の乱用だと思います。ただ、難しいと思うのは、彼らが「国のため」と信じて疑っていない状況では、それに反する人の意見は彼らに届かないということです。みんなが自分の意見を自由に言えて一人一人の意見が尊重されるような学校、社会は、「自分(たち)こそが正しい」と思う人たちにとっては邪魔なものでしかなく、国のためにはならないのです。彼らとどう対話していけばよいのでしょうか。道が開けるとすれば、土肥先生のように生徒、保護者の支援を集めて「一人じゃない」ことを表明することがと思いました。私もどのような形であれ、その流れに組みし闘っていきたいと思います。ありがとうございました。(一橋生)

◎校長が一人で都教委に対して異をとなえるのは大変勇気あることだと思います。基本的人権の尊重、言論の自由を教育の根本に置いて裁判を闘っていらっしゃる土肥先生に恥じないように、学校現場で生徒のために日々教育実践を積み重ねていきたいと思っております。権力に屈しない毅然とした生き方を仰ぎ教員を続けていきたいと思います。ご健康に留意され日本の未来を担う教育のためご奮闘ください。(教員関係)