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2011年12月21日水曜日

講演日記(26) ― @文教大学

2011年12月9日(金)埼玉県 越谷市
場所: 文教大学 講義室  
時間: 午前9時から午前10時30分まで

 今回は2度目の文教大学での講演です。2年前に講演を
行った時には1年生の三鷹高校の卒業生がいたのでとても
嬉しかったことを覚えています。今回は1時限目の授業
(朝9時より)で、久しぶりに早朝6時に起きて出かけました。
起きた時にとても寒い日だなと思っていたら、埼玉県の
北越谷駅に着いたときは、雪がパラついていました。
やはり越谷のほうは寒いのだなあと思いました。(失礼)

 今回の講演は文教大学の早川先生の授業での講演
でした。早川先生が私の裁判についての事前指導をし
ていて下さったおかげで、生徒たちは本当に真剣に聞
いてくれていました。そのことは感想文を見ればわかる
と思います。
 最後にまたまた嬉しいことがありました。講演を終わ
った後、3年生になった三鷹の卒業生がわざわざ挨拶
をしに来てくれたのです。顔はほとんど変わりませんで
したが全体的な雰囲気が大人になった感じがしました。

学生の感想(抜粋、41名中18名)

◎今日は元校長先生の土肥信雄先生にお越し頂きました。今日は今までのゲストティーチャーの中で1番お話が聞けて良かったと思いました。ドキュメンタリー番組は何度も涙をこらえました。音楽の選曲も良かったかもしれませんが・・・大勢の生徒たちの「ありがとう」の言葉や涙にとても感動しました。生徒も言っていたり色紙にも書いてありましたがあんなに活動的な校長はいないし、私の高校の卒業時の校長はわりと活動的で、たまに授業を教えてくれたり、人数が多かったので全員ではないですが、名前を覚えられている生徒もいてすごいなあと思っていました。言論の自由を求める土肥先生の行動、それが生徒や保護者、周りの人々を動かすこととなったと思います。ドキュメンタリーでは「たった一人で戦う・・・」とありましたが、全く1人ではなかったと思います。今までで1番長い感想になったと思います。貴重なお話ありがとうございました。

◎非常勤教員採用選考の書類(オールC)だけ見るとこんな奴がよく4年も校長をやれんなぁと思った。だが映像を見る限りこんな評価が下がるような先生ではなかったし、今日話を聞いてみてもこのような評価になるはずがなかった。もしも書類のような教師を4年も雇っていたなら教育委員会にも責任があるのではないかと感じた。まあ公務員はクビにできないだろうが。離任式で生徒に色紙をもらえるような先生は教師冥利に尽きるのではないかと思った。楽しいお話ありがとうございました。

◎今日は、土肥先生のお話を聴くことができました。まず第一印象はとにかく明るく元気だなあと感じ、話を聴くうちにあっという間に先生の世界に引き込まれてしまいした。それと同時に、映像や色紙の言葉からにじみ出てくる先生の教員としての幸せな雰囲気を感じることができて自分も幸せな気持ちになりました。先生が明るくお話をするので、問題について捉えやすいですが、内容はとても深刻なものだと思いますが、個人的にはやはり先生の味方でありたいなと切に思いました。教育の主体は生徒(児童)、決して揺るぎないものだと思うし、それが危ないような事になりかねない問題があるなら、教員は絶対に受け入れられないとも思うし、そういう人間でありたいと思うので、先生には先生らしく最後まで突っ走ってほしいです。本当に楽しい時間でした!あるがとうございました!早川先生と親交があるのも分かるような(納得できるような)人柄の先生でした。

◎今日のVTRを見て、教育委員会が何を目的にあのようなことを行っているのか分かりません。教育方針が明らかにおかしいとメディアで言われ土肥先生のような方が出てくるのになぜ調査をいれず、入れたとしても校長へのアンケートという全く見当違いの調査を行いごまかしているとしか思えません。教育委員会にもこれはおかしいと思っている人もいるはずです。しかしこのような事になるのはなにやら教育行政に思想的、政治的な問題があるように感じました。土肥先生には絶対勝ってもらいたいと思います。ありがとうございました。

◎すごくフレンドリーな先生だなと思いました。今まで出会ってきた校長先生の中で一番生徒に近いなと感じました。他の校長先生たちも、先生たちのことを思っているとは思いますが、東京都の教育委員会をおそれて、自分の身を守るために言えないのだと思います。その中でも生徒のために一歩ふみだした土肥先生は勇気があると思うし、あたりまえのことだと思いました。これからも生徒のために頑張ってほしいです。ありがとうございました。

◎今日はゲストティーチャーとして土肥信雄先生にお話をうかがった。言論の自由についての話では、納得のいくような内容ばかりで教育委員会にすこしいらだちもおぼえた。教育の現場では生徒が主体であるということ理解していればどっちが間違っているか誰でも分かると思った。また話もおもしろくってあっという間に時間が過ぎてしまった気がした。貴重なお話をうかがうことができたので、もう一度話を整理し、自分なりの意見も持てるようにしたいと感じた。

◎土肥先生のような校長先生には初めて出会いました。私が今まで在籍していた学校の学校長との関わりなんてものはそれこそ数えるくらいしかありません。正直うらやましいなあと思いました。校長が自ら先頭に立って生徒との関わりを持てば、周りの教師たちにも良い影響があるだろうし、そういう学校は良い雰囲気は持っているだろうなと思うからです。以前の授業で今回の内容について少し触れましたが、今日問題の本質を理解しました。判決が楽しみでなりません。土肥先生の勝利を確信しております。がんばってください。本日はありがとうございました。

◎胸がいっぱいになりました。当たり前のことを当たり前に言う、当たり前のことができないことに、一人の人間として、教師として、校長として、社会の一員として、公の場で堂々と怒りを表明する姿、かっこよかったです。その怒りは生徒の現状と将来を、教師たちの生活を守る力になると信じています。90分ありがとうございました。

◎卒業証書、色紙を校長先生がもらえるのは私が通っていた学校ではありませんでした。学校から言論の自由がなくならないよう教育委員会に逆らうのは強い意志と正義感があるのだと思います。校長または先生が働きやすくするため言論の自由を守るのではなく、学校の主体者である生徒のためにというのが土肥先生のお話を聞いてひしひしと感じました。

◎学校の主体は生徒である。その生徒と一番身近で関わっている人は教員である。その教員が職員会議で自分の意思を反映できないなど考えられないことではないだろうか。東京都教育委員会は権力を過剰にふりまわしていることは明らかである。非常勤教員採用選考推薦書兼、業績評価書の評価は本当におかしい。あれだけ生徒に愛されていて生徒のためにつくしてきた土肥先生の評価が790人中790番など考えられない。私にとって土肥校長は理想の校長であるが、その校長が東京都教育委員会の権力と立ち向かっている。本当に裁判を頑張ってほしいです。言論の自由は大切です。

◎土肥さんの話を聞くと、現在の民主主義である日本において先生たちの発言がなくなるというのはおかしいと感じた。先生が一番生徒をわかっているはずなのに、わかっている人が意見を言わなければ一番かわいそうなのは生徒である。生徒のための学校があるのだから、東京都教育委員会のために学校があるのではない。私は現在の東京都教育委員会の考えというのは理解に苦しむ点が多いと感じた。ぜひとも裁判がんばっていただきたいと思います。

◎早川先生の授業で何度か土肥先生の新聞記事を読んで是非土肥先生のお話を聞いてみたいと思っていたので、今日はとても嬉しかったです。私は都教委の挙手、採決の禁止は絶対に反対だと思っています。職員会議で先生たちが自由に発言することができなくなることで先生たちが相談し合ったりということができなくなってしまうのではないかと思うからです。先生は一人でできる仕事ではないと思っています。職員会議で若い先生、ベテランの先生、それぞれの先生が自由に発言してこそいい学校経営ができると本当にそう思います。土肥先生が一人で都教委と闘っているとテレビでも言われていましたが、多くの生徒や保護者が先生の意見に賛成しているたくさんの人に支えられて、土肥先生は先生ではなく人間として認められているからこそできることだなと思いました。都教委のやり方は権力をふりかざして自分たちの意見だけをとうそうとしてゆるせないと思いました。

◎新聞を読んで内容を理解していたつもりでしたが、[新聞記事にも色々表現があるので]先生のお話を聞いて、都教委が面倒なことを抑えるためにこのような手に出たのだろうとか感じた。先生は生徒を守るため、言論の自由を確保したいと仰っていましたが、その行動は教育そのものを守ることだと思った。先生のお話は魅力的であるがゆえに流されそうになってしまったので、意識的に批判的態度で聞くようにしていましたが、先生の批判点は間違っていないと思い、むしろ認める部分もおありとのことで冷静な姿勢をうかがえたので、是非応援させて頂きたいと思いました。期待も大きいですが、先生の人柄、人間性に魅力を感じている方が多いと思いますので、お身体お大事にしてください。

