webサイトを開設しました!

土肥先生の活動日記、お宝目録、スケジュールなどのコンテンツ盛り沢山です。是非ご覧ください。
http://www.dohi-shien.com/

2009年12月19日土曜日

2.6集会のご案内

2010年2月6日(土)に、土肥元校長の裁判を支援する会が主催する集会
”モンスター都教委さま 裁判へようこそ”を開催いたします。皆様どうぞご参加ください。


●日時 2010年2月6日(土) 午後6時20分開場: 6時45分開演

●会場 府中グリーンプラザ(けやきホール) 京王線府中駅徒歩1分
             電話042-360-3311

●内容 「土肥裁判の問いかけるもの」吉峯啓晴(弁護士)

   「都教委の反論に再反論する」土肥信雄(元都立三鷹高校校長)

   「国民の教育権から見た職員会議」醍醐聰(東京大学大学院教授)


    3人トーク「教育と言論の自由

             -- 生徒のための教育行政を考える」


     尾木直樹(教育評論家)/最首悟(和光大学名誉教授)/土肥信雄

  ―― 他   資料代:500円
      

連絡先  090-5443-0782(成瀬)  

2009年12月2日水曜日

講演日記 - @大阪

2009年11月22日(日) 大阪市場所: エルおおさか 

時間: 午後2時から午後4時30分


 大阪での講演。私の生まれは母の実家である京都。父も三重県で関西人。
私も幼稚園から小学校2年まで大阪豊中市蛍池に住んでいました。
蛍池はその名の通り、池があって蛍がたくさん飛んでいたことをよく覚え
ています。休みごとに母の実家の京都に来ていたので、私の故郷は関西
です。したがって何事においても関西びいき。ラグビーは同志社大学。
(同志社岡監督対明治北島監督)平尾、大八木がいた同志社は強かった。
アメリカンフットボールは京大。(京大水野監督対日大篠竹監督)
日大との試合で最後に逆転タッチダウンを奪って勝ったときに選手全員
が泣いていたのを覚えています。ラグビーもアメリカンフットも関西の
方がリベラルな監督でした。競馬は関西馬。タニノムーティエの鋭い
差し足は忘れられません。残念なことにプロ野球だけは何故か巨人。
川上が好きだったのです。(しかし江川事件以来、アンチ巨人です)
というわけで関西大好き人間、相手が関西弁をしゃべるとすぐに関西弁
になる私です。

 参加者は教員が多く、講演を始めると皆さん真剣な眼差しで聞いて
いました。驚いたことに、大阪でも、首席制度(東京の主幹制度)の
導入、君が代不起立者に対する処分の開始、教員評価制度の導入と、
まさに東京都教育委員会が行った事と同じことをやってきているの
です。皆さん真剣になるのはあたりまえで、東京都の動向に非常に
関心を持っているのです。やはり知事が橋本知事に代わってから加
速されてきたのでしょうか。とにかく東京の石原知事と大阪の橋本
知事は仲良しですからね。

 とにかく管理強化をはねかえすためには、生徒、保護者の支援が
絶対に必要です。とにかく生徒のために汗をかくことで、生徒、
保護者は支援してくれるはずです.


― 集会参加者の感想 ―


土肥さんの明るさ、元気さ。とても大切なことだと思いました。
多くの人は、このことによって、励まされ、勇気づけられること
でしょう。職員会議は、上からの意志通知機関だ。――との通達が
なされたと、TVの番組で知り、これは、G・オーウェルの「動物
農場」ではないかと思いました。一連の向こう側の動きは、揺り
戻し、反動――との言葉が印象的でした。勝ち取った権利に安住し
ては行けないとの発言をよく覚えておきます。


感動と怒りで胸が熱くなりました。権力を持つ者のずるさ、卑怯、
それに抵抗するのは、人と人とのつながりなのでしょう。「校長
先生、大好き」といってもらえるのは、教師としての最大の喜び
なのだと思います。人はひとりでは弱いものですが、「生徒のた
めに」という思いが、勇気を与えてくれます。僕自身が出会う若
者たちの未来のために、僕自身の権利と自由のために、僕も許せ
ないものに闘っていこうと思っています。勇気を与えていただき、
ありがとうございました。


ビデオで見た生徒に対する明るさ元気さそのままに、今日私た
ちに話をしてくださった土肥さんのおかげで、ちょっと暗くしず
みがちな私も、ずいぶん元気をもらいました。都教委の卑怯な
やり口(大阪も同じですが)に改めて怒りを抱くと共に、明らか
にひどい不当な事柄に私たちが声を上げることによって世間に
明らかにされるであろうし、そのために声を上げていきたいと
思います。


こんな、反権力のエネルギッシュな教育者は、めったにいま
せんね。なまでお話を聞いて、元気をもらいました。
具体的な事例が多く、とてもわかりやすいお話でした。特に米長
を天敵としているところがとても共感できました。都教委のあま
りにも強圧的なやり方に、いったい今は何の時代なのかという気
になってきました。戦後、民主主義が憲法で定められ、少なくと
も建前では、人権の尊重が言われているにもかかわらず、それを
かなぐり捨てて、管理・支配に走っていることが恐ろしいと思い
ました。


青春ドラマに出てくるような熱血先生だという印象でした。
今の時代、自分よりも生徒という教育者はなかなかいません。
こういう人もいるんやなあと思いました。


はじめのドキュメント映像で、生徒が校長をしたうところや
土肥元校長が卒業式で言う練習の場面や、離任式の卒業証書の
ところなど、号泣してしまいました。こんなにも生徒達と向き
合い「どんな場でも自分の意見を言える立派な大人になってほ
しい」というメッセージを貫き、実践される土肥元校長の姿に、
私の弱さまでも指導されました。ありがとうございました。

講演日記 - @沖縄



2009年11月13日(金) 沖縄県沖縄市
場所: 沖縄市民小劇場「あしびな」 

時間: 午後6時分から午後7時40分


 沖縄からの講演依頼はまだ講演依頼がほとんどない早い時期にありました。
正直言ってとても嬉しかったです。とにかく多くの皆さんに私の話を聞いて
もらい、私と東京都教育委員会とどちらが正しいか判断してもらいたかった
からです。もちろん講演は私の講演なので、一方的な話しですが(本当は
教育委員会も出席して公開討論をしたいのですが、絶対都教委は出てくれ
ないので仕方ありません)皆さんに聞いてもらうことが、今の私の仕事だ
と思っています。講演をするたびに、支援者がどんどん増えてきています。

 沖縄には色々な思いがあります。東京都が修学旅行の航空機利用を認め
た時、その年に小川高校(私は当時教諭)は沖縄修学旅行を決めたのです。
初めての航空機利用で、様々な問題を乗り越えて沖縄に決めたときは本当
に嬉しかったことを覚えています。沖縄修学旅行は、平和教育、自然、
文化と修学旅行としては内容的にも最高の場所だと思っています。
生徒達の沖縄修学旅行の満足度も非常に高く、今後も都立高校の多くが
沖縄の修学旅行を実施してもらいたいと思っています。

 当日は早めに沖縄に着いたので、2年前に出来た素晴らしい建物の
美術館・博物館の見学をしました。美術館は「名渡山愛順が愛した
沖縄」、博物館は「薩摩の琉球侵攻400年 琉球使節江戸に行く」
の企画展が行われており3時間があっという間に過ぎました。

 今回の講演で、沖縄に関する話が出るので、沖縄の人たちの反応が
どのようなものであるか興味がありました。おそらく沖縄の人たちに
とっては信じられないような東京都教育委員会の指導だったと思いま
す。それは文化祭における生徒の沖縄戦に関する掲示物に対する都教
委の指導、即ち検閲と生徒の表現の自由の問題です。案の定、沖縄の
人たちはそのような指導に対して、驚きとも怒りとも聞こえる声が
会場から聞かれたのです。

