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http://www.dohi-shien.com/

2010年11月14日日曜日

土肥元校長の推薦書・業績評価書

支援者の皆さんへ

非常教員採用選考推薦書兼業績評価書と不合格処分について
 
 東京都教育委員会(都教委)は、裁判の中で、私を不合格とした理由の一つ
として非常勤教員採用選考推薦書兼業績評価書(推薦書・業績評価書)を証拠
として提出しました。
私の推薦書・業績評価書は、別紙の通り全ての項目でCという最低の評価です。
その理由を見ると、私が都教委の施策を批判したことが全ての項目で述べられ
ており、私の現場における教育活動についての論述は一切ありません

Cの理由は大きく二点です。
一点目は業績評価制度についてです。業績評価制度において、私が実施要領に
絶対評価と明記してあるにもかかわらず、都教委が相対評価を強要したことに
対して意見を表明したことに対する評価です。私は業績評価制度を全面的に
否定したり、業績評価を提出しないという法令に違反したわけではありません

二点目は学校経営の適正化に関する通知(職員会議で教職員の意向を確認
する挙手・採決の禁止)についてです。これについても私は三鷹高校で教職員
の意向を聞く挙手・採決はやっておらず、通知には従っています。しかし職員
会議は既に1998年に補助機関となっており、最終決定は全て校長の権限と
なっており、職員会議における意向を聞く挙手・採決の禁止は教員が言論の
自由がなくなり、結果的に教育の主体である生徒の言論の自由もなくなると
思ったからです。
戦前を見れば、教員の言論の自由がなくなれば、生徒の言論の自由が
なくなるのは明らかだからです。

私が離任式で教育の主体である卒業生から「卒業証書」と卒業生全員から
色紙」をもらい、多くの保護者からも「色紙」をもらった事実は、私の教育
活動に高い評価を与えてくれたものだと思います。私の教育活動を全く
評価せず、都教委に対する意見表明のみを推薦書・業績評価書の対象と
することは、業績評価実施要領違反であり、業績評価が言論統制に使われて
いることを如実に物語っているのです。今回の私の推薦書・業績評価書を見て、
業績評価は評価者の恣意的な評価になっていることが明白になったと思います。

支援者の皆さん、私の推薦書・業績評価書をよく読んでいただき、都教委の
評価がいかに教育の主体である生徒を無視して付けられており、都教委の
考え方に反する者を排除するために使われているかを確認していただきたいと
思います。
                          土肥 信雄

関連リンク=>http://dohi-shien.com/html/modules/saiban1/

2010年10月10日日曜日

講演日記(19) ― @北海道・滝川市

2010年9月24日(火) 北海道 滝川市
場所: 滝川市文化センター 


 9月9日に北海道幕別町で講演を行って1ヶ月も経たないうちに、同じ北海
道の滝川市で講演できるとは夢にも思っていませんでした。
 今回は、北教組空知北支部の教育研究集会での講演の依頼でした。
 
今、私は大学で将来教員を希望している学生に教職入門等を教えています。
教員として最も大切な心構えの一つとして「授業は命」という言葉を繰り返し
学生達に語っています。教育で一番大切なものは信頼関係だと思っています。
生徒との信頼関係が出来れば、教育の目的のほとんどは達成されると思う
からです。その信頼関係を確立するために重要なのが授業だと思います。
どんな生徒でも、やはり授業が上手な先生のことは信頼するのです。信頼
されれば、授業以外の生活指導や進路指導でもうまく指導できるのです。
だからこそ「授業は命」なのです。教育研究集会とはまさにこの授業を上手
くするために、教員同士が集まって自由に議論し、より良き授業を目指して
皆で切磋琢磨しているのです。新人は先輩の良き点を盗み、先輩は新人
の新しい考えや方法を取り入れ、お互いが授業内容や授業方法等につい
て高め合っていくのです。教育研究集会こそ言論の自由がなければ上手な
授業などは不可能だと思います。
 その意味でも今回の講演には力が入りました。講演をしながら感じた
ことは、9日の十勝・幕別の時もそうですが、皆さんが真剣に聞いてくれて
いることでした。北海道では、今まさに教員に対する管理体制が強化され、
東京の実態は北海道にとって「対岸の火事」ではないのです。いかに
管理強化が行われても、生徒のために「言論の自由」だけは守って欲しい
と訴えました。