◎私は、土肥先生の主張・意見に賛成したいと思います。この抗議は間違っていないと私も思いましたが、それ以上に、今日の講義を聞くことにより、先生の人間性に惚れ込みました。生徒に対してのあたたかい接し方をDVDで見て感じたのはもちろんですが、ここまでまっすぐに利害に関係なく自分の意見をつき通すことができる人はいないと思います。本当に尊敬できる人です。私も教師を目指している身なので、将来は、子ども(生徒)の為に何ができるか、常に考えて、間違ったことは間違いだとはっきり言えるような教師になりたいと思います。

◎学校とは生徒に自由、権利を教え、人格形成をする場だと思います。子どもは親などの大人を見てまねをします。教師が良くない、おかしいことをしていれば必ずそれを理由に子どももやってしまう。言論の自由を教える教師にそれがない社会とはそんなものかとあきらめてしまうと思います。希望を与えるのが教師の使命です。良くない一面も教えなければならないが、一番は希望を与えることだと思っています。社会の悪い面を少しでも変えられるようにがんばってほしいです。自分も教師になった際は、自分のこうだと決めたことについては絶対に曲げずにやっていきたいと思います。

◎職員会議において教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止をすることは、アンケートから見ても教員は発言しにくくなっていると思いました。学校は生徒が主体であり、生徒について良く知っているであろう担任や顧問の先生の発言をしずらくすることはおかしいのではないかと思いました。私は自分の意見を持っていても他人に流されてしまうこともあります。しかし、土肥先生が、自分の意見をしっかり持って裁判に臨む姿を見て、自分の意見を持ち、相手に伝えられる大切さを改めて感じました。言論の自由は誰でも保障される権利であり,誰にも侵害できるものではないはずだと思いました。私は小学校の時に、土肥先生のような校長先生がいました。児童にあいさつをし、低学年にはジャンケンをしてくれました。なんだか懐かしく思いました。

◎「良い先生だった」と言われる先生はたくさんいますが、「良い校長先生だった」と言われる校長先生はとても少ないと思います。私が通っていた高校にいた一人目の校長先生は”権力”という感じで生徒からあまり好かれていませんでした。でも二人目の校長先生は、ハンサムで(女子高だったので)初めから人気でした。それに加えて時々教室や部活に顔を出して下さったり、体育祭の途中に雨が降って中止になった時、後日行うことの署名を提出した時も、一人目の校長先生と違って認めたりして下さいました。それで二人目の校長先生は生徒の中で「良い校長先生」となりました。土肥先生は生徒の名前を覚えたり生徒に声をかけたり、とても熱心な先生だなと感じました。私の知る「良い校長先生」よりずっとずっと良い校長先生だと映像の生徒たちの反応からわかりました。色紙の言葉の中に、土肥先生が日本の首相だったら良い国になるという内容のものがありました。土肥先生は話す力も行動力もある方なので最近の総理大臣よりすごく力がある総理大臣になるのではないかと納得できました。職会で意見を聞くのを禁止するのはやはり変だと思います。教員の意見を聞き校長が決定するための判断材料になると思うからです。土肥先生のようなバイタリティのある方が校長先生の学校は楽しくて良い学校になるだろうと思いました。貴重なお話ありがとうございました。お話を聞くことができて良かったです。元気がでました。

◎私は土肥先生の主張は筋が通っていて正しいと思います。都の教育委員会の土肥先生に対する態度は間違っているとも思いました。早川先生のおっしゃった通り、卒業式のテレビ局の撮影を拒否するのもおかしいです。ですが私は今日のお話を、少し複雑な気持ちで聞いていました。なぜなら、私の母が埼玉県教育委員会の職員だからです。母は「教育委員会は学校の味方」と言っています。私も母のような人間になりたくて教師を目指しています。土肥先生は理解ある方なので、教委の中にはこのような人もいるとはすでにご存じだとは思いますが、それでもコメントせずにはいられませんでした。

2011年12月11日日曜日

12日発売のアエラに掲載!

12月12日(月)発行のアエラ(12月19日号)の「現代の肖像」に
私の記事が出ます。(12月11日(日)の朝日新聞の広告に出ていました)
記事は作家の澤宮優さんが書いてくれました。澤宮優さんは
 ”人間 土肥信雄” を描いた『生徒がくれた卒業証書』(旬報社)を
書いてくれた人です。
判決を前にアエラに掲載されることになり、多くの国民が裁判に
関心を持ってくれると思います。とても嬉しく思います。

                            土肥 信雄

2011年12月5日月曜日

緊急!裁判の判決日延期!!

12月22日に予定されていた土肥元校長の「学校の言論の自由」裁判の判決日が延期になりました。5日に突然、裁判所から連絡がありました。

新しい判決日は
★1月30日(月)東京地裁 527号法廷・午後1時30分開廷
  1時に傍聴抽選。

詳細がわかり次第またご連絡いたします。

なお裁判の報告集会を2月18日(土)夜、東京・武蔵野公会堂で行います。
こちらの方の日程は変更ありません。

               「土肥元校長の裁判を支援する会」

2011年11月16日水曜日

講演日記(25) ― @一橋大学・大学祭

2011年11月3日(日)国立市 一橋大学
場所: 一橋大学西本館36教室  
時間: 午後12時から午後2時30分時まで

 今回の一橋大学での講演はとても嬉しい講演でした。
最初に三鷹の卒業生である原田君(一橋大生)から大学祭( 一橋祭 )での講演の依頼が来たとき、すぐに顔と名前が一致しました。なぜならば原田君は私にとって忘れられない生徒だったからです。
私が三鷹在職中に、生徒の代表数人と話し合う会議があり、原田君は自分の意見をはっきりと表明していたからです。特に三鷹高校が中高一貫校になることに対して反対意見を述べ、私の見解を求めた生徒でした。また部活動でも弓道部の部長として活躍していました。
その原田君からの講演依頼は、まさに教師冥利に尽きます。三鷹の生徒が、卒業しても私と都教委が闘っていることを覚えていてくれたのが嬉しかったのです。
 
 原田君との打ち合わせの中で、教育行政の専門家である一橋大学の中田教授に出演してもらい、私の都教委との闘いの意味を解説してもらおうということになり、中田教授にも快諾していただきました。
 
 原田君が一番心配していたのは参加者の人数でした。私もその点が心配でした。最近の大学祭は、まじめな講演は敬遠される傾向があり、しかも有名人でない私の講演となればなおさらです。10分前に会場に入ったのですが、参加者がぱらぱら状態だったので、原田君に申し訳なく思っていました。ところが講演の始まるころから急に増えだし、最終的には教室がほぼ一杯になるほどの参加者で、原田君たち主催者もとても喜んでいました。私にとっても、卒業生、保護者、三鷹高校当時の同僚の顔が見え、楽しく講演を行うことが出来ました。それとやはり一橋祭での講演のため、若い人が多く参加していたので気合が入りました。

 今回の講演では、中田先生の講演もあるので、「職員会議における教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止」通知による学校現場での言論統制、校長の権限の侵害、それと業績評価に焦点を絞って話をしました。私の講演の後、中田教授が「日の丸・君が代」の通達と「意向を聞く挙手・採決の禁止」の通知を資料として配布し、パワーポイントを使ったわかりやすい説明でした。都教委の意図は、「挙手・採決の禁止」や業績評価そして校長の権限を侵害することによって、校長をがっちりと管理し、それによって学校教育を全て管理することである、と説明して下さったのです。
 
 最後に、またまた嬉しいことが起こりました。講演会が終わった後、花束をもらったのです。顔を見た瞬間、あれどこかで会った人だと思ったのです。「三鷹高校の卒業生です」と言ったとたん、三鷹の卒業生で鷹高祭文化部門のファッションショウでモデルをやっていた生徒だと気が付いたのです。「今日は先生のお話をうかがえて、とても嬉しかったです。先生は校長室から坦々と学校を支えるのではなく、学校生活の中心にいて、生徒一人一人を見守って下さる校長先生でした。先生が校長であった三鷹で、のびのびと高校生活を送れたのは私の宝物です。より多くの人が学校生活を誇らしく思えるようにと願っております。平成18年度卒業生」花束に添えられた言葉です。


参加者の感想(抜粋)

◎この地域の小・中学校PTA活動の中で、学校の方針に対して、クレーマーではなく保護者として勉強して発言することをしない保護者が増えていると思います。学校と保護者は「子どもたちのために」で本当は一致できるはずなのに、学校も強制しようとし、保護者も学校の「命令」に従うような構図で、「考える」ことをしなくなっている気がしています。土肥先生の著書は、日の丸・君が代問題にふれる中で知り、読ませてもらいました。今日、偶然「市民祭り」に来て聞くことができ、とてもラッキーでした。こんな素敵な先生にうちの子どもも出会えたらと思いました。また私自身は行政職の公務員です。教育者ではありませんが、自分の信条と異なる命令が出された時、どうすればよいのかと時々考えます。今日は本当に貴重な講演をありがとうございました。どうぞ頑張って下さい。(一般)

◎教職を考えているので、学校現場の現状が知れてよかったです。私は日本国憲法の精神の生きた社会を目指したいと思って教職を考えています。しかし、民主的でない最近の日本の現状を見て,どうしたら良いのだろうと思っています。土肥先生の姿勢には尊敬しました。がんばって下さい。(一橋生)