 最後にとても嬉しい話を聞きました。今回話しに熱が入り、しかも
タイムキーパーから止めろと言うシグナルがなかったため講演時間を
大幅に超えて終わりました。後で聞いた話ですが、タイムキーパーの
方は非常に厳しい人で、どんな人でも時間になると必ず大げさなシグ
ナルを送り止めさせるそうですが、今回は止めさせなかったという話
です。きっとKYの人なのですね。(笑い)


沖縄集会 - 感想文

◎正しいことをする人が、最近の社会では理解されない事が多くなっている様に思えます。しかし、教員が生徒に対してどのような姿勢で教育をしていくことが大切であると思います。教師や組合の権限がなんのためのものか、しっかりそれぞれの教員が考えなければならないことである。その権限が増大すれば、生徒達への言論弾圧であり、北朝鮮の幹部と同じである。そういうことを改めて考えさせられる、良い講演でした。私もたくさん勉強して、学校や地域から社会が良くなるために微力ながら頑張っていきたいと思います。

◎あの東京都で勇気を持ってたたかっている土肥先生の一言一言が心にしみてきました。ともすれば、折れてしまいそうになる毎日ですが、折れないように、しなやかに生きていきたいと思います。

2009年12月1日火曜日

講演日記 @岩手

2009年11月7日(土) 岩手県花巻市
場所: ホテル千秋閣 
時間: 午後12時40分から午後2時40分

 岩手から講演の依頼があり、講演場所が花巻温泉と聞いて喜びました。なぜなら
若い時から温泉大好き人間だからです。
私の岩手の思い出は、大学時代東北方面を旅行して小岩井農場に行ったことです。
天気がとてもよく、小岩井牧場から見た雄大で白い雪を被った岩手山を思い出します。
 今回は午後からの講演ということで、朝東京を立ち、新花巻に向かいました。

 紅葉もシーズンの終わりだとのことでしたが、都会に住んでいる私には紅葉を
十分楽しむことが出来ました。午後からの講演では皆さん非常に熱心に聞いて
いただき、講演会が終わったあと「一人も寝ていなかった」と嬉しい言葉をもら
いました。
 終わってから宮沢賢治ゆかりの地を案内していただきました。宮沢賢治の生家
跡、賢治が設立した羅須地人協会の場所、そして羅須地人協会の建物が保存され
ている花巻農業高等学校。講演の依頼を受けたと同時に、宮沢賢治ゆかりの地を
案内しましょうかというお話しがあり、即座に是非お願いしますと答えました。
私は以前から農民と共に生きた賢治が好きだったからです。最後は薄暗くなって
いましたが、宿の近くにある「釜淵の滝」も案内してもらい、紅葉とあいまって
空気が気持ちよく、すがすがしい気分になる景色でした。そして温泉。浴場は
とても広くゆっくり疲れを取ることが出来ました。
 翌日、最後にフロントまでのエレベーターの中で会った人が「昨日の講演もう
少し聞きたかった」と言って下さいました。私にとって最高の褒め言葉でした。




岩手 - 参加者の感想文

◎良識ある校長がいることに感動

◎教育に対する情熱が伝わってきた、あと1時間あっても良かった

◎大変勇気づけられた、すごい。

◎インパクトあった

◎実態を知ることができよかった

◎多くの校長に見てもらいたい

◎楽しく、あつい気持ちを感じる

◎ 教育の原点を教えられた

◎ 勉強になった

2009年11月10日火曜日

11.21東京大学公開セミナーのご案内

東京大学教育学部学校経営研究室公開セミナー
教育と言論の自由 -生徒のためにー

  三鷹高校校長現職中に「教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止」の撤回を東京都教育委員会に要求。
テレビや岩波ブックレット等で話題になっている土肥先生が東京都の教育の実態を母校でお話をします。

日時:1121日(土)13時30分から
場所:東京大学教育学部158号室(赤門1分)
   http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_01_j.html#
(地下鉄:丸の内線・大江戸線「本郷三丁目」南北線「東大前」千代田線「根津」下車)
講師:土肥 信雄(元東京都立三鷹高校校長)          

土肥信雄先生プロフィール
1972年東京大学農学部畜産獣医学科卒業。三菱商事勤務を経て小学校教員、高校教員(政治経済)に。
元東京都立三鷹高校校長(’09年3月定年退職)
三鷹高校校長現職中に「教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止」の撤回を東京都教育委員会に要求。
’09年度非常勤教員不合格(97%合格)。不合格と言論の自由を求めて’09年6月に東京都を提訴、公判中。

学生さん、教職員、市民の方、多くの方のご参加をお願いします。

連絡先:勝野正章03-5841-3967。mkatsuno@p.u-tokyo.ac.jp 
---------->立川君子 tatikimi@plala.to

参考HP:土肥元校長の裁判を支援する会 http://dohisaibansien.blogspot.com/
    学校に言論の自由を求めて   http://blog.goo.ne.jp/ganbaredohi

2009年11月7日土曜日

11月5日裁判後の報告集会








11月5日閉廷後、報告集会がありました。出席者は42名。

吉峰弁護士「要旨を意見陳述することを裁判官が採ってくれた。
 意見陳述をすることによって公開討論の道が少し開けた。不合格の理由はオールC。
 「オールC」評価は、事実を捏造し、(不都合なことはカットする)カットの法則
 できわめて恣意的なんです。国家賠償法では被告も請求原因を認知しなくては
 ならない。都教委も証拠を出さなくてはならない。きちんと議論をしなくては
 ならない。
 都教委も、腹をきめて反論せざるを得ないところに追い込んだ。
 第一段階としては成功です。
 将来両者の意見書は、書物にして研究者にも提供できるようにする。
 膨大なものになると思うが。」

 土肥 「①都教委が全面的に反論してくれてよかった。
 しかし、虚偽に満ち満ちている。
 ②東大闘争に対する思い。やめていった仲間など。商社をリスクを負って退職
  した思い。ここできちんと屹立していきたい。

 検閲問題は「沖縄の問題」であることが分かりました。(現代史の問題で見解の
 わかれるところということで、中国の問題か、沖縄の問題か分からなかった。
 沖縄戦→集団自決。手瑠弾を沖縄の住民に持たせたということで軍の関与は
 あったと言えるのではないか。一都民が沖縄戦について偏った考えだからと
 いうので、生徒の掲示物に対して検閲した。ここに問題がある。重大な問題
 です。
 
 ③業績評価が恣意的であるということは、これで明らかだ。企業では同じ空
 間にいるものが評価し、客観性を持たせるだけでなく、現実には売り上げが
 物差しにもなる。校長たちは先生に接触していないのだから評価は無理だ。

 私に対するC評価のプロセスは分からない。人事部職員課の人がつけたのだろ
 うが、教育長の名で評価されている。オールCは異常で、はじめに結論ありき
 だったのではないか。面接では都教委批判は控えた。本音は言わなかった。
 意見表明のみで評価する以外ないようにした。「挙手採決禁止」については
 校長会には一切話はなかった。都教委は校長たちの意見は一切聞かない。

― 質疑 ―


Q 他の校長もこうしたことは困ったと思った人がいたと思うが、
 都教委に意見する人はいなかったのか。怖いのか。

土肥 (校長の中に)おかしいという人はいたが、校長は怖かった。
 言論統制されているということだ。校長は人事権が握られているから。沈黙している。

Q 家永さんの教科書問題にかかわったが、文科省も、都教委も嘘が
 多いということだ。道徳教育を語る彼等にこそ道徳教育が必要だ。校長たちも盲目的に
 従わなければならないのか。ここで、教育委員会は何をなすべきか。教育委員会は
 何をしてはならないのか。こうした観点を裁判できちんとすべきではないか。
 授業の一環として学生も今日傍聴に来ています。