 翌日は「女子教育問題」と「職場の民主化」に出席させていただきました。
本当に懐かしく思いました。というのは、初めて神奈川県で小学校の教員
になった時、積極的に教育研究活動を行い、多くの仲間と時間を忘れる
ほど議論し、神奈川県の代表として全国沖縄教育研究大会に参加した
経験があったからです。多くの仲間が共通の問題で議論することにより、
同じ悩みや苦しみを共有できる仲間がいることを認識し、自分一人では
ないのだという安心感をもつことができ、ホッとしたことを覚えています。

二つの分科会には、共通の問題に関心のある多くの先生方が集まって
いました。このように仲間と自由に話し合いのできる環境であれば、教員
の自殺等とは無関係だろうと思いました。今東京では若い教員の自殺等
が社会問題になっています。その大きな原因が、一人ひとりが孤立してい
るからだと思っています。分科会に出席して北海道の状況を羨ましく思い
ながら聞いていました。


参加者の感想

◎ 統制化、何の権利もなく教委・局の下僕となっている管理職ばかりの中に、
  土肥先生のような主張を続ける(元)校長がいることは貴重だと思った。
◎ とてもよかった。管理職にきいてほしいくらい。権力だけをふりかざし、
  権力にペコペコするような人が多い中で、結局、私たち組合員が見識を深め
  どのような意識で子どもに向かうかということが問われている気がしました。
◎ 大変、有意義な時間をすごすことができたと感じている。教育現場が、
  教職員、子どもと意見を自由に交わすことができる、どのような場面でも
  自分の意見を持ち続けることができることを目指して日々とりくんでいき
  たいと感じた。
◎ 記念講演は、元気をもらえる講演で良かった。また、今後の「言論への
  弾圧」に注意していかなければならないことも強く感じた。
◎ とても勇気をもらえる内容だったし、興味深かった。話も聞きやすくわか
  りやすかった。
◎ 記念講演の土肥校長のお話がとてもおもしろかったです。言論の自由の
  大切さをあらためて実感しました。
◎ 現在の教育現場の大きな問題点をあらためて考えさせられるとてもよい
  記念講演でした。
◎ 土肥先生の話については、以前から雑誌や報道(TV)等で聞いたことが
  ある程度でしたが、実際にお話を聞いてみて、決して東京都だけの問題
  ではないなと感じました。モノいえぬ職場(「この話題は会議にふさわしく
  ない。次からふれないでほしい!」という校長)に成りつつある我が校を
  省みると・・・やはりこのままではまずい!声をあげていかなくては・・・と
  反省しました。
◎ パワーをいただけた講演でした。たった一人で正しい道をすすんでいって
  いる土肥先生のことをおもうと、私はもっと仲間と勇気を出して声をあげ
 ていこうと思った。
◎ 内容は大体知っていたが、ご本人の生の“人”にふれて聴くことで全く
  印象がかわった。様々な意味で、とてもためになった。
◎ 記念講演は、とても感銘を受けた。「ものいえる職員室」の重要性を
  改めて感じた。自分も勇気を持って発言していこうという力をもらった。
  土肥さんには、これからも頑張ってほしい。
◎ 講師の先生の話に引きこまれました。大人が“言いたいことを言う”姿勢
  をみせないで、子どもに指導なんかできないと。理想的な行動をとるのは
  難しいけど、「明日からなんか頑張ろう」という元気をもらうことができました。
◎ 初めて土肥先生の話を聴いたが感動した。人間性が如実に出ていた
  ので、非常に感動した!!
◎ 記念講演の土肥さんの話は時間を忘れるくらい引き込まれた。
  「がんばれっ!」と思うとともに私たちも「がんばりたい!」とおもった。
◎ 他の地域の現状をきき、将来の北海道がどうなるか不安になりました。
  私たちががんばっていかなければ子どもたちの未来が危険にさらされ
  ると思った。
◎ 物言わぬ人間をつくることがこれからの国のためになっていくのかと
  思ってしまうようなやり方をしている都教委に対し、信念を貫こうと闘う
  土肥先生の姿やお話に感動しました。行政のやり方はちがうと声をあげ
  続けられる組織でありたいと強く思いました。
◎ とても勉強になった講演でした。テレビでドキュメンタリーを見て、関心が
  あったので、お話を聴けて良かったです。土肥先生の講演を聴いて、学校
  は子どもたちが主役であることを改めて認識した。
◎ みんなが熱い思いをもてば、学校は変えられると思った。
◎ 現場のことをよく知っている方に講演をいただき、良かった。また、北海道
  以外の事情に疎い自分にとって東京の実情を知ることができてとても興味
  深かった。
◎ 「言論の自由」の大切さを感じた。モノをいえない世の中が戦争につながる。
  「教え子を再び戦場に送るな!!」土肥先生のパワーを感じた。