◎学校にこれほど言論の自由がなく、先生たちがこれほどしばられている事実をありありと知ることができました。ありがとうございます。このような学校で、子どもたちが健やかに希望をもって育っていけるとは思えません。大変心配です。今日知った事実から目をそらさないように暮らしていきたいです。(一般)

◎私も現都内公立中学校の教員です。”今、学校現場がおかしい”さまざまな点で危惧される実態があります。”教育は子ども(生徒)が主体“本当にそう思います。今日は元気をもらいました。ぜひがんばってほしいですし、私も、小さな力ですが現場で子どもを大切にする教育現場を守っていきたいと考えています。(教員関係)

◎土肥先生がお元気そうでなによりでした。先生応援しております。裁判(12月22日)に伺えず残念ですが、後輩の都立高校生のために良い決断がくだされることと思っております。(三鷹卒業生)

◎大学で教職をとっているわけではないのですが、現在就職活動中ですので民間企業に入った際に役に立ちそうな話を聞けて良かったです。自分も法政に通っているので土肥先生の授業を聞きに行きたいと思います。今日は貴重な話をありがとうございました。(三鷹卒業生)

◎私は来年度からある県の行政職員として働いていく者です。教育のみを扱っていきたいということではなかったので、県庁の一般事務を希望しましたが教育が最も携わりたい分野であることも事実です。私が実感した出身県立高校の雰囲気として、いわゆる学力偏重、国公立大学への進学者数などといったものへの強いこだわりというものがあり疑問をもちました。こうした体験を受けて現場の教員が実際にどのような意思を持って働いているのか、またそれを知ったうえでどのような支援等が可能なのかといったことを見出していきたいという思いを持っていました。本日土肥さんのお話はそういった私の気持ちを強く再認識させて頂くものでした。この場で感じたことを常に胸に置きつつ来年度以降も頑張って参りたいと思います。(一橋生)

◎土肥さんのテンションの高さに圧倒されました。ややお話が教科書的だったのが残念(単に知事をかえれば、教育委員を全部かえれば、民主党政権のもとで制度をいじくれば、教育委員公選制にすれば、「自由な学校」が戻ってくる、というわけではないと思うので)中田さんと土肥さんの対談の時間をとって、中田さんが土肥さんから本質的な話をひきだす、というスタイルにすると、もっと活性化して面白くなったのではないかと思います。ありがとうございました。これからも期待しています。(一般)

◎一般論的な「現場の人間」ではなく、校長という中間領域で戦ってこられた方のお話が伺えたことは一歩踏み込んだ(俯瞰した)視点で公教育の現状を考えるよいとっかかりになったかと思います。ありがとうございました。土肥先生の裁判の勝訴を願っています。(学生)

◎私にはとても難しい話ばかりでしたが、判り易く大変聞いていておもしろかったです。息子が卒業の時、式の後の食事会で「是非浪人させてあげてください」と言って下さって、一浪の後、一橋大社会学部に入学致しました。来年卒業予定です。本当にお世話になりました。ありがとうございました。(三鷹卒業生保護者)

◎貴重なお話をありがとうございました。やはり教育行政は教師を統制する立場からものを言うのではなく、あくまでもサポート役に徹するべきなのではないかと思いました。反対の声をあげることは非常に勇気のいる行為だと思います。応援しているので頑張って下さい。(一橋生)

◎危機感はつのるばかりですが、戦いを続けていくことが希望だと思います。政治状況が変るように広げていくことが、あらゆる面で必要でしょう。(一般)

◎三鷹高校で土肥先生とご一緒させていただいた者です。あの時の三鷹高校は、教員も生徒も保護者にも明るさがあって、とてもいい学校になっていたと思います。先生の闘いを応援しています。是非頑張って下さい。お身体ご留意ください。(教員関係)

◎私は教員をめざしている学生ですが、機会があり、土肥先生のドキュメンタリ宣言を見る中で、あいさつの大切さ、自分の意見を持ち意見を出していくことの重要性を話している姿を見て、個人的に学校は勉強より大切なことを教えることができるところであると思っていて、そういう点でとても共感することがあり、生の講演を聞きに来ました。学校は、やはり生徒が主体でありその生徒にもっとも接している教師たちの意見を弾圧し、聞くこともなく校長のみの裁量によって決定されることに本当に違和感を感じるし、生徒に関わることがほとんどない教育委員会が人事権を持っていることによって権力にものをいわせてやっていることがおかしいと思いました。この土肥さんの裁判を機に教育委員会が現場の人たちの意見をくむような形に変わっていけばいいと思うし、変っていってほしいと思います。(大学生)

◎熱い気持ちが出ていて久しぶりに楽しい講演でした。今後も興味を持って見守っていきたいと思います。(三鷹卒業生保護者)

◎“学校に言論の自由を”という土肥先生の主張、大賛成します。都教委のやり方は、自分たちの思い通りに学校、教育、社会を動かそうとする権力の乱用だと思います。ただ、難しいと思うのは、彼らが「国のため」と信じて疑っていない状況では、それに反する人の意見は彼らに届かないということです。みんなが自分の意見を自由に言えて一人一人の意見が尊重されるような学校、社会は、「自分(たち)こそが正しい」と思う人たちにとっては邪魔なものでしかなく、国のためにはならないのです。彼らとどう対話していけばよいのでしょうか。道が開けるとすれば、土肥先生のように生徒、保護者の支援を集めて「一人じゃない」ことを表明することがと思いました。私もどのような形であれ、その流れに組みし闘っていきたいと思います。ありがとうございました。(一橋生)

◎校長が一人で都教委に対して異をとなえるのは大変勇気あることだと思います。基本的人権の尊重、言論の自由を教育の根本に置いて裁判を闘っていらっしゃる土肥先生に恥じないように、学校現場で生徒のために日々教育実践を積み重ねていきたいと思っております。権力に屈しない毅然とした生き方を仰ぎ教員を続けていきたいと思います。ご健康に留意され日本の未来を担う教育のためご奮闘ください。(教員関係)        



2011年10月22日土曜日

一ツ橋大学祭で講演。近い方はおいでください。

支援者の皆様へ

ご無沙汰しております。皆様お元気のことと思います。
私は相変わらず元気で、法政、立正で楽しく授業をやっております。
裁判のほうも8月25日に結審し、判決が
12月22日(木)13時30分東京地裁527法廷で出ることが
決まりました。

今回は講演会のお知らせです。実は三鷹高校の教え子の卒業生
で、一橋大学に行ったH君から、一橋祭で「学校に言論の自由」
について講演を依頼されました。卒業生から講演を依頼されるな
んて、嬉しくてうれしくてたまりません。

11月6日(日) 12時から午後2時30分まで、
西本館36番教室(3階)で講演会が行われます。

一橋大学の中田教授は教育行政の専門家です。(東大の勝野先生
とともに若手のホープと言われています)
一橋の近く(国立駅)にお住みの方は、一橋祭を見がてら(アカデ
ミックな雰囲気に浸っていただいて)、講演会に参加していただけ
ればと思います。
国立周辺のお知り合いの方にもご連絡いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
                                 土肥 信雄

2011年9月30日金曜日

判決日決定!!

「学校に言論の自由を!」裁判判決日決定!!

 12月22日(木)13時30分 です。

 東京地裁 527号法廷

*今回の傍聴は抽選となりました。
午後1時頃(予定)に東京地裁正面玄関にお集まりください。
(集合場所、時間等の詳細は12月に決定次第おしらせします)

★裁判終了後、弁護士会館(場所は11月下旬に決定)で
   報告会を行います。ぜひそちらにもご参加ください。

2011年9月29日木曜日

講演日記(24) ― @北海道宗谷稚内

2011年9月23日(金)北海道稚内市
場所: 稚内市立稚内東小学校  
時間: 午後1時30分から午後3時まで

 今回は日本最北の地である稚内市での教育研究宗谷支部集会の
講演でした。北海道の人ですら「9月でも稚内は寒いよ」と言われ、
「そうだろうな」と思っていましたが、実際に行った時にはあまり寒
くなく、とても気持ちの良い天候に恵まれました。

 今回の講演は北海道に行く前にいろいろなことがあり、その意味
では記憶に残る講演旅行でした。一つ目が迷走台風15号です。
22日の飛行機で稚内に行く予定だったため、台風の直撃をすごく
心配しましたが、早い速度で通り過ぎたため予定通りのフライトで
した。(前日の21日、東京は台風のためほとんどの電車が止まり
大混乱でした)
 二つ目は背広です。私は普段はあまり背広を着ることがないので
すが、講演の時は背広を着るようにしています。その背広を電車
の棚の上に忘れてしまったのです!!!ギャッと思ってすぐに京急
羽田駅に連絡したところ、電車は折り返してもう出発したとのこと。
(背広は忘れ物として保管されて、東京に帰ってから取りに行きま
した)そのため、よれよれの洋服で講演する羽目になり、宗谷支部
の皆さんには大変失礼なことをしたと思っています。
宗谷支部の皆さんごめんなさい。

 会場に入った時、若い人たちが多く、青年部の集会と勘違いし
たほどでした。後で事情を聴いたところ、稚内は北海道でも最北
の地のため、異動希望者が少なく結果的に若い人たちが赴任す
ることになっているそうです。今の若い教員が職員会議でなかな
か発言しなくなってきている状況が全国的に広がっており、そのこ
とは子どもにとって良くないことだと思っていましたので、若い人
たちを見てファイトが湧いてきました。子どもを一番よく知っている
のは子どもと直接対応している教員であり、校長や教頭ではあり
ません。職員会議で発言することは子どもたちに対する教員の責
任であり義務であることを伝えようと思ったのです。

 講演の時は皆さんとても真剣に聞いてくれていて嬉しかったの
ですが、今までと少し違った雰囲気でした。というのは、すでに講
演をお聞きになった人はご存じだと思いますが、私の講演は授業
のようなスタイルで時々は冗談も出て、笑いも起こるのですが、今
回の講演ではその反応が少し鈍く、私の講演があまり心に響かな
いのかなと心配しました。しかし、講演会の後の懇親会に出て、
少し安心しました。若い人たちもたくさん参加していてざっくばらん
に話が出来とても楽しい時間を過ごすことが出来たのです。
「面白いなと思ったけれども、講演者に対して笑うと失礼になるの
ではと笑いをこらえていました」と言われたのです。私はホッとし
ました。

 23日から24日は素晴らしい天気に恵まれ、夜は満天の星空、
24日には最北端宗谷岬からのサハリン(樺太)の眺め、ノシャッ
プ岬からの利尻・礼文島、サロベツ湿原と北海道の大自然を満喫
することが出来ました。
北海道宗谷支部の皆さんありがとうございました。

参加者の感想

・VTR、講演ともにすばらしかった。また土肥先生のお話しを伺いたい。
・生徒は自分の鏡という言葉をよく耳にしますが、まさにその通りの校長でした。大変エネルギーをもらえたと思います。
・勉強になった
・教育条件について、とても熱心に子どもや教師のことを考えながら実践されていたんだなと思いました。とても聞きやすかったです。
・とても興味深い話ばかりで楽しかったです。
・権利を主張し続けることは大変な苦労だろうと感じる一方で、誰かがやらないと何も変わらないし、発展していかないのだと感じました。ありがとうございました。
・土肥先生の信念に感動しました。
・感動しました!校長先生の話し方や考え方などすばらしい人格をもった方だと思いました。自分も立派な人間になれるようこれからの生き方について考えていきたいです。良い話でした。
・大変良い講演会でした。言論の自由の大切さ、自分の意見をぶつけることの大切さを改めて感じました。
・とてもよかったです!!!校長先生の話をもっとたくさん聞きたいと思いました。上の圧力に負けず、がんばってください。
・実際の経験を混じえての話でしたので、とてもわかりやすかったです。土肥先生の人がらがよくわかり、このあとつづくであろう裁判もがんばってほしいです。
・予想以上におもしろく、さすが社会科教師と熱くなりました。ただ都教委のいう、教師としてではなく校長としてどうかという適正でしたから、オールCの根拠もわかるような気がしましたが…。学校自由化は,校舎の老朽化対応で振り分ける必要があったこと。教員評価でのC及びD20%は,財源確保の観点ということ。いずれも裁判を通して可視化を図ることが大切だと思いました。
・話し方がさすがうまいです。ひきつけられました。内容もリアルな事だったので、考えさせられました。
・とても熱心な気持ちが伝わってきました。情熱を持って教育に取り組んでいくことの大切さを再認識させられました。お話を聴けて大変よかったです。
・教育の中心にあるのは生徒であるということを再認識し、自身の信念に据えようと改めて思いました。
・生徒が教育の軸ということを改めて学ぶことができました。
・熱い人だと思いました。教育委員となり内部から変えてほしい!!
・東京都の教育委員会のやり方はあまりにもひどいですね。私も子どもたちのために、正しいことを正しいと言える教師になりたいと思いました。
・完璧!!東京の今の姿は北海道の10年後の姿だと聞いていたが、改めて近づいていると感じた。北海道の教育を守るためにも北教組の存在意義は大きい。電車に置き忘れたものが「卒業証書」や「色紙」でなくてよかったですね。
・子どもたちが一番の力になるということがよく伝わりました。教育委員会って本当は同じ方を見ているはずのところなのに、残念ながら見ているのは子どもや学校現場ではない。ということで、がんばっていかなくては流されてしまうということがわかりました。12月の判決の内容が気になります。
・素敵な校長先生で良かったと思いました。話もわかりやすかったです。
・現在管理職の先生方にぜひ聞いてもらいたい内容でした。校長も教頭も若いころは「子どものために」一生懸命だったはずなのに、年齢が上がり、校内での立場が上がり、管理職となっていつの間にか「学校の外面(ソトヅラ)ために」「学校長としての面子(メンツ)のために」一生懸命になっていることに気づいていないのでしょうか。そんなダサい姿に早く気づかせてあげたいです。

2011年9月1日木曜日

地裁での最終口頭弁論

判決日決定!!

12月22日(木)午後1時30分 527法廷

第13回最終口頭弁論報告
(2011年8月25日10時より、東京地裁527法廷にて)

今回の口頭弁論では、これまでの青野裁判長に代わって8月1日
着任された古久保裁判長のもとで、土肥先生が、新たに準
備され「最終口頭弁論 意見陳述書」をもとに、三鷹高校の
卒業生とその護者からの色紙をも示しながら、最終意見陳述
を行いました。
 
そのあと、原告代理人の吉峯弁護士が、「ひとこと」ということで、
意見を述べられました。吉峯弁護士は、毎回、傍聴席が満員に
なるほど注目されている、教育の問題に関する重要な裁判で
あることを新しい裁判長に対して訴えられました。また、特に、
土肥先生が オールC評価によって、非常勤教員不採用とな
た点を強調され、土肥先生は、吉峯弁護士から見ても際立
って優秀で、人格的にも素晴らしい方であり、また生徒から
もらった色紙等が示すように教育実践において優れ、現在も
複数の大学で非常勤講師として活躍 している方であるにも
かかわらず、教育現場での実践によってではなく、都教委の
誤った指示に対して反対意見を表明したがゆえにオールC
評価になり、非常勤教員採用試験に不合格となったことの
不公正さを訴え、公正な判断をお願いしたい、と締めくくら
れました。
被告代理人の弁護士からの意見陳述はありませんでした。

裁判長より、判決は、12月22日(木)午後1時半に、527

法廷で 申し渡されることが伝えられ、結審となりました。
今回も、傍聴の定員42名を超える、50名ほどの方が支

援の傍聴 にお越しくださいました。

         (土肥元校長の最終口頭弁論陳述の内容は別掲)

2011年8月13日土曜日

講演日記(23) - @広島市

2011年7月30日(土) 広島市
場所: RCC文化センター  

 私は今まで不思議なことに広島の原爆ドームと資料館には一度も言ったことがありませんでした。何回も修学旅行に引率していますが、広島修学旅行の引率は一度もなかったのです。昨年(2010年)8月に講演の依頼を受けた時、この機会に原爆ドームに是非行ってみようと思いました。
 
 そして3月11日に東日本大震災が発生し福島原子力発電所があのような事態になりました。私は政治経済の教員として、「原爆と原発は同じで常に放射能の危険を伴う」と生徒に教えてきました。「原発は絶対安全」と説明して原発を推進してきた人たちに対し、「それは嘘だ、絶対に安全ということはない。消費するのは東京都民なのだから、絶対安全というなら東京都心に原発を建設すればいいじゃないか。」と思っていました。東京の都心に原発を建設しないのは「原発が危険である」という証拠なのです。「原発は絶対安全だ」と言っていた人達には被災地に行って土下座して謝罪してもらい、全ての財産を復興のために投げ出し、被災者と同じ生活をしてもらいたいと思います。安穏とした生活をしていたら許せません。
 
講演会には会場一杯になるほどの参加者があり、皆さん真剣に聞いてもらいました。
そして嬉しかったのは参加者の中に、三鷹高校で一緒に働いていたO先生が参加して下さったことでした。(2009年3月に私と一緒に退職され、故郷の広島市に帰っておられました)O先生は現職中から私を支援して下さり、裁判においても証人として陳述書を書いて下さったのです。
午後の分科会の「職場の民主化」に出席してわかったことですが、広島の現状は管理が強化され、校長は全ての事で教委にお伺いを立て、校長の恣意的で独裁的な学校運営が広がり、職員会議さえ持てない状況の学校も多くなっているとのことでした。だからこそ「言論の自由」に対して、とても関心があり真剣に聞いて下さったのだと思います。私は「教員の言論の自由」がなくなれば、「生徒の言論の自由」もなくなり、それは生徒のためにならないと思っています。そのことは戦前の日本の教育が証明しています。全国のほとんどの学校が「生徒の主体性を育てる」、「生徒の自主性を育てる」を教育目標にしています。生徒の言論の自由がなくなることは、生徒の主体性、自主性を育てることを不可能にするのです。だからこそ東京の状況を変えたいと思い裁判に訴えたのです。しかし全国で講演をして、教育委員会による学校の管理強化は東京だけでなく、全国に広がっている状況であることが分かりました。教育委員会の独裁(校長は教委の言いなりですから)を防ぐためにも、私の裁判を勝利しなければならないとますますファイトが湧いてきました。広島の皆さん、楽しく講演させていただきありがとうございました。今後とも私の裁判の応援よろしくお願いします。
 
翌日はO先生の案内で、宮島と原爆ドームに行ってきました。原爆ドーム、原爆資料館を見て再度戦争を起こしてはならないと決意し、ユネスコ憲章にある「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」の言葉を思い出しました。平和は人類最高の文化であり、人の心の中に平和の砦を育てるのが教育なのです。


◎参加者の感想

● 講師の先生の話はわかりやすく、大変元気が出ました。何らかのかたちで、参加できなかった分会員にも伝えたいと思います。
● とっても元気が出るお話でした。ただ、今後どう取り組んでいくかは、やはりしんどいことだなと感じています。
● こんな校長さんもおられるんですね。一緒に働いてみたかった。とてもよかったです。もっとみんなにきいてもらいたいと思いました。
● 土肥校長のエネルギッシュな姿に元気をもらえました。
● 非常に元気づけられる講演内容でした。一人から始まる勇気を学ぶことが出来た。
● 講演もよかったです。
● 腹の底から笑わせてもらいました。
● 講演はとても勉強になりました。元気が出ました。
● 講演は講師がエネルギッシュなこともあり、広島が受けてきた攻撃と現状と考え合わせ、とってもよかったです。
● 涙が出ました。教師として「生徒が宝」を最後まで通して定年が迎えられるのだろうか、と不安な気持ちに感動の風が吹きました。闘いのために仲間が必要です。私も人とつながりながら頑張っていきたいと強く感じました。
● まずは、「こんな校長もいるのか!」というのが、まず1番強く残った印象です。子どもや現場の教員に向き合う校長がいたんだということが、感動です。今まで出会った校長にそんな人はいなかったし、こんな人間性の人が校長、いえ暴君として君臨しているのかと怒りとあきらめが大きくなっていたので。私たちは組合として組織で闘っているけど、土肥さんは一人(支える人たちはたくさんいるけれど)で巨大な権力と闘っている!忘れかけていた強い思いをゆさぶられた講演でした。ありがとうございました。
● 広島県の職員会議に関する記述から「民主的」ということばが消された時の腹立たしさ・怒り・煮えくりかえるような思いを思い出しました。怒りとともに日々を過ごしていると、怒りに身を焼かれて自分の身が危ういと、怒りを静めました。「私は県教委のために教育活動をしているのではない。県教委の指示とは別のところで自分の教育活動をするのだ」と考えることによって怒りを静めましたが、いつしか怒りを忘れて、楽に生きていたんだと思いました。怒るべきことを忘れてはいけないと気持ちをあらたにしました。
● 元校長を呼んだことの説明が十分でなかった。「来る」のは相手の事情、「呼ぶ」理由は「門長さんに聞いた」ということと、広島の校長なら話せない、というくらいで説明になってないのではないかと思った。案内でもそう思ってが、実際に聞いても、じゃあ教職員はどうだったの?という?が残ったし、その人たちの話こそ聞くべきではないかと思った。
● 気分がスッキリした。自分も意見をきちんと言おう!!考えることのできる生徒になるよう何ができるか考えようと思う。月曜日から元気を出して学校に行けると思いました。

2011年7月10日日曜日

第12回口頭弁論の報告(2011年7月7日 七夕の日)

 7月7日午前10時より東京地裁522法廷で開かれました。
今回も大勢の傍聴者が来て下さり、開廷約30分前に、傍聴席(定員42名)が満員となり、最終的には70名~80名の方が来て下さったため、法廷に入れない人が大勢いらっしゃいました。法廷に入れなかった皆様大変申し訳ありませんでした。しかし傍聴席を満員にすることは裁判官の心証にも影響しますので、今回に懲りずに次回もよろしくお願いします。もちろん報告集会には傍聴できなかった人も参加してくださいました。
今回結審し、いよいよ判決日が申し渡されるものと緊張して迎えましたが、なんと前日になって、裁判所より「明日が結審ではなく、もう一回口頭弁論がある予定」との情報がもたらされ、拍子ぬけした面もありますが、最初に予定通り原告元三鷹高校校長土肥信雄氏より下記の意見陳述が行われました。


= 第12回口頭弁論 意見陳述 =

 2年前の2009年(平成21年)6月4日、私は東京都教育委員会(都教委)を提訴しました。今、提訴して本当に良かったと思っています。もし提訴しなければ、現職中の私に対する言論弾圧や非常勤教員不合格について、すべて闇の中に葬り去られるところでした。裁判を通して、とにかく都教委の主張を全部聞けたことは、お互いの主張が全て公になり、どちらが正しいかを判断してもらえる材料が出そろったからです。
 私は大学で学生たちを教えています。言論の自由の問題について、学生たちに「天皇は神様だと思いますか?人間だと思いますか?」という質問をしたところ、「神様だ」と答える学生は皆無でした。しかし戦前においては100%の学生が「神様だ」と答えました。それは、教育の現場で言論の自由がなく、「天皇は神様だ」と教えこまれたからです。このようなことが積み重なった結果として第二次世界大戦という悲惨な結果を迎えたことは、日本国民自身が十分に自覚していると思います。だからこそ「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることの無いようにすることを決意し」、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本理念とした日本国憲法を制定したのです。戦前においても戦争に反対する人は多くいたと思います。しかしそれを発言するためには、命を賭けなければなりませんでした。私は、子ども達に、戦前のような暗黒の社会を再び経験させないためにも、教育の現場において言論の自由だけは絶対に譲ることはできません。発言することに命を賭ける必要のない現代において、「あの時言っておけば良かった」という後悔だけはしたくなかったのです。
一人ひとりの意見を尊重する民主主義にとって、言論の自由は不可欠です。私は、私と100%意見が違っている人でも、その人の言論の自由は100%保障したいと思います。そして自由な発言を通して決まったことについては、自分の意に反していても、それに従うことが民主主義を守るために必要だと思っています。だからこそ私は「法令遵守」を私の信条とし、現職中においても全ての法令は守ってきました。職員会議で教職員の意向を聞く挙手・採決も三鷹高校ではやっていません。卒業式等でも職務命令は出しました。国旗国歌問題についても、校長として不起立者を報告しました。私は民主主義のルールに基づいて、都教委に対して意見表明をしただけです。
都教委は、その民主主義の前提である言論の自由を教育の現場から奪おうとしたため、私は説明を求めて何回も公開討論を要求したのです。しかし都教委は、私の納得する説明もせずに公開討論を拒み続けたため、提訴せざるを得なかったのです。
事実は一つです。裁判の中では、その事実に基づいて、お互いの主張をぶつけ合い、論争ができるとばかり思っていました。しかし都教委はその事実さえも捏造し、私を抹殺しようとしたことが、裁判を通してはっきりと証明されたのです。特に都教委側の証人尋問の証言において、許されないような事実が判明し、これが教育に携わる人間が行う行為かと思うと本当に情けなくなるとともに、このようなことを許してはならないと思いました。特に許せなかったのが下記の4点です。
① 私が米長氏を批判したことを密告され、3回指導を受け、(2006年10月6日、23日、25日)3回目には米長氏が近々三鷹高校に視察に行くことを告げられました。その事実はジャーナリストの池添徳明(いけぞえのりあき)氏の取材ノートに明記されていたのです。しかし都教委は、指導の記録の日付(24日)まで捏造して、指導は2回(6日、24日)であり、米長氏の三鷹高校視察の件は一切指導していないと主張しているのです。
② 20年度、非常勤教員採用選考推薦書兼業績評価書のオール「C」は私一人であったと、当時の人事部選考課長は証言しました。(790人受験中最低の790番目の成績)私の退職にあたって、卒業生から退職の卒業証書をもらい、卒業生全員と保護者から色紙をもらった私が、なぜ最低の成績なのでしょうか。どうしても納得ができません。
③ 20年度、非常勤教員採用選考推薦書業績評価書の作成の過程で、私の教育現場(三鷹高校)での、教育実績については一切評価の対象にしていないと当時の人事部職員課長が証言しました。信じられません。校長を評価する対象は、当然学校現場での教育実績だと思います。三鷹高校で、補習体制を組織し、挨拶を励行させ、中途退学者を減少させ、体罰の禁止を教員に指導した私の教育実績が全く評価されないのは、評価そのものが間違っていると思います
④ 非常勤教員採用選考の面接で、私は面接者の質問に全く正対しない回答をしたので、低い評価となったと面接官の指導主事が証言しました。私は面接の内容が書かれた都教委側の証人の陳述書を読みました。私が読んでも、私が全く質問に正対していない回答が列記されており、私がこのような回答をするわけがないと驚きました。私は常に、質問に正対した回答をするように生徒に教えてきましたし、私自身も質問に正対する回答を心掛けてきました。生徒や保護者の陳述書を読んでいただければ、それはわかると思います。その私がなぜ正対しない回答になったのか。それは質問を捏造し、私の回答を捏造したからです。私の意見と違う回答が随所に書いてありました。
 その他、この裁判で争っている生徒の掲示物問題、業績評価における相対評価の強要、卒業式等における個別的職務命令の強要、定時制発表会の発表者の交代問題等、全ての問題で都教委の主張と私の主張は全く違っています。私も都教委も、学校を活性化し、特色ある学校づくりをして、子どもたちが生き生きとした学校生活が送れるように望んでいるはずです。だからこそ、校長の権限と責任を強化し、校長のリーダーシップを確立させることを文部科学省ですら主張しているのです。しかし都教委はその校長の権限ですら侵害し、都教委による教育支配を意図しているのです。
民主主義国家であり、法治国家である日本の最高法規は日本国憲法であり、日本国憲法第21条には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障する」、また教育基本法第16条には「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われる」と明記されています。私の主張と都教委の主張を十分に吟味、比較して、日本国憲法及び教育基本法の理念に基づく、公正な判断をして下さるようにお願い申し上げます。
2011年(平成23年)7月7日 
        原告 元東京都立三鷹高等学校 校長 土肥信雄