学生 裁判は暗いものかと思っていたが、笑いも漏れびっくりした。

Q 現場と都教委の間を橋渡しをしていたのが、校長だったが、
 橋渡しもできなくなったのはいつ頃からですか。

土肥 もとは校長会は都教委に意見をいう機能を持っていた。新宿高校
 事件あたりから変わった。それ以来都教委主催の校長会になり、トップダウンになった。
 都教委は今石原さんの意見に支配されているので、そこが変われば変わる可能性はある。
 一ッ橋グループの人たちが、教育委員になっている。

Q 学校評価が予算に反映することはないか。(国立大学は予算と関わっている)

土肥 都教委の新しい企画に飛びつくと予算がつくということはあるが、
 現在のところ予算で学校評価とは連動していないと思う。



次回は1月14日午前10時 606号室 宜しくお願いします。

                                 以上

11月5日第3回口頭弁論の報告

11月5日(木)午前10時より東京地方裁判所606号法廷で第3回口頭弁論が
行われました。
傍聴席は42席で、数名が法廷に入れませんでした。



― 弁論の内容 ―
青野裁判長「原告側の意見陳述を」

土肥「弁論意見陳述
  ①私の訴状にある全ての項目について反論して頂いたことは、公開討論を要請
   していた私の希望通りの形になりました。公開討論の場を通して、都民、国民
   にはお互いの意見のどちらが正しいか判断してもらいたい。

   ②事実は一つです。東京都教育委員会という巨大な権力が、虚言を吐いて、
   土肥をねじ伏せることはすべきではない。正しいと思うならば、虚言を吐く
   必要はない。

   ③法令遵守は私のポリシー。「職員会議に於いて教職員の意向を聞く挙手・
   採決の禁止どおり、三鷹高校では意向を聞く挙手・採決はやっていない」
   「業績評価に於いては実施要領どおり絶対評価で提出」
   「卒業式では職務命令は通達どおり出した」

   一方都教委は「絶対評価」と言いつつ、「相対評価」を強要。卒業式では、
   校長の責任と権限で「個別的職務命令」と言いながら「個別的職務命令」
   を強制。法令から逸脱行為をしているのは都教委で、校長の権限も都教委
   は奪っている。

   ④非常勤教員不合格には納得できない。生徒のために全力を尽くしてきた。
   全生徒からの色紙。生徒から卒業証書、保護者からの色紙をいただいた。
   しかし、「非常勤採用選考推薦書兼業績評価書」の評価はオールCなのは
   何故か。生徒のためではなく、教育委員会のための教育活動は教育活動と
   言えるか。

   ⑤2006年の密告による私に対する言論弾圧があった。都教委は、校長は
   都教委の指導にどの校長も従うものと傲慢に思い込んでいるのではないか。

   東大闘争の中で、リスクを負いながら大学を辞めていった仲間に対する
負い目。一流商社での談合に対する怒り、そして経済的社会的体裁を捨て
教育の道を選んだ。
   「言論の自由と平和、そして利潤追求のない教員になった時」の決意から
して、都教委に対して「私は言論の自由だけは、どんなリスクを負っても
絶対に譲れない」という思いがあります。
   私の信条である「言論の自由」を失うことは、私の今までの人生を無に
するものだ。

力及ばずして倒れることは辞さないが、力尽くさずして挫けることを拒否する

と意見陳述で力強く土肥さんは語った。



引き続き「原告準備書面」
吉峰弁護士    
 1、都教委の側から具体的な反論がありました。
まず「生徒の表現行為に対する検閲の強要」の問題です。小山指導主事の
「生徒の表現内容を確認して、不適切なものが提示されることのないようにする」
 という指導が検閲に当たるかにつきましては、被告が主張するような判例も
 ありますが、その判例に対してされた批判や本件への該当性の問題もあります
 ので、他の人権上の問題点も含め、詳細な反論を加える予定。ここに見られる
 あり方は都教委にとって「気に入らないものは掲示させない」というきわめて
 恣意的なものだ。

 2、「都立学校の職員会議において職員の意向を確認する挙手・採決を禁止
 する旨の通知」については、各分掌と企画調整会議のプロセスがあるから
  職員会議での挙手・採決を禁止しても校長の意思決定に何ら支障を与え
 ないという被告の主張がありますが、教員へのアンケートの結果
 「各分掌と企画調整会議によるプロセスは、現場の教職員の熱意を失わせた。
 教育現場から民主主義的な議論をなくしてしまった。」
 都教委は職員会議での挙手・採決を禁止した理由として「校長の意思決定を
 拘束しかねない運営が行われ」とあげているが逆に「校長の意思決定を拘束」
 してしまった。

 3、神津高校の校長の時、指導主事が卒業式に明らかに遅刻することが分かって
 の行動の非を、指摘しようとした土肥さんの発言を、賀沢指導課長が制止した
 件と、「国歌斉唱義務不存在確認請求事件」の判決および米長邦雄
 教育委員に対する原告(土肥)の発言の事情聴取の件では、被告(都教委)の
 事実主張の中には原告の発言を制止する肝心な部分が抜けていたので、その
 部分の事実を主張した。

 4、「校長による教職員の業績評価に対する違法・不当な干渉」について
 校長は絶対評価によって業績評価をするように実施要領に明記されている
 にもかかわらず、「C・Dを20%
 以上つけなければ業績評価を受け取らない」という指導も繰り返して行われて
 いた。 この点は立証について検討している。

 5.「原告の言論に対する弾圧」について
 都教委の「業績評価実施要領」と矛盾した指導「業績評価」に
 関する指導内容を公表したことに対して「守秘義務違反」「服務事故報告書」を作成し、
 事情聴取を行い言論封殺しようとした。要領と矛盾した指導を行ったのは都教委
 であり、今日職員の間に知れ渡っていることを「数字の印象や解釈などのみが
 独り歩きし、必ずしも制度全体を把握していない被評価者に不要な誤解を生じ
 させ人事考課制度への信頼を損なう」と強弁している。

 6.「校長に対する職務命令の強要と名誉毀損」について
 「君が代・日の丸」の強制に
 は思想信条の自由を侵犯する根本的問題がある。個別的職務命令書の発出を
 強要し、これを拒否した原告に対しては6回にもわたる個別的指導を執
 拗に行った。学校行事については、学校現場の校長の裁量権である。校長に
 対して強要するのは遺憾であり、都教委が虚偽の事実を他校の校長に流布した
 という事実に関しては、作為的に行ったことは明白である。

 7.「都教委の恣意的、独善的、強権的な言動に関する事情」について
  定時制通信制教育体験発表を行う予定であった教員の発表を、一方的に
 やめさせた。発表交代を原告が承認したというが事実に反する。他の場所で
 の発表が気に食わないから差し替えたとしか言えない。

 8.「本件不合格処分」「推薦書兼業績評価書」について
  そもそも作成名義が不明で適正な手続きが行われたかについて強い疑いを
  持つ。不合格処分は最初から不合格ありきで、原告(土肥)のオールC評
  価はあり得ない。邪魔者だから、今後のために、見せしめとして、迎合
  してC評価をしたのだ。
  天皇から指導を受けた都教育委員。異常ではないか。過ちを過ちとして認めて
  もらいたい。各争点に対してはきちんと反論していく。



青野裁判長 「12月24日までに書面を準備するように。
 次回は1月14日(木)10時。

2009年11月6日金曜日

事務局より(09年11月6日)

_会計報告

「土肥元校長の裁判を支援する会」では、皆様からのご支援金に
たいして、お礼状および領収書の発行に代わりまして、
随時このブログで会計の状況をご報告させていただきます。
あしからずご了承ください。