2010年9月27日月曜日

講演日記(18)-@北海道・十勝・幕別町

2010年9月8日(火) 北海道 十勝 幕別町
場所: 幕別町百年記念ホール 

 今回の講演依頼が来たのは、一年前(2009年)の6、7月頃だったと思います。
私はてっきり2009年の9月の講演の依頼かと思いました。しかも北海道。
北海道は教員組合の力が強いと聞いていましたので、教員関係の講演依頼
だとばかり思っていました。ところが依頼者は、北海道公立小中学校事務職員
協議会だったのです。その後、名達会長、久保副会長、山本事務局長、木戸
事務局次長の四人と東京でお目にかかり、そして機関紙「北響」を読む中で、
皆さんの教育に対する姿勢に驚いたのです。正直、東京の実態は、特に学校
事務職員が局間異動(別の局から異動してくる)になって以来、学校事務職員
の教育に対する積極的な姿勢はほとんどなくなっているのが事実です。一生、
学校事務職で働こうという意欲を持っている人と、行政職の一職種として一定
の期間だけ学校事務職を経験する人では、その教育に対する姿勢が違っても
やむを得ないと思います。本当に子どものことを考えるならば、学校という一つ
屋根の下で働く仲間として、教員とともに子どもを育てる学校事務職員が存在
することほど素晴らしいことはありません。都立高校の管理職として苦労したの
は、教員と事務職員の良好な関係を構築することでした。お互いが「子どもの
ため」という視点を持っていれば、結果的には教員と事務職員が良好な信頼
関係を持つことができるのです。
 そのことを実感したのは第三分科会に出席させてもらった時でした。第三
分科会の発表では、「子どもアンケート」、「地域との連携」等の問題が提起され、
子どもとの関係性をどのように構築するか、保護者・地域とのつながりをどう
するか等々、正直言って教員の研究発表会と間違えるようなテーマや言葉が
出てきました。特にある発表者の「学校事務職員は教育哲学を持たなければ
ならない」との発言には驚くとともに教員に聞かせたくもなりました。こんなに
子どものことを考える学校事務職員の研究会は、北海道以外にはほとんど
ないと思います。事務職員の研究会といえば、仕事の効率化をどのように
して達成したか、事務処理の電算化等々を思い浮かべますが、北海道の
研究会は子ども中心の研究会でした。
 
 さて本論の講演のことに話を戻しましょう。久し振りに500人を越える
参加者の前で講演することなり、かえってファイトがわきました。絶対一人も
寝させないぞというファイトが。(だから声が大きくなるのです。笑)
私は演壇の前で講演するのはどうも苦手です。舞台の最前列に立ち、なる
べく参加者との距離を短くして話し、時には会場に下りて話しかけるのも大
好きです。リハーサルでピンマイクが使用できると聞き、「ヤッター」と思いま
した。思い切り動き回り、話すことができるからです。私は小学校の教員の
経験もあり、しばしば参加者に挙手を求めますが、今回はその反応もとても
よく、気持ちよく講演をすることができました。私の見た範囲では居眠りをし
ている人はいなかったように思います。(いかがだったでしょうか?)

その日の夜の交流会で、多くの人に激励の声をかけていただき、最高に
幸せでした。大会が終わった次の日には、富良野、美瑛、旭山動物園と
山本事務局長夫妻に観光案内をしていただき、最高の北海道講演旅行で
した。
 北海道の皆さん本当にありがとうございました。また会える日を楽しみにしております。


参加者の声

こういう話を聞けるとは思わなかった。イデオロギーや主義主張抜きで大切な生き方だと思う。面倒な理屈はいらないが、よい時間だった。また、是非聞いてみたいと思う。この講演者を呼んでくれた全道協議会に感謝します。
「何が正しいか、何が間違っているか」あらためてきちんとした信念を持つことが重要なことだと思った。
わかり易くて、情熱的で、共通する部分が多かった。勇気をもらった気がします。笑顔で明るく子どもに接し、頑張ろうと思う。
都教委の強硬な施策には、本当に閉口するばかりです。都立高校でただ一人、闘いを挑むその姿勢と強い意志に敬意を表します。頑張ってください。
言論の自由。本当に大切なことだと考え直しました。自分の考えをしっかり主張できることは素晴らしいことだと思う。違うと思うことをなかなか言えない自分を反省して、明日からは、話すことを大切にしていきたいと思う。
土肥さんは、予めTVで見たことがあったので非常に興奮しました。実際の講演も非常に興味深い話で、明日の事務職員を考えるヒントを得ることができました。ありがとうございました。
子どもの言論の自由を保障(守る)ために、教員(大人)の言論の自由が保障されなければならないことが、認識することができた。学校で子どもたちの声を大切にしながら、学校事務職員として子どもたちのために仕事ができればと思う。
土肥先生の闘いが、他の校長先生、他の学校へ広がって大きな力になればと思う。
あらためて、学校での論議において、各人の思想信条の主張がないことに気付かされました。今一度子どもたちの教育、命という所から物事を考えなければいけないと感じた。
児童生徒への関わりの大切さを学べたこと、法令はしっかりと守りつつも、自分の意見はしっかりと持つことについて、これからの学校での過ごし方を考えさせられるものだった。
言いたいことがダイレクトに伝わってきて、共感できる内容でした。子どものころから米長ファンだったのですが、あの馬鹿さ加減にとてもがっかりさせられた一人です。
土肥先生のような校長と共に仕事ができた三鷹高校の職員がとても羨ましく感じた。今後の訴訟の成り行きを注目しています。
学校が誰のためにあるべき物かをあらためて考えさせられた。他の教職員や保護者にも聞いてもらいたい講演だった。
刺激的なお話も講演のいたる所に織り込まれ、最後まで楽しく拝聴できました。
大人と子どもは違う立場にあるけれど、人として尊重し合うことで近づける。そして言ったことを実現し、信念を子どもに伝えて信頼関係を築く。その貫き方に感動しました。
講演を聞いて、再度子どもの生活の場としての学校づくりの重要性を感じた。それは施設や財政面だけでなく、教職員・子ども・保護者・地域が子どもたちのために何をすべきか、自由に話し合える、そのような連携や協力・協働体制がとても重要なのだとあらためて思わされた内容でした。
教育の世界は閉鎖的になりがちで、どういうことが行われているかを一般の方に理解してもらうことは難しいと思っていた。しかし土肥先生の訴訟をとおして、多くの人に判ってもらえることは素晴らしいと思う。先生は大人として子どもの目線に立つ教育を実践され、子どもたちにとっての高校生活は輝いていたのでないでしょうか。色紙を見ながら子どもはちゃんと心を受け止めてくれるんだということ感じました。
なぜ日本では普通のことが普通に扱われないのか怒りながら、そして応援しています。この裁判は絶対勝ってほしいです!
先生のパワーに圧倒されました。凄い!今後、仕事・生きるうえでの活力となりました。ありがとうございました。
子どもに愛された先生と子どもの関係に涙しました。しかし、その分、権力に対して怒りを感じた。
管理職のイメージが変わった。素晴らしい校長先生です。土肥先生のような管理職が増えれば事務職員もどんどん教育に参加していけると思う。
変わった校長先生ですね。子ども第一主義に共感できました。我々の仕事は指導業務ではないが、子ども第一主義でありたいと常に思っている。
今の学校の管理職は教育委員会の言いなりでイエスマンが多い。自分の保身ばかりに思える。土肥先生の講演を「校長会」に聞かせたい!!
学校で一人で考えるより、たくさんの人で人権のこと、言論の自由のことを考えられて良かった。私が土肥先生の立場でもやっぱり一人では闘えないだろうな・・・
 先生、頑張ってください!!
今日の講演は最高でした。
いま、学校では通報制度以来、職員会議で発言しづらくなってきている。とりわけ
 校長の発言内容に対する批判は難しい。土肥先生講演に元気をもらいました。
本も買いたくなりました。
時間が短く残念でした。

2010年9月13日月曜日

講演日記(17) ― @北海道・十勝


2010年9月8日(火) 北海道 十勝
場所: 北教組 十勝支部 


 北海道での初めての講演。いよいよ北海道デビューです。参加された皆さんを見て、少し嬉しくなりました。こんなことを言うと怒られそうですが、私の講演会はどちらかというと年配の方が多いのですが、今回の講演会は若い人が多かったからです。私は今言論の自由のために都教委と闘っています。しかしいつも言っていますが、正直言って私自身は言いたい放題で言論の自由はありました。今闘っているのは、これからの若い教員の人達の言論の自由がなくなると困るからなのです。
 講演が始まると、いつも以上に真剣な眼差しで食い入るように聞いてくれていましたので、私もいつも以上に力が入りました。正直、少し笑いが入るようなところも、真剣に聞いているので、こちらもあまり冗談を言ってはいけないなと自制しました。(あれで自制してるのかと思わないで下さい。笑い)
 終わった後アンケートを書いていただきましたが、そのアンケートを見て、真剣に聞いていた理由が分かりました。北海道も現在進行形で管理強化が行われているようです。北海道の人にとって東京の出来事は「対岸の火事」ではないようです。
 執行部の方が最後に「今回の講演会のアンケートはいつもの倍ぐらい集まった」と言ってくださったことがとても印象に残りました。

参加者の声


 大変参考になる講演でした。このような会を、ぜひ大きな会場で実施していただければ良かったなと思いました。(できれば、うちの町教委にも招待状を出していただいて…)
 土肥さんのことはテレビで見ました。あの厳しい東京都で意志を貫き通していることに感動しました(離任式の卒業証書はもらい泣きしてしまいました)。しかし、今もなお、闘っていたことを知ってびっくりしましたし、そのエネルギーに、さらにびっくりしました。「権力は腐敗する」ということばがありましたが、東京都のもの凄さがわかりましたし、今、北海道もひどい弾圧になりつつあり、対岸の火事ではありません。
 今日のお話、腹の立つような事実でしたが、土肥さんの話はとても楽しく、「力」をもらいました。ありがとうございました。
 とてもおもしろかったです。久しぶりに「聞きたい」学習会でした。組合…大変だけど、東京都みたくなってほしくないのでがんばらなきゃな~と…ちょっと思いました。たしかに教委はへんな人が多いように思います。イヤなら私立に行け!という校長もいましたが…。
 土肥先生、がんばって下さい!うちの職場はとても楽しく、職会も自由な話し合いですが、東京の話を聞いておそろしく思いました。ガンバルゾ~。
◎ 立場と圧力のジレンマの中ですばらしい教育を行ったこと、感動しました。不当な圧力にめげず闘い、勝利してほしいと思います。職務命令の件、推薦書、卒業式の件など、まともな考えの人のすることとは到底思えません。教委のおかしな点など、声を大きくしていくことで世論から変えていけると思います。がんばってください。
◎ 元校長先生という立場の方で我々の活動に理解ある方がいてくださるということがわかったこともうれしく思いました。
◎ 子どもたちがいつも幸せに生きていけるように、子どもたちが自分の意志で自由に選択できるように、現場で私たちが自由に発言できる場が大切なんだなと、大変勉強になりました。
◎ 都教委ってすごいなぁ(悪い意味で)とは思っていましたが、今日のお話を聞いて、そのすごさが少しだけですがわかった気がします。生徒のためにということで、大きな敵にも立ちむかえる行動力がすばらしいです。私も微力ながら応援したい気持ちになりました。お話ありがとうございました。
◎ 土肥先生の講演だと聞いて楽しみにしていました(道新で紹介されていた本も読みました!)。もっとたくさんの先生たちにも、管理職にも聞いてほしいと思いました。「現職のうちに声をあげなければ…」という勇気のある行動に感動しました。
◎ 興味深い話ばかりで、あっという間に講演が終わってしまった感じです。言論の自由、通報制度など、考えさせられることが多いので、もっと沢山の組合員に土肥先生の話をきいてもらえたらいいなと思いました。すごく勉強になりました。
◎ 1番を「子どものため」という考えにとても共感しました。学校が誰のためにあるのか、世の中がもっと考えられたら、教育界も学校ももっとよくなると思います。
◎ 職を賭してまで、生徒のためにポリシーを貫き通した土肥先生。とても感動しました。こんな校長先生がたくさんいてくれたらいいなと素直に思いました。世の中、理不尽なことばかりですね。これからも、土肥先生の生き様を色々な人に伝えていってほしいと思います。
◎ 子どもたちからのメッセージやお話を聞いて、私も元気をもらