5月27日(木)午前10時より第6回口頭弁論が東京地裁606号法廷で
行われました。
傍聴席は満員で、10人程の人が入れませんでした。この春から土肥先生が
講義をしている大学の学生も傍聴に来てくれました。
当日の審理
・原告(土肥側)準備書面3の提出
・尾木直樹法政大学教授の鑑定意見書の提出
・田口弁護士より「準備書面3」についての説明
・都側の準備書面の提出(事実関係および前回提出の西原教授鑑定意見書に対する反論)
次回口頭弁論は>6月28日(月)午前10時半~
527号法廷。
(法廷が変ります)
(注:尾木直樹教授「鑑定意見書」は近日アップの予定)
報告集会(於弁護士会館5階)==
1.吉峯弁護士の報告と解説
「提訴よりほぼ1年経過した。鑑定意見書を書いてくれた専門家や、皆さんはじめ多数の方の支援に
感謝したい。
5月13日に教育関連裁判で画期的な判決があった。良心を貫く先生に管理職が不当な業績評価を
付けることで圧力をかけるという基本的な構図は、土肥先生の裁判と同じだ。
きちんとした主張を積み上げていけば、裁判所も公平な判断をしてくれるという好事例となり、
勇気づけられた。
今回は尾木先生の鑑定意見書にもとづき、準備書面を作成した。
尾木教授の現場教員としての経験や研究活動を通じて得た、教育の臨床的知見により、教育の本質と
教育行政のあり方を定義した貴重な鑑定書である。浪本先生の鑑定意見書も次回提出の予定。」

2.木ノ切弁護士の解説
都側も準備書面を出して来た。内容は
1.事実関係の詳細 2.(前回提出の)西原鑑定意見書への反論 である。
都側の主張は「職員会議」の位置づけに力点があり、両者の食い違いを明らかにすることで
討論の良い機会になるだろう。
3.高橋弁護士の解説
大嶽裁判(教員の業績評価裁判)の説明。
4.土肥元校長の話
大嶽先生の裁判ではいい判決が出てよかった。鑑定意見書を3人の先生が書いて下さり感謝する。
そして陳述書は現在までに66通も寄せてくれて、大変うれしかった。
今心配なのは若い人たちが何も言わないこと。自分は今大学で教えているが、教育実践から理論を
組み立てた。教育はまず生徒を信ずること。それが教育の原点で、陳述書にもその例の一件が書いてあり
泣けた。
しかし都教委の反論の書面を読むと気持ちが暗くなる。なぜ毎回ウソを書いてくるか。
これがまかり通ったら 日本はどうなるか。

質疑応答(抜粋)
Q1:もの言わない教員がふえた発端は、校長会の解散が
きっかけか。現場の声を伝えた校長がつるし上げにあったという話を聞いた。
土肥:
校長会とは、地区毎に校長会(任意団体)主催で開かれた会議で、そこに指導主事を呼び、校長も自由に意
見を出し、指導主事に様々な要望を出していた。ある都立高校の問題をきっかけに校長会主催の会議は中止。
都教委主催の校長連絡協議会になった。そこは完全なトップダウンだ。つるし上げではなく都教委からの圧力。
Q2:被処分者の会の原告だが、鑑定意見書には「一度も違法・違反行為をしたことがない(土肥)氏を採用しないということは、都教委による氏への一種の「いじめ」行為であり~~到底容認できるものではない。」とある。
私たちは都教委から非違行為を再三行ったとされているので、このように書かれると、私たちの処分は当然だとなるわけであり、つらいものがある。
吉峯:
当方でも同様の訴訟を手がけてきた。日の丸君が代裁判では、不当に非違行為と決め付けられて処分される基本構造自体が問題である。ハードルが高いが頑張ってほしい。
土肥元校長の裁判では日の丸君が代裁判とは立場が違うが、土肥裁判で勝つことが教育裁判全般の突破口となるのでぜひ勝たなくてはならない。
各裁判の当事者の立場からすれば、教育権の所在(国家にあるのか、国民や教育者にあるのか)については、見解の相違があり、学者の中でも意見が分かれている。公開討論などでじっくり論議すべき論点だろう。
しかしいずれの立場からみても、やはり都教委のやり方はおかしい。
以上