[期間]7月23日より8月31日まで

[支援金をお寄せいただいた方々] 210人
[ご支援金総額] 575,149円

ご協力まことにありがとうございました。

引き続きご支援をよろしくお願い申し上げます。
                      
                        以上
 
                  

講演日記 ― @福島浪江


講演日記(6)

2009年10月25日(日) 福島県浪江町
場所: 浪江町立浪江小学校 
時間: 午前9時から午前10時30分

 最初に福島県から25日の講演の話があった時、東北新幹線があるので2時間位で行けるのだろうと思っていました。というのは24日にも講演会があり、終わったからでも十分間に合うだろうと思っていたのです。ところが浪江町は新幹線が通らないため、3時間以上かかりました。常磐線特急でいわきまで行きそこから鈍行。単線でしかも手動ドアー。浪江に着いたのが午後9時過ぎ。でも懐かしかった。今から約35年前、初めて小学校の教員になって赴任した学校が神奈川県寒川町。相模線沿線で、相模線は単線の手動ドアーでした。
 
 今回の講演は小、中、高、大、私学合同主催の研究集会で一般保護者の方も含め250人くらいの参加者があり大盛況でした。生徒からの卒業証書を参加者の方に読み上げてもらい、授与された時は拍手が起こりました。卒業証書は何回もらっても嬉しいですね。東京都の実態を話すにしたがって、参加者の眼差しが真剣さを増し、東京都の状況が福島県に波及してきたら大変だという思いを強く持ったようです。講演会が終わった後も多くの方から声をかけられました。特に福島県ではまだ業績評価制度が導入されておらず、もし導入されたら大変であるという声が多く聞かれました。
 

 今回は講演だけでなく、講演の後行われた教育シンポジューム「子どもを真ん中にした学級・学校づくり ―子どもの権利条約・意見表明権をめぐって―」もパネラーとして参加させていただきました。
 その中で高校生の特別指導の問題が出ました。私は教員時代長く生徒指導部にいたため生徒指導についてはそれなりの経験があり、また生徒の意見表明権は子どもの権利であるという立場から意見を述べました。「特別指導といえども生徒には意見を表明する機会は絶対に与えるべきである。ただし、子どもの意見は間違っていることもあるので、それを説得するだけの教員の理論が必要であり、教員は常に生徒に対する説明責任を負えるよう研修しなければならない。」やはり、教育の主体は生徒であることを絶対に忘れてはならないと思います。もちろん主導権は教員が持たなければなりませんが。
 
 講演後、今回の集会で私と連絡を取った竹中先生が浪江町の観光案内をしてくださいました。泉田川のやな場では、川を鮭が遡上する自然の姿を初めて見ました。自然の空気を吸いとても気持ちの良い時間でした。福島県の皆さんありがとうございました。












感想文

土肥先生、強いですね~。ご自分の信念で30年以上も教育実践をされてきた自信かあるから、闘えるんだろうなとしみじみ思いました。何もできませんが応援してます。(一般参加です)。


学校教育にたずさわるものとして、普通に考え行動してきたら、結果的に脅され、弾圧され、不合格となるというおかしさ。土肥さんのようなまともな校長に増えてほしいし、私たちも物を言っていきたいと思います。


土肥先生の温かく魅力あふれる語り口に引き込まれました。お話を拝聴すればするほど、都教委の対応に憤りを覚えました。土肥先生の「基本的人権の尊重」といったポリシーを今後も貫いていくことがよりよい教育につながると確信しています。


日頃、あまり疑問も感じずにいたが、よく勉強していきたい。

2009年10月25日日曜日


■□土肥先生の教え子とその保護者等の会「土肥元校長の裁判を支援する会」からのお知らせです□■
************************************************「学校に言論の自由を!」裁判!
第3回は 11月5日 です!!
今回は都教委の不当な反論に対する私の反論を展開します! ぜひ、裁判の傍聴に駆けつけてください!
*************************************************

◇東京都教育委員会(都教委)の「職員会議での挙手・採決をおこなうことを禁止する」という通知に対して、土肥元校長は『禁止によって教職員の間に自由な討論ができなくなっているとして通知の撤回を要求し、都教委に公開討論を求めてきました。しかし、都教委は応じませんでした。
◇土肥元校長は定年退職後、非常勤教員としての再雇用を希望しましたが、都教委は、それを不合格にしました。定年退職後の非常勤教員としての採用を不合格にしたのは「報復」であり、不当なこと、として、都教委を相手に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。
◇裁判という形で、公開討論を実現させようという「学校に言論の自由を!」裁判も3回目になります。この裁判は、教育のありようを問う重要な裁判だ!と各方面から注目を集め、毎回、法廷に入りきらないほど大勢の方々が支援の傍聴に駆けつけてくださっています。

日時●11月5日(木)午前10時~
★傍聴席の定員は42名です。開始時間間際ですと入れません。
できれば、30分前位には、お越しください。

場所●東京地方裁判所 606号法廷


※裁判終了後、弁護士会館「508ABC」で
報告会
を行います。
ぜひそちらにもご参加ください。

連絡先●090-5642-6304(高本)090-2780-7728(平山)

2009年10月23日金曜日

講演日記 ― @文教大学

講演日記(5)

2009年10月19日(金) 埼玉県越谷市
場所: 文教大学 講義室 
時間: 午前10時40分から午後12時10分

 今日は文教大学教育学部の皆さんに講演を行いました。
またまた三鷹高校をこの春卒業した生徒がいました!私の信条である「基本的人権の尊重と平和主義」を覚えていて、私の質問に正確に答えてくれました。嬉しかった!!
講義室がほぼ満杯となる約60名の生徒さんが出席していました。多くの生徒が教員を目指しているということで、本当に真剣に聞いてくれ、その真剣さがそのまま現われている感想文をほとんどの生徒が書いてくれました。(56名)今回の講演日記は生徒達の感想の一部を紹介して、講演の様子を実感していただければと思います。

最初に私の教え子(今年度三鷹高校を卒業した生徒)感想文です。


久しぶりに土肥先生出会えてよかったです。3年生の授業だったので1年生の自分にとっては、少し発言とかはしづらかったけど、土肥先生の熱い思いは伝わってきました。現在教育学部で土肥先生のように立派な先生を目指して勉強中です。大学に入り、色々な教育学の授業を通して、改めて土肥先生の素晴しさを理解し、高校時代に戻りたいと思いました。これからも土肥先生も頑張ってください。自分も頑張ります。


土肥先生のお話を聞いて、教育とは何なのかを考えさせられた。校長のためでもなく教員のためでもなく、生徒たちを主体とし生徒たちの意見を尊重し、一人ひとりの幸せな人生へと導くものだと私は考える。その際、やはり生徒の実態を把握しているのは教師だ。校長の権限を強化することがよりよい学校経営につながるとは思えない。土肥先生の教育に対する熱い想いと、子どもたちへの真の愛情を感じ、私も土肥先生のような信念を持って教壇に立ちたいと思った。このような先生がいなければ独断ばかりの教育となり、学校に「居場所」がなくなる子どもたちが増えてしまうのではないだろうか。ありがとうございました。


今回、土肥先生のお話を聞けた私は、とても幸せだと思いました。土肥先生の考え方は妥当だと思います。上の言うことが必ずしも正しいといえないことは日常的にたくさんあります。だけど、これが普通になってきている日本全体が怖いです。今日は私の人生において忘れられない日になりました。私は沖縄県の県立高校出身ですが、戦争関連の時期になると色々な考え方がありました。地方の高校なので都会の影響はまだ少ないとは思いますが、これからは波及していくことを考えると不安です。土肥先生、体に気をつけてください。これからの土肥先生の活動を応援したいと思いました。ありがとうございました。


今日、土肥先生のお話を聴くことができてよかったです。私が考えたことは、職員会議が議決の補助機関としたならば、決定権は校長にあるのでそれでいいのではないかということです。さらに、今回配られた新聞に目を向けたところ、採決は縛りがかかってしまうと書いてありましたが、よく考えれば採決がなくなれば縛りすらもなくなってしまうと思いました。そうなってしまえば、それは独裁ではないかと思いこれではいけないと思いました。


私自身は今回の講義で最も充実した授業を受けることが出来た。最も子どもに接する教師に権限が与えられるのは当然だと思う。教育委員会の改善こそが教育の改善であると思った。そのために公務員を目指す人に、土肥先生の講義を聞いてもらうのが一番ではないだろうか。この講義は教職の授業だけでなく他の学部でも行うべきだと思った。


土肥先生、今日はありがとうございました。ビデオを見て、土肥先生が生徒たちとのスキンシップを大切にし、一人ひとりの自主性を尊重していることがとてもよくわかりました。私が今まで見てきた校長先生とは違って授業に出たり部活動に参加したり、生徒にとって近い存在だったのだと思いました。(色紙などを見て)先生の“言論の自由”についての考えを聞いていて、本当に生徒を第一に考えているということが伝わってきました。都の教育委員会のやり方について私も納得がいかないと思います。巨大な圧力に屈することなく立ち向かう先生の姿に、私も教員を目指す者として応援していきたいです。学校教育は生徒のためにあるものだということを改めて感じ考えさせられました。今日は本当にありがとうございました


今日は大変お忙しい中わざわざ私たちのために貴重なお話をありがとうございました。まず土肥先生を見た第一印象は“元気”ということでした。私もまずは“元気”な先生を目指していきたいと思います。今回、お話を聞いて教育における言論の自由の大切さがひしひしと伝わってきました。私自身とても考えさせられました。裁判ぜひ頑張ってください。応援しています!私自身、部活大好き人間なので、土肥先生のような姿勢でいきたいと思います。学校の主体は“生徒”忘れません!


本日は、大変貴重な話をありがとうございました。土肥先生の真直ぐな思い、生徒を一番に考えるという教育の原点を見た気がします。こんなにも真直ぐに教育の原点を見られたのは初めてで、ものすごいパワーでした。私も教育者を目指すものとして、この教育の原点を絶対に忘れてはいけないと思いました・自分の意見を大切にしてどんな大きな組織にも立ち向かう勇気、その信念は本当に尊敬にあたいしました。今日、私が心を動かされたように、私も、土肥先生のように心を動かすことのできる教育者になりたいです。


土肥先生の授業を受けて、生徒からも保護者からも愛される先生なのだとなあと強く感 じました。校長先生でここまで生徒と近い先生はいないと思います。私の記憶では、校長先生が生徒と楽しそうに話をしている姿は見たことがありません。生徒のためにここまで一生懸命動いてる土肥先生が、なぜ非常勤教員に不合格なのかきちんと都教委に説明してほしいです。土肥先生のような先生こそ教育現場に必要だと思いました。色んな人がいるから色んな意見が出るはずです。職員会議でもたくさんの先生方の意見を聞くべきだと思います。土肥先生の行動をきっかけに、教育現場がよりよいものになれば良いと思いました。


今日の土肥先生の講義はとてもためになった。とても熱い方だなと感じた。本当に生徒のために戦える人だなと思った。教育委員会という巨大な権力に戦いを挑むのは、本当に勇気のいることですが、言い方を変えれば無謀だ。退職金とか不当な処分を受けるリスクもある。しかしそれを分かりながらも戦った先生はカッコイイ!これからも、生徒のため自由のために頑張ってください。

以上56名中10名の感想です。あと46名の生徒の感想も、この10名の生徒の感想と同じように生徒の思いが感じられる素晴らしい感想でした。(正直言うと多少は私に対する批判があってもいいかなと思っています。感想を書かなかった生徒が批判的なのでしょうね。)

講演日記 ― @清瀬

講演日記(4)

2009年10月14日(金) 東京都清瀬市
場所: 清瀬市消費生活センター 
時間: 午後3時30分から午後5時30分

 清瀬市と言えば、入社した商社の運動場があり、新入社員のスポーツ大会以来
約40年ぶりの訪問でした。その当時は、えらい遠いところに会社の運動場が
あるなという感じでした。
 会場に着くと、若い先生たちが会場作りをしていました。話を聞くと清瀬市の
小学校は若い先生が多く、平均年齢も30歳台だと聞いて驚きました。都立高校
の場合は、ほとんどの学校で平均年齢が50に近い40台後半だと思います。
 
 講演の前に川崎先生から沖縄の報告があり、私の講演の中にある生徒の文化祭
の掲示物と大いに関連のある話を興味深く聞かせてもらいました。今回の集会は
清瀬市の小中学校の教員が対象なので、普段の日の金曜で授業もあり、放課後も
生徒との対応等忙しさは十分知っていますので、先生方は集まるのかなという
気持ちもありました。やはり、最初は空席が目立ちましたが、私のドキュメンタ
リーの上映が終わる頃になると、ほぼ会場が埋まるほど(30~40名ほど)に
なりました。
 ドキュメンタリーを上映した後に講演に入るととてもスムーズに講演に入るこ
とが出来ると思いました。私の現在の行動は私の教育実践の延長上にあり、教育
の主体である生徒のことは勿論、私自身、都民、国民のためだと思っています。
したがって私の教育実践を記録した映像を見たうえで私の話を聞いていただくこ
とにより、私がなぜ身を賭してまで都教委と闘うのかということを実感していた
だけるのだと思います。
 清瀬市の小中学校は直接都教委とは関係がありませんが、都教委の方針は間違
いなく市教委に影響を及ぼしますので、今回も皆さんとても真剣に聞いてくださ
いました。

 講演会を終わるとたくさんの方から「頑張ってください」という声をかけられ
支援者がどんどん増えていくことを実感しています。私は現在無職ですが、多く
の人に都教委の実態を伝えることが私の仕事だと思っています。 これからは
名刺に「講演師 土肥信雄」と書きましょうかね。(笑い)

2009年10月10日土曜日

土肥元校長の講演日記 - @独協大学


2009年10月7日 獨協大学
場所: 埼玉県草加市 獨協大学大講義室 
時間: 午後1時15分から午後2時45分


 いやー昨日(7日)でよかった、と今日(8日)思いました。
今日は台風18号が日本を直撃し朝から暴風雨。テレビを見ると交通機関もずたずた。講義が今日であれば中止は必至。昨日やれてよかった!!なぜなら、昨日の獨協大学での講義はとても楽しかったからです。
 獨協大学で講義をすることになったのは、三鷹高校の生徒の保護者が獨協大学経済学部の先生だからです。したがって受講する生徒は経済学部の二年生以上で、あまり教育のことについては関心がない生徒とのことでした。
 講義を始める前から、わくわくしたことが三つありました。
一つ目。生徒が講義室に集まってきた時に、一番前の席に見たことのある生徒が現われました。
あれ、今年卒業した三鷹の生徒!!そう、よく知っている吹奏楽部の生徒でした。経済学部ではないけれど、私の講義のポスターを見てわざわざ来てくれたのです。いやー嬉しかった。
二つ目。講義室にどんどん生徒が集まってきたのですが、生徒は後ろのほうから座り始めたため、前の方が空いている状態になりました。その様子を見て私の大学時代を思い出し、昔も今も学生気質は変わらないものだなと、何か私自身が大学生になった気分で、わくわくしたのです。(講義が始まる時は前の方もかなりの生徒が座りました)
三つ目。始まる時は、大講義室が約200人の生徒でほぼ満杯になり、よし、この生徒達を眠らせないように授業をするぞというわくわくした気持ちになったのです。
 
 私が今都教委(東京都教育委員会)と「言論の自由」について闘っているのは、私自身のためであり、日本のためだと思っていますが、特に将来を担う若い人たちのためでもあると思っています。私の集会ではどちらかというと年配の方が多く(失礼)、私は若い人たちにも、話を聞いてもらいたいと常々思っています。だから学生を対象とした講義は特に力が入ります。今回も最初にテレメンタリーを見てもらって、私が校長としてどのような教育活動をしているかということを知ってもらいました。私の今の闘いは、教育活動の延長線上にあるからです。
 話をするにあたって心がけたことは、私が何をしているかまるで知識が無く、教育問題についてもあまり知らない生徒が対象なので、いかに分かりやすく説明するかということでした。特に「職員会議において教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止」のところは分かりやすく説明するつもりでした。この話をしていて多くの生徒が寝てしまったら、私の講義は失敗だと思っていました。
 
 テレメンタリーがおわって、私のポリシーを三鷹の卒業生に聞いたところ、卒業生は「基本的人権の尊重と平和主義」と即座に答えてくれました。さすが三鷹の卒業生。三年間、「耳にたこ」が出来るくらいいつも生徒に言っていた甲斐がありました。これも嬉しかった!話し始めると真剣な眼差しが私に向かってくるではありませんか。しかもいつもの集会と違うのは、相槌が無く、じっと私の話を聞き入っている様子でした。(ICUの学生に講義をした時も同じ様子でした。この問題を全く知らない場合はこうなるみたいです)職員会議の挙手・採決の話をしてもほとんどの生徒の真剣な視線を感じ、私自身も興奮を覚えるほどでした。(もちろん寝ている生徒も4、5人はいました。200人もいて誰も眠らないのも怖いですから。もし名前を知っていたら当てて起こすだろうなと思いました)とてもかわいく思ったのは、私が生徒に質問して答えさせるため、私が近づいて視線が合うと、なんとなく下を向いて視線をそらすことでした。私、生徒、教員に対する言論弾圧の話しをしたときは、驚いたような表情をした生徒も多くいました。講義が終わったとき予想外に多い拍手に、ああ講義をしてよかったと思いました。講義終了後も生徒が質問に来たり、感想を届けてくれる生徒もいて授業をやってよかったと実感しました。
 本当に今日でなくてよかった!!!(今日8日は台風直撃)


















わざわざもって来てくれた生徒の感想
● 土肥さんの考えは、人間が幸せになるために基本的人権を大切にしていると思います。学歴や知識よりも人として大切なことを土肥さんは伝えていると思います。子どもの未来をより良いものにしていくには、土肥さんの考えが必要になってくると思います。権力に負けず頑張ってください。今日はありがとうございました。

2009年9月13日日曜日

裁判(第二回口頭弁論)と報告集会の記録

― 裁判 ―
9月10日(木)午後4時より第二回口頭弁論が東京地裁606号法廷で
行われました 。 傍聴希望者は60数名。傍聴席は42席なので、
数十人 が法廷に入れませんでした。

弁論の内容:
青野裁判長「被告側の反論が出た。原告はさらに反論を書証で提出するか」
吉峯弁護士「今回は都側のきわめてマジメな反論が出たので、こちらもきちんと
         反論したい。」
青野裁判長「準備にはどのくらい必要か」
吉峯弁護士「1ヶ月半。」
青野裁判長「それでは10月28日までに書面を提出のこと。次回弁論の期日は
         11月5日(木)午前10時とする。」
吉峯弁護士「傍聴者が多く70名くらいいる。入れない人もいるのでもう少し
      広い法廷を希望する。」
青野裁判長「これより大きい法廷は1階の大法廷だが、50ある部で奪い合いの
      状態だ。今後証拠調べの段階になったら大法廷の使用もありうる。」

以上で閉廷。ものの5分で終わりました。土肥先生の出番はなし。


その後ただちに弁護士会館5階に移動し、報告集会を持ちました。

― 報告集会 ―
           



              
                                     
                     (写真撮影:平田泉氏)

吉峯弁護士の解説:
「裁判の陳述は口頭で行うことになっているが、現実にはあらかじめ
 書面を出しておく 。
今回の裁判の訴状は直接には非常勤講師の不採用をきっかけと
 しているが、 東京都の教育行政の中できわだっておかしなことが
 次々に起きていることを、 裁判の場であきらかにしていくことも
 目的にしている。
 校長は現場の声を聞かなくてよい、都教委の指示だけにしたがって
 いればよいというトップダウンの組織は時代遅れだ。

今までの日の丸君が代の訴訟で、都側はまともな対応をしてこなかった。
それに対し、今回は具体的な論点をあげてひとつひとつに対し、国家賠償請求を
起こしているので、都側もまじめに認否反論をせざるをえない。
都側の石津弁護士は比較的まとも。反論は68頁におよぶ力作で、一見すると
それなりに説得力がある。こちらも気合を入れて反論しなくてはならない。

都側の反論を読んで「この論点については自分はこういう意見がある」と
思ったら、吉峯法律事務所あてメールやFAXで知らせてほしい。
(採用するかどうかはわからないが)必ず読んで参考にさせてもらう。
弁護士には見えていない本質的なことがあるかもしれない。

土肥先生の話:
「忙しい中ありがとうございました。あんなに簡単に終わっていいのかなと
思いました。あれでも長い方だそうです。皆さんが来てくれることで裁判官の
心象が変るそうですので、気楽な気持ちで来てください。
都側の反論を見ると一見すると納得することが書いてある。
 しかし真実が書いてない。
例:文化祭での掲示物撤去。校長会では沖縄戦のことは一切言わなかったのに、
反論書では沖縄戦だと明記している。
みないいとこどりで自分(都教委)に都合よく書いてある。これから書く僕の反論と是非読み比べて
ほしい。「連帯をもとめて孤立を恐れず、力及ばずして倒れることを辞さないが
力尽くさずして挫けることを拒否する」という気持ちです。

司会「こちら側の訴状と都側の反論資料などをインターネットで公開できるか」
吉峯弁護士「かまわないでしょう」
司会「そうすれば文字とおりネット上の公開討論ができますね。」
吉峯弁護士「弁護士は基本的にウソは言わないが、都合の悪いことはカットして
言わない場合がある。カットの法則。主要な書面については原則として公開して
 いく。 」

質疑応答
Q1.「企画調整会議のあり方について裁判でも論じていかなくてはならないのでは
   ないか?」
土肥先生「どうするか今は未定。」
吉峯弁護士「都側は表向きはいいことを言う。例えば職員会議で議論は活発にやれ
 とか 。 現場の先生方はそれを逆手にとって、利用したらどうか。」

Q2.「日の丸・君が代不起立で非常勤に採用拒否された。不合格理由はC.
    校長に対する評価はどうなっているか?」

土肥先生「業績評価については校長は5段階評価。ただし採用試験は3段階評価だと思う。点数評価でなく総合評価と言っている。僕は校長採用の面接試験では都の方針に逆らう主張をしたが、採用された。 今回の非常勤講師採用の面接試験では考えて都教委の方針に反するようなことは主張しなかったのに不採用だ。
吉峯弁護士「結果はあらかじめ決まっていた。」(笑)



  次回の裁判は11月5日(木)午前10時 東京地裁606号法廷です。
 
                                   以上
  なお原告(土肥元校長)の訴状(2009年6月4日提出)は
  ブログ「学校の言論の自由をもとめて」
    =>http://blog.goo.ne.jp/ganbaredohi/c/54ce691c06aba6580c86c1a67e05c568
   に掲載されています。ご参照ください。
   

2009年9月5日土曜日

土肥元校長の講演日記 - @三鷹


講演日記(2)