    ============================

 土肥氏の意見陳述後、裁判長よりもう一度口頭弁論を開くことが
告げられ、8月25日(木)午前10時、527法廷で開かれることが
決定し、再度土肥氏の意見陳述を行うことも認められ閉廷となりました。


= 裁判報告集会 =

 裁判終了後、弁護士会館で裁判報告集会がもたれました。
最初に吉峯弁護士より、「教育がはたして憲法に依拠して行われているのか。条例や職務命令で、心の問題を強要するような現在の教育の状況は民主主義の危機でもある。その意味で土肥氏の裁判は非常に重要であり、この裁判に関心を持ち、支援することは歴史的にも意味がある。今日もこれだけ大勢の支援者が駆けつけて下さる事に感謝しており、今後とも皆さんの支援をお願いしたい。」との発言がありました。続いて高橋弁護士からは結審が裁判所の都合で延びたことと、判決は年内ぎりぎりか年明けとなる可能性が高いことが報告されました。土肥氏からは「今日で結審すると思っていたので、少し残念だが、8月25日にも意見陳述をさせてくれるので、発言する機会が増えて良かったと前向きに考えていきたい。きっとどっちが勝っても控訴することになり、時間が経てば経つほど、この裁判に関心を持ってくれる人は増えて行き、それだけ都教委は醜態をさらすことになるので私にとって有利になると思っている。」との発言がありました。参加者より「判決の日は記者会見をするのか」、「全国的に署名を集めたらどうか」「外国人記者クラブで記者会見をしたらどうか」等の質問があり、土肥氏は「判決の日には記者会見を必ず行う。」「全国的な署名や外国人記者クラブの記者会見については事務局で検討する。」との回答がありました。
 最後に立正大学の浪本教授が「土肥氏の提起した裁判は、日本の教育界に〈言論の自由〉、ひいては教育の自由が保障され、各学校が本来の教育的使命を達成できるようになるか、あるいは強権的な教育行政によってさらに各学校が委縮していくことになるのか、の大きな岐路に立つ裁判である」と発言して下さり報告会を終了した。

次回最終口頭弁論 8月25日(木)午前10時 527法廷

*この日に恐らく結審となりますので判決日が決定します。
*土肥先生が再度意見陳述(新しい内容)をします。
*傍聴席を満員にして裁判官の心証を良くしたいと思いますのでよろしくお願いします。

2011年6月11日土曜日

最終口頭弁論は7月7日

「学校に言論の自由を!」裁判

第12回最終口頭弁論は 、
7月7日 七夕の日です!!


今回で結審、判決日が決定します。是非裁判の傍聴に駆けつけて下さい
********************************************************************************

今回は約2年間の裁判を通して、東京都教育委員会の非常識に対する怒りの思いを、本人(土肥)が陳述します。

日時●7月7日(木)午前10時~

★傍聴席の定員は42名です。開始時間間際ですと入れません。
できれば、30分前位には、お越しください。

場所 ●東京地方裁判所522号法廷
              (527から522法廷に変りました。)

★裁判終了後、報告会を行います。
場所 ●弁護士会館 5階 「508ABC」
             ぜひこちらにもご参加ください。

連絡先●090-5642-6304(高本)090-2780-7728(平山)

2011年4月30日土曜日

第11回口頭弁論(4/7) 本人尋問を終わって

「嘘」が「嘘」を証明した。

 3月17日、東京地方裁判所527法廷で第9回目の裁判
(口頭弁論)が行われました。
 被告(東京都教育委員会)側の証人として加藤学務部課長
(当時)が「米長氏を原告(土肥)が批判したという情報は、
1回目の指導と2回目の指導の間に入手した」と発言した時、
私は「ふざけるな。1回目から米長氏の件で指導を受けたぞ。
そんな嘘をつくな」と心の中で叫びました。

 私は現職中に様々な言論弾圧を都教委(東京都教育委員会)
から受け、最終的には非常勤教員不合格という報復措置を受け
ました。現職中に何度も都教委に対して「言論の自由」の問題で
公開討論を申し込みましたが、全て断られたため、裁判という
公の場で公開討論を行いたいと思い、都教委を提訴したのです。

(現職中の私に対する言論弾圧と裁判の内容につきましては、
それは、密告からはじまった」(七つ森書館)に詳しく書いて
ありますので是非お読み下さい)

 裁判の中で最も許せなかったのが、当時教育委員であった
米長氏を私が批判したことを都教委に密告され、指導された
内容が、私の主張と都教委の主張が全く違っていたことでした。

密告により、指導されたのは3回(2006年10月6日、23日、
25日)で、25日には米長氏が三鷹高校に視察に来ることを
告げられたのです。
 一方、都教委は、指導したのは2回(10月6日、24日)で、
米長氏が三鷹高校に視察に行くという指導はしていないと
主張したのです。しかも都教委は24日(本来23日)の日付を
書いた指導内容を記録したメモを、都教委側の証拠として提出
していたのです。恐らく米長氏の三鷹高校視察の件は、全く
なかったことにしたかったのだと思います。
 私にとって米長氏の三鷹高校視察の件は、私の言論を封じる
ための脅迫そのものであると感じましたし、このことが都教委の
横暴を社会に訴えようと私が決意した原因だったのです。
(理由はわかりませんが、米長氏は結局三鷹高校へは来ませ
んでした)
 米長氏を批判したのは理由がありました。皆さんもご存じだと
思いますが、2004年10月、天皇の園遊会に呼ばれた米長氏
は、天皇にお褒めの言葉をもらおうと思い、「日本中の学校で
国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事です」と話しかけ
たところ、逆に天皇に「やはり、強制になるということではない
ことが望ましい」と諌められました。自分の尊敬する人から
諌められたら、「申し訳ありません。今後は強制しないように
していきます」と答えるのが当たり前です。しかし都教委の
国旗・国歌の指導は、それ以後も天皇の意思に反して、ます
ます強制の度合いを強めていったのです。だからこそ私は
米長氏を批判したのであり、それが密告されたのです。
 
 そして1回目(10月6日)の時から、米長さんを批判したことを
都教委から強く指導(私への言論弾圧)されたのです。そのこと
は私の手帳にも明記されています。だからこそ加藤氏が発言し
た時、嘘をつくなと心の中で叫んだのです。
 この加藤氏の嘘は絶対に許せませんでした。この思いが、
ジャーナリストの池添徳明氏を思い出させたのです。
池添氏は、私が三鷹高校に赴任した2005年4月から私を取材
していたのです。もしかすると池添氏に密告の件を話している
かもしれないと思い、すぐに連絡をしました。
すると、池添氏の取材ノートに、私の主張とまったく一致する
記録が残っていました。
10月23日(2回目)、土肥氏が都教委に指導を受けた帰りに
横浜の喫茶店で待ち合わせ、10月6日と23日の指導の内容
について取材した。1回目も2回目も米長氏の件は指導された。
25日(3回目)には午後8時頃土肥氏から電話があり、米長氏
が近々三鷹高校に視察に来ることを告げられた」。
都教委の主張がすべて捏造されたことが明らかになったのです。

 第11回口頭弁論(4月7日)での私への主尋問で、池添氏の
取材ノートに記録されていた事実を述べ、都教委の事実の捏造を
明らかにしました。また、24日の日付の書いてある指導メモは、
都教委が日付を捏造した文書であり、まさに公文書偽造の罪に
問われるのではないかと思いました。加藤氏の「嘘」がなければ
池添氏を思い出すことはなく、まさしく加藤氏の「嘘」が、都教委の
「嘘」を証明してくれたのです。

 今回の裁判は、事実に基づいてお互いの主張をぶつけ合い、
どちらが正しいかを判断してもらおうと思っていました。
しかし都教委はその事実さえ捏造したのです。
都教委の行為は絶対に許されるものではないと思うとともに、
これが私の提訴し、裁判の場で正々堂々と論争しようと思って
いた都教委かと思うと情けなくなりました。

土肥 信雄

2011年3月4日金曜日

講演日記(22) ― @北海道 後志・倶知安町

2011年2月17日(木) 北海道 倶知安町
場所: 後志(しりべし)労働福祉センター  
時間: 午後6時30分から午後8時30分まで
 

今回の倶知安町(後志)での講演は私にとって忘れられないものとなりました。
 それは、前日の16日に、小樽で宿泊したことにはじまります。小樽に昼頃に着いて、小樽の街を観光していた時、小林多喜二に関係のある集会の看板を見つけました。実は私にとって小林多喜二はとても印象深い人でした。私が高校の教員になって、政治経済を教えるために使った資料集に、小林多喜二の写真があったのです。その写真は、小林多喜二の遺体を、多くの仲間が取り囲んでいる写真でした。思想犯として特高警察に逮捕され拷問の末、虐殺された遺体です。この写真を見て、「日本で、二度とふたたびこのような言論弾圧が行われてはいけない」と思ったことを鮮明に覚えています。私が今、言論の自由のために闘っている原点の一つなのかもしれません。

 小樽には修学旅行の引率で来たことがあり、市立小樽文学館に多喜二のコーナーがあったことを思い出し、次の日に文学館に行きました。有名な『蟹工船』を書いた多喜二は、小樽高等商業学校(現・小樽商科大)を卒業し、小樽ゆかりの人なのです。そこで驚いたのが、特高に捕まり拷問を受け虐殺されたのが、何と3日後の2月20日だったのです。多喜二の命日に、多喜二をしのぶ集会だったのです。
 
 今回の講演の最初に、小林多喜二のことを話しました。話しているときには、何と表現していいのかわからない、不思議な感情が胸にこみ上げてきたのです。多喜二は死を賭して自分の主張を貫いた。それに比べれば、今の私は死を賭すことはない。だからこそ、言論の自由を守るために、私が闘うのは、私の責任であり義務ではないかという思いが・・・。
 こんなことがあり、私自身がとても高揚した気持ちで講演したように思います。
 
 次の日に新千歳空港まで送ってもらう途中、世界的に有名なニセコスキー場(外国人がとても多かったです)、氷で作ったアイスバー(氷で作った飲み屋)、恵庭岳を背景にした支笏湖、まわり一面の銀世界、とても素敵な後志・倶知安でした。ただ一つ残念なことは、倶知安が誇る、羊蹄山の華麗な姿を見られなかったことです。羊蹄山を見るためにも、もう一度後志・倶知安を訪れることを夢見ています。後志の皆さんありがとうございました。また会えるのを楽しみにしています。

 
参加者の感想

子どもでもおかしいと思うくらいに「おかしい」やり方で行政は、権力を持つ人たちは、自分たちの考を人に押し付けてくるんだと思いました。こうやって言論の自由が侵害されていくんだと。他人事ではなく思いました。土肥さんの一本筋の通った主義主張「言論の自由をまもる」ことは平和を守る、民主主義を守ることに通じている、同じだと思いました。能動的に行動しなければ平和は守れないと、頭では理解していても、行動で示すことはしていない自分を思い起こすことができました。まず、自分の周りから意識していこうと思いました。
身近なところで、上司に対してでなく、同僚間でも言論の自由って認められない場面がある・・・なんてことにも改めて気付かされました。
何よりも、子どもたちのために、(自分がかかわった子供たちだけじゃなく、将来を生きていく子どもたちのために)活動をされている、土肥さんの生の声を、考えを、訴えを聞けたことに感謝します。ありがとうございました。

「土肥元校長の裁判は21世紀のガリレオ裁判か」
1928年3月15日、政府は主に共産党支持者に対し一斉弾圧を行った。小林多喜二の住む北海道小樽でも2ヶ月で約500人もの人が捕らえられ、警察署で拷問を受けた。この一件を小説にした小林多喜二は、1933年2月20日に東京で拷問を受け獄死。小樽出身の私にとって、言論の自由について考えさせられる大きな事件だった。
 この事件から約80年。「日本は平和になった、国民の自由が保障されるようになった」と多くの人が感じている。しかし、土肥先生の裁判の結果次第では、もうのんびりとしてはいられなくなるだろう。
 私のような20代の教員は、新卒のころから職員会議は補助機関化されている。周りからは「管理職がああ言うのだから、我々が主張をしても仕方が無い。」というような声も聞いたことがある。現時点で十分、一般教員は議論する意欲を失っているように思える。というのも、多くの職員が「おかしい」と思えることでも校長一人の判断で決定できるからで、良くないことに、そのような事例が目立つからである。これは校長に最終的な責任が求められるので、やむを得ないところであるが、会議の度にストレスが募ることが多かった。
 しかしながら今回、土肥先生に出会って一筋の希望が持てた。もしも校長が土肥先生のように、現場の教員の声にしっかりと耳を傾けてくれる人だったら、何も問題はない。そして、自分の意見を言える、それを聞いてもらえるという状況が、どんなに仕事をする上で活力をもたらしてくれるだろうかと想像できた。同時に、意見さえ述べられない状況がいかに絶望的かも想像できた。我々にはもう、ダメで元々という思いで意見を述べるしかないのに、それすらできないとは何と異常な事態だろうか。
 私は子どもに授業を評価してもらうし、学期の終わりには「担任の働きぶり」について成績表をつけてもらう。教育の主体は子どもたちであり、子どもたちの自由な意見を無視して教育活動はできないからだ。土肥先生の主張に最も感激したのは、子ども中心主義。きっと言論の自由がない世界を子どもたちに残したくは無い、という思いも強いのではないだろうかと感じた。

2011年2月10日木曜日

講演日記(21) ― @京都市

講演日記(21)  注:前回は(19)でしたが、正確には20回目でした
              ので今回を(21)に修正いたします。

2011年1月29日(土) 京都市
場所: 京都教育文化センター  
時間: 午後2時10分から午後3時40分まで

 今回は京都教職員組合の青年部の主催の京都青年教研『わかもんTeRAKOYA』の記念講演として私の講演が組まれました。
 最初に講演を依頼してきた先生の文面を見て驚きました。「実は私が初任者の時の辞令交付式で君が代を8回ほど歌わされました。しかも、声が小さい!あなたたちは明日から教壇に立つのにそんなことでどうする!と全員怒鳴られました。それから2,3年後の辞令交付式ではバタバタと倒れた若い先生がいて大問題になりました。今は改善方向に向かいましたが・・・」という文面です。京都はかつて革新府政でリベラルだと思っていたので「京都でもそこまでやるのか」という思いでした。

 東京都の教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止通知により、東京だけが突出しているのかと思っていました。しかし全国的に、国旗・国歌問題を通して教員に対する管理が異常なほどまでに徹底され、教員が自由に発言する雰囲気が急速に無くなってきているのです。おそらく経験が少なくて自信の持てない若い教員は、ますます発言できず一人で悩んでいると思います。 その若い教員たちが主催する会で私が講演できることはとても嬉しいことでした。
 教育委員会や管理職によるトップダウンに従順に従い、発言しないのが当たり前と思う教員が増えれば、結果的には生徒の言論の自由を奪い、決して生徒のためにはならないのです。そのような教員にだけはなってほしくないという思いで、いつになく力の入った講演となりました。私があまりにも熱くなったため、「あつっくるしい人だなあ」と思った人もいたに違いありません。会の運営もすべて若者が行い、若者のエネルギーを感じることのできる集会でした。実行委員の皆さん、本当にご苦労様でした。
 
それと今回とても嬉しいことがありました。それは私が高校教員としてデビューした東京都立芝商業高校の卒業生が、わざわざ大阪から来てくれたのです。本当にうれしかった。教師冥利に尽きました。


出席者の感想
●とてもいい。自然に体に入ってくる講演でした。裁判はとても大変だと思いますが、後ろの生徒や保護者の応援が見えるようでした。
●よい。企画の勝利。土肥さんの言動には賛同できない部分も若干あるが大筋学べる。
●先生の話やDVDを見て、本当に涙が止まりませんでした。「子どものためにがんばる」これが教師だと思います。でも今は本当に日々の生活に追われ、「本当にこれが大切なの?」と思うことが多々あります。やっぱりそういう時には声を上げていかなければならないと実感しました。私は、今、6年生を担任し、戦争や日本国憲法を学習しています。まさに土肥先生と一緒です。平和主義、本当に熱くみんなで勉強しています。子どもたちは本当に自然な思いを持っています。事実を伝えると、「戦いはあかん。言論で解決していかなあかん」「なんで軍にお金を使うの?」といっています。私は子どもたちに、この思いをいつまでも持ち続けてほしいと思ってます。先日は「みんなが感じた平和を自分で思い続けているだけでなく、周りに伝えられるようになってほしい」と伝えました。また憲法に書いてある権利を詳しく見ていきました。人が一人ひとり大切にされていることを知り、権利を正しく理解できる子に育ってほしいと思います。

土肥先生もおっしゃっていたように、よい教育をし、これから生きる子どもたちが本当に幸せに生きられる社会にしていきたいと思いました。勇気付けられました!本当にありがとうございます!
●言論の自由はやはり何よりも大切な人権であると思う。
●まずは土肥先生の勢いに圧倒されました。校長先生になると職場からは離れていってしまうもんだと思っていましたが、管理職も捨てたもんじゃないなと思いました。
●思春期の子どものように「そんな大人(校長)おるわけないやん」と思う心がだんだん信じる気持ちになってきました。自分と同じ理念と行動…とはちょっと苦しいですが、「校長なんて」と決め付けるのではなく人間として対話を心がけたいと思います。
●信念を持って子どもに関わっておられることがすごいと思った。思っていてもなかなか行動にできないけど、私も少しずつ動いていきたい。
●土肥先生のことを知り、子どもたちの理想の校長先生だなあと思いました。すてきな先生のことを知れてよかったです。
●呼んでいただいて大正解でした。元気いっぱいもらいました。
●力強くてパワーのある講演で勇気をもらいました。
●DVDは土肥先生の普段の学校での様子が分かってよかったです。京都市で行われようとしている査定評価制度を何とか押し返さなければという気持ちが改めて強まった。
●DVDを見て人柄がよく、真剣に子どものことを考える教師なんだと思った。
●すごく熱い講演でした。子どものことを思い、日々がんばっていきたいと思います。
●すばらしいDVDで様子が具体的に伝わった。こんな先生がいらっしゃることに驚き、ぜひ裁判や活動がんばってほしいと思った。
●ほんまもんの教師って土肥先生みたいな人を言うのかな。学校にいる教師全てが土肥先生だとちょっとしんどいかもしれませんが(笑)いつまでも子ども中心で物事を考えられる人間でありたいと改めて思いました。
●とても熱い話を聞かせていただき、自分も一番に子どものことを考えているのかと改めて考えました。何よりも保護者と子どもに評価してもらえる教師になりたいと思います。
●DVDを最初に流していただいたので講演が分かりやすかったです。(テレ朝もよい番組つくるなあ)土肥先生のお話、分かりやすくておもしろかった!!都教委の横暴に立ち向かわれている姿、それを支援している生徒、保護者の姿に感動しました。「言論の自由」が合言葉になるような教育現場にしていきたいと思いました。
●DVD感動して涙が出ました。先生っていいなと思いました。校長先生で教師目線で動いてくださっている方がいらっしゃることが嬉しいです。
●笑顔がとっても素敵な先生ですね。TVで見る以上に生身の先生がパワフルで圧倒されそうでした。今日来れてよかった。
●人の上に立つ人は、こんな人であるべきだと思いました。(子どもの前に立つ人も教師の上に立つ人も)
●先生の明るい声に私も元気をもらいました。やはり自分の思いを通す、言うって大事です。それを貫かれておられる姿に頭が下がり、私もがんばろうって思いました。

2011年2月3日木曜日

支援者の皆さんへ

皆さんこんにちは。新しい年に入り、いかがお過ごしでしょうか。

今年は、東京地裁の判決が7月~9月に出る予定で、私にとってとても重要な年です。裁判に是非とも勝訴して、最高の年にしたいと思っています。
2008年5月、三鷹高校在職中に東京都教育委員会(都教委)の言論弾圧等の強権的な実態を社会に訴え、2009年6月に提訴して都教委と闘っています。多くの皆さんのご支援により、まったく孤立感を感ずることなく、皆さんからエネルギーをもらい、闘うことに喜びと責任を感じています。

闘いを通じて、都教委の横暴と卑怯さに私の怒りはますます大きくなっています。現職中に社会に訴えたのも、私に対する言論弾圧だけでなく、教職員や生徒に対する言論統制の意図が明らかになったからです。教育において言論の自由を奪うことは、戦前を見れば明らかなように、戦争への道につながる恐れがあるため、私は何度も都教委に対して公開討論を要求しました。都教委が正しいのか、私が正しいのか判断してもらうためにです。しかし都教委は全く応じてくれませんでした。やむを得ず、公開の場で討論するために裁判に訴えたのです。

その裁判の中で、私が絶対に許せないことが起こったのです。それは東京都教育委員会・教育委員(当時)の米長氏の三鷹高校訪問問題です。私が米長氏を批判したことを密告され、都教委から3回も呼び出され、最後には米長氏が三鷹高校を訪問することを告げられたのです。それは私に対する脅迫以外の何物でもありません。この時、私は都教委と闘う決心したのです。言論の自由が憲法で保障されている日本で、批判するだけで強権的な指導や脅迫をすることを私は許すことができませんでした。
ところが裁判の中では、都教委は米長氏が三鷹高校を訪問することを告げていないと主張しているのです。この都教委の「嘘」に私の怒りは頂点に達しました。「密告」から始まった私への言論弾圧と裁判の中での都教委の「嘘」の全てを全国民に伝え、都教委の「横暴と卑怯」の実態を明らかにしたいと思ったのです。

「それは、密告からはじまったが七つ森書館より発売(2月1日)になりました。
裁判の中で、都教委は米長氏の問題だけでなく、多くの「嘘」をついて都教委を正当化しています。子どもたちに「嘘はついてはいけない」と教えている教育関係者が「嘘」をついて良いのでしょうか。私は裁判の中で、都教委と正々堂々と闘おうと思っていました。「事実は一つ」であり、その事実から出発してお互いの主張をぶつけて、最終的に公正な判断をしてもらいと思っていたのです。しかしその前提である「事実は一つ」が崩れてしまったのです。「それは、密告からはじまった」は、私の抑えられない怒りをぶつけ、渾身の力で都教委の「横暴と卑怯」を書き上げました。皆さんにも、ぜひ読んでいただきたいと思います。読んでいただいて私の怒りを感じていただければ幸いです。

なお、裁判の日程は下記の通りです。可能であれば傍聴においで下さい。
(いずれも東京地裁527法廷
         
3月17日(木) 午前10時より全日 
・小山氏 中部センター副参事(当時)
・加藤氏 学務部課長・守屋氏 指導部高等学校教育指導課

3月24日(木) 午前9時50分より全日 
・園田氏 人事部選考課長 
・増田氏 指導部指導主事(面接官)
・田中氏 人事部職員課長
・古川氏 都立学校教育部課長

4月7日(木)午後1時30分より
・本人尋問 土肥

結審は5月頃、判決は7月~9月頃の予定。

土肥元校長の裁判を支援する会HP http://www.dohi-shien.com/html/

2011年2月1日
土肥 信雄

2011年1月2日日曜日

新年のご挨拶

支援者の皆様へ

あけまして、おめでとうございます

2009年6月の裁判開始以来、ご支援いただきありがとうございます。
昨年は私にとって、とても充実した年になりました。
何と言っても、昨年の4月から非常勤講師として法政大学と立正大学で、「教職入門」等を若い学生に教えることが出来るのは最大の喜びです。私の34年間の教育実践を全て教えています。学生達も、現場の教育実践についてはあまり聞く機会がないらしく、とても熱心に聴いてくれます。若い人達にこそ、教育現場での言論の自由が、最終的には生徒の幸せに繋がることを認識してもらいたいと思っています。私も学生とのコミュニケーションを通じ、若いエネルギーをたくさんもらい、ますます元気にしています。
また、昨年は、北は北海道から南は福岡まで、全国から講演依頼があり、26回もの講演を行いました。講演を行うごとに支援の輪が広がり、心強い限りです。特に地方の教員の皆さんからは、東京都の教育の影響を受けるため、何とか都教委の暴走を止めて欲しいという思いがひしひしと伝わってきます。そのためにもこの裁判は絶対に負けられないという思いを強く持ちました。
その裁判ですが、生徒・保護者から私を支援する陳述書が125通も集まり、弁護士も驚いています。9月2日の第8回口頭弁論で書類のやり取りは全て終わり、いよいよ証人尋問に入ります。誰を証人として尋問するかを裁判長と被告(都教委)と協議した結果、都教委側の証人7人と決まりました。今までの書類のやり取りとは違い、反対尋問で都教委の言論弾圧の実態と、都教委の嘘を全て明らかにしたいと思っています。時間があれば、是非傍聴においでください。とても迫力ある反対尋問になると思います。
 なお、私(原告)側の証人として申請した9人(生徒、保護者、同僚、元校長、教員、学者等)の証人について、都教委は全ての証人に対して反対尋問をしないと回答しました。このため、9人の証人の書いた陳述書は証拠として採用されることになり、証人尋問は行わないことになりました。

3月17日(木)
 午前10時より全日  東京地裁527(予定)号法廷
・小山氏 中部センター副参事(当時)
・加藤氏 学務部課長
・守屋氏 指導部高等学校教育指導課


3月24日(木)
 午前9時50分より全日 東京地裁527(予定)号法廷
・園田氏 人事部選考課長 
・増田氏 指導部指導主事(面接官)
・田中氏 人事部職員課長
・古川氏 都立学校教育部課長

4月7日(木)
 午後より、尋問時間2時間30分 東京地裁527(予定)号法廷
・本人尋問
 土肥

まだ場所、時間等は未確定なところもありますので、後日
お知らせ致します。

2月上旬には七つ森書館より「それは、密告からはじまった ―校長VS東京都教育委員会―」という刺激的な題名の本が出版されます。現職中の私に対する都教委の言論弾圧や、今までの裁判での都教委の嘘については絶対に許すことが出来ません。怒りを込めて書き上げました。この本を読んで、都教委の横暴さを、是非確認していただきたいと思います。

今年はいよいよ判決の年です。最高の年にしたいと思いますので、引き続き皆さんのご支援、ご協力をお願い致します。
新しいホームページも出来ましたのでご覧下さい。

土肥元校長の裁判を支援する会
HP ;http://www.dohi-shien.com/html/
ブログ;http://dohisaibansien.blogspot.com/

土肥信雄