2009年8月27日 東京都三鷹市
場所: 三鷹市 三鷹公会堂別館 
時間: 午後6時から午後8時


三鷹公会堂は三鷹高校の校長の時、映画
教室や芸術鑑賞教室でよく行った場所、
それと三年前に三鷹駅伝を走ってゴール
したところなので、故郷に帰った気分でした。

 今回の講演は、三鷹市の小・中に勤めている教員が中心で、
その保護者も含めた地域の人たちです。参加人数は約50人でした。
地域の年配の方も参加されていました。都立高校の教員と
市立小・中学校の教員は三鷹に限らずどの地域でもあまり
交流がありません。でも三鷹の教員から講演の依頼を受けた
ときはなんとなく嬉しくなりました。三鷹高校に生徒を入学
させた先生や三鷹高校保護者もいるだろうなという思いでした。
案の定、今年三鷹高校を卒業させた保護者がいました。
私も覚えている生徒なので話が弾みました。

 今回の講演は時間が100分ほどあったので、テレビ朝日で放送した
ドキュメンタリ宣言(30分)を上映してから講演に入りました。
ドキュメンタリ宣言では三鷹高校での私の生徒に対する思い、私の教育
実践を描いています。私の都教委に対する闘いは、私の教育実践の延長上
にあるため、ドキュメンタリ宣言を見てからの講演はとてもスムーズに
入れました。参加者も私が地元の元校長ということで初めから親近感を
持って聞いて下さりとても反応が良かったと思いました。

都立高校は東京都教育委員会、小・中学校は各自治体の教育委員会が
(三鷹の場合は三鷹市)権限を持っているので、高校と小・中の管理体制は
違うのですが(三鷹市は教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止の通知は出し
ていない)やはり東京都教育委員会の施策の影響はとても強く、非常なる
関心を持っていました。
特に業績評価については都と同様、業績評価を行っているため特に関心が
高かったようです。後日責任者からメールで「また機会があれば講演会を」
という嬉しい連絡を受けました。


三鷹の皆さんの講演の感想です。(主なもの)
★ バンコク在勤中に土肥先生の活動を耳にしました。この春から三鷹に勤めています。先生の活動の様子や闘志は、日本中だけでなく世界中の日本人コミュニティーに届いています。微力ですが土肥先生の背中を押します。そして一緒に勉強させてください。今日は素晴らしい講演ありがとうございました。
★ 三鷹高校の卒業生であることに誇りを感じました。土肥先生に元気と勇気をいただきました。言論統制に対してもっと敏感でありたいと思います。何よりも子ども達のために!
★ 現場にいると、あたりまえのように行われていることが、実はものすごく言論の自由を奪い権利を奪っているかもしれないのに、それを訴える人、それに気づく人が少なすぎます。それはもしかしたら皆分かっているのに言えないだけ、または知らずに統制されているんだろうなと思いました。自分はぜったい!!そんな先生にはならないぞ!と強く心に誓うことが今日出来ました。本当にパワーのある話をありがとうございました。

2009年9月1日火曜日

土肥元校長の講演日記 -@福井

講演日記

2009年8月26日 福井県福井市
場所: 福井市 ユー・アイふくい(福井県生活学習間)
時間: 午後3時30分から午後4時30分

福井は初めての場所。でも私が小学校の二年生の時大阪から新潟に引越し、
母の実家の京都に行く時、新潟から北陸線で急行「日本海」で深夜通過した
駅が福井。懐かしい思い出です。

今回は米原まで新幹線で行き、そこから北陸線の特急で福井まで。
講演の依頼を受けたときは、当然一泊二泊と思っていたら、意外や意外、
日帰りでも十分でした。やはり新幹線は早い。片道約3時間半の旅でした。

今回の講演は福井県の県立高校の先生方を対象とした講演です。
地方の先生方は、東京の教育が、地方に及ぼす影響をすごく心配している
のです。
福井駅まで迎えに来てくださった方によると、福井の先生はすごく真面目で
おとなしいとのことでした。今回の講演時間は60分と短かったのでビデオの
放映はなく講演だけでした。集まった人数は約50人。

講演を始めると、反応が今までの講演に比べるといまいちなので、私の講演が
興味を引かないのかなと思いましたが、私を見る目は真剣そのもの。
後で分かったのですが、これが迎えに来てくれた人が言った福井の人たちの
特徴だそうです。
講演が進むにつれ反応もよくなり、東京都教育委員会の横暴ぶりに驚いていました。
特に私が業績評価のことで守秘義務違反に問われ、一方マスコミに、校長に対し
C・D20%以上出すような指導はしていないという矛盾について話したときには、
さすがに都教委のやり方にあきれて笑いがおこりました。
この頃になると私の人柄も分かったようで、私もリラックスして話すことが出来
ました。
特に福井の人たちが興味を持ったのが、東京都の統括校長、校長、副校長、主幹
教諭、主任教諭、教諭のヒエラルキー化と業績評価でした。私自身も、教職員の
意向を聞く挙手・採決の禁止以上に、言論統制に大きな影響を与えるのはこの二点
だと思っていました。今回の講演でも「意向を聞く挙手・採決の禁止」「業績評価」
「ヒエラルキー化」の三点セットで一般教員の言論統制が完成することを強調して
きました。

福井の皆さんの講演の感想です。

★東京都の大変さをしみじみ感じた。時間が短い感じがした。

★ユーモアもあり、しかし、核心に触れたお話で、楽しく真剣に考えさせていた
だきました。やはり、業績評価は取り入れるべきでないと実感しました。
組合をあげて、福井県の導入を阻止すべきだと強く思います。

★あんな熱い校長先生は初めてみました。うちの校長とは大違いです。
今日は、いい話を聞かせていただきありがとうございました。

★都立高校の現状、都教委の現状、初めての話ばかりで驚きました。生の話が
聞けてよかったです。

★大変おもしろく話をしていただき、ありがとうございました。本、番組の
DVDに興味がわきました。 裁判の行方も注目して見守ってます。

★非常におもしろく、また感動しました。元気を頂きました。先生も頑張って
ください。生徒のために汗をかきましょう。

★先生の話、迫力在るなあと思いました。授業を受けたかった。同校で一緒に
働きたかった。でも、実態を知り都知事の見方ががらりとかわりました。

★1時間は、あっという間でした。もう少し時間があれば、教職員間と校長との
関係構築などの点を聞けたら良かったと思います。都教委とのたたかいについて
よくわかりました。これから裁判については注目していきたいです。

★基本的人権と平和主義を信条に教育活動をされていることに感銘を受けました。
学校運営がその信条を柱に生徒達の成長を期して教職員全体の合意で行われる
ことを福井の地で実践したいと思います。

★厳しい現実がよくわかりました。「生徒のために」という気持ちはよくわかり
ます。ただ、実際、「まず自分」という先生もいるのは事実です。そこで折り
合いをつけることは難しい。実際仕事する人に仕事が偏ってしまう。集団として
まとまるのは難しい。

★「自由にものが言える職場と教育」わかりやすい内容で興味が持てた。
土肥さんには、是非頑張って欲しいと思います。

★熱い講演を有り難うございました。強い信念のもと「生徒、教員のための先生」
として活動されている様子。とても力強く、励まされました。窮地においても、
先生を支持される方々のネットワークを 大事にされて、前進されていることに、
本当に感動し、聞き入りました。

★職員室へほとんど来ることのない校長から評価をされて給与が上下するのは
ごめんだ。 校長によっては、しょっちゅう職員室をまわる人もいるが滅多に
こんな人はいない。

★土肥先生の教育への熱意・情熱と貫いておられるポリシーに改めて「生徒の
ための教育活動」を実践しなければと思いをあらたにしました。

★不満に思うことや納得できないことがあっても、どうせ言ってもしょうがない
・・・という気持ちでいましたが、職場で意見が出せるようにしたいと思いました。

★先生の講演を聞いていると何だかスッキリした気分になりました(テレビを見た
ときもそうでしたが)。もっとお話を聞かせていただきたかったです。有り難う
ございました。

★東京の現状を知り、驚きました。土肥先生の訴訟に注目しています。頑張って
 ください。

★堂々と戦う姿勢に非常に共感。主張しているのは当たり前のことばかりなので、
保護者・生徒・マスコミが支持してくれるのも当然と思います。勇気をもらえる
講演でした。

★「意見が言える」ということが、本当に大切だと思った。先生の勇気ある行動
に敬意を表します。

2009年7月26日日曜日

第一回口頭弁論 意見陳述


① 34年間の教師生活の中で、私は、障害児、勉強の好きな子、嫌いな子、運動が得意な子等々様々な生徒と関わってきました。私と関わった生徒はみな幸せになって欲しいと思うのは教師として当たり前のことだと思います。そのためには生徒一人ひとりの人権が尊重される社会こそが生徒の幸せを保障する社会だと思います。人権が保障されるということはその前提として平和でなければならないのです。だからこそ私の信条は基本的人権の尊重と平和主義なのです。
② その基本的人権の中でも最も重要なのが言論の自由だと思っています。特に多くの意見を反映できる制度としての民主主義政治にとって言論の自由が絶対不可欠な要素であり、言論の自由がない政治は民主主義政治とはいえず、独裁政治です。言論の自由がない組織は歴史を見れば明らかなように必ず腐敗し崩壊しています。戦前の日本も、ソビエト連邦も、そして船場吉兆やミートホープも崩壊しました。民主主義を教える学校で、民主的運営が行わなければ民主主義は教えられません。教師の言論の自由がなくなれば必ずや生徒の言論の自由も奪われ、日本が再び崩壊の道を歩むと思います。
③ 教育は誰のためのものですか。当然、生徒のためだと思います。だからこそ私は生徒のために全力を尽くしてきました。その証が、私の退職に当たり、生徒達が私にくれたに卒業証書と卒業生全クラスの色紙です。私は何も悪いことをしていません。私の信条は法令遵守であり、法的に決まったことはきちっと守っています。私が今問題にしている教職員の意向を聞く挙手採決も三鷹高校ではやっていません。でもこの通知は言論統制に繋がり、最終的には生徒のためにならないと思うからこそ通知の撤回を要求しただけなのです。生徒、保護者に高く評価され、法令を守っている私が、何故非常勤教員不合格になったのか、どうしても納得がいかないのです。
④ 教育現場で私は生徒に「自分が思ったことははっきりと言いなさい。」と指導してきました。それは生徒の主体性、自主性を育てるからです。ほとんどの学校の教育目標に「自主性、主体性」という言葉が出てきます。私はそれを生徒に教えた責任からも、自分の思ったことを言わず、不当な権力にへつらうことは出来ません。もし不当な権力の言いなりの社会なら、全国の学校の教育目標に掲げてある「自主性、主体性」の言葉をはずしていただきたいと思います。
⑤ 今回提訴した一番の理由は「生徒のために」です。私の教えた生徒達が、自分の思ったことを自由に発言できる社会にしたいからこそ提訴したのです。教育委員会も校長も教員もそれぞれの役割を果たして生徒のための教育活動が可能になるべく全力を尽くしているはずです。教育委員会は施設、人事等の条件整備で、校長は教員のやる気を起こし、学校の活性化を図るリーダーシップを発揮し、そして教員は生徒と直接向き合って生徒のために汗を流すのです。今まで東京都教育委員会に何回も公開討論を要求しましたが、全て断られました。国民が私の考えが「生徒のためにはならない」と判断したのなら、私は素直に国民の意見に従つもりでした。今回、裁判という公の場で東京都教育委員会と討論できることを嬉しく思います。この裁判を通して、私の見解と東京都教育委員会の見解を十分に吟味・比較して公平な判断を下されるようお願い致します。

2009年(平成21年)7月23日 
元三鷹高等学校 校長 土肥信雄 

第一回口頭弁論報告


7月23日(木)午前10時より第一回口頭弁論が東京地裁606号法廷で行われました。
約50人の傍聴席は、開廷10分前には満員となりました。中には小学生と親御さんの姿も。
その後駆けつけ、傍聴出来なかった方は20人以上。
以下は傍聴した人の報告です。
「土肥元校長の意見陳述はいままでに土肥元校長が言ってきたことを簡潔にまとめたものでした。
(注:第1回口頭弁論 意見陳述としてブログにアップする予定)
『教育委員会は一度も公開討論に答えてくれていない。裁判において教育委員会が対応してくれる
ことに感謝します。』と締めくくりの挨拶で述べられました。
その後、吉峯弁護士の代理人陳述がありました。都教委側は弁護士ふくめ4名が出廷していました。」

10時半前に閉廷。東京地裁民事第19部で裁判官は青野洋士、松本真、武智鈴子。

**
その後ただちに弁護士会館5階に移動し、報告集会を持ちました。
(撮影:平田泉氏)


はじめに吉峯弁護士が報告と解説。「この裁判は事務所をあげて取り組んでいる。
都教委はどう考えても異常である。われわれもいろいろな教育裁判を手がけている
が、土肥元校長は本当にいいところにタマを投げてくださった。
背景の教育権をめぐる考え方として2つある。ゴリゴリの国家教育権説と、国民自身の教育権説。
単純に一方だけというのでなく、民主主義国家としてどこで線を引くか。子どもの学ぶ権利に立って
考えるべきだ。
裁判所は建前上は傍聴を無視しているが、実は気にしている。皆さんのようなまともな人たちが
大勢傍聴に来ることで、裁判に影響がある。」 

  
                    
土肥元校長の挨拶
「さわやかな心境です。裁判でひとつひとつ、都教育委員会の違法行為を解明していきたい。
皆さんの支援をお願いします。」


吉峯総合法律事務所の高橋弁護士、大井弁護士、木の切弁護士にもご挨拶を頂きました。
木の切弁護士は「この裁判を手がけることができて光栄です。」とのこと。

― 質疑応答 ―
Q.「裁判の目的は?」
A.(以下の答えは吉峯弁護士)「こうむった損害に対して国家賠償をもとめるもの」
Q.「提訴の法的根拠は何か?」
A.「憲法21条表現の自由、同26条教育を受ける権利など」
Q.「国際人権規約違反だと思うので、それを前面に出す必要があるのでは?」
A.「検討して取り組む」
Q.「細かいところは弁論準備でという意味は?」
A.「この裁判はきちんと記録をとっていくつもりだ。訴状で請求原因をあきらかにし、
   審理で立証し、それに対し被告側が答弁するという口頭弁論の手続きを踏んでいくが、
   細かい事実関係なども弁論で突合せをしていくということだ。」
Q.「傍聴できない人もいた。もっと大きな法廷でやれないのか?」
A.「もっと大きい法廷もあるが、混んでいるため変則的な日程になりがち。様子を見て考える。」

その他立正大学心理学部教授の浪本教授(教育法学)、土肥元校長の同窓で現在東大研究所勤務の人の
話や、町田での集会準備の話などがありました。

***
次回口頭弁論は9月10日(木) 16時~ 同じ606号法廷の予定

                                以上

2009年7月9日木曜日

土肥元校長の裁判を支援する会事務局会議第一回

土肥元校長の裁判を支援する会の事務局会議第一回が本日7月9日19時から、吉祥寺の武蔵野公会堂で行われました。

話し合われたのは、
  • 7月23日の第一回口頭弁論に向けた体制づくり
  • 事務局体制について
  • 規約について
  • 広報について
  • 連絡体制について
  • 講演会等の共催について
  • 次回の賛同者会について
などです。
なるべく多くの人に参加してもらえるような体制をつくろうという方針で話し合いました。
まずは7月23日の第一回口頭弁論に向けて、広報することなどが当面の活動ということを決めて約1時間40分の会合は終わりました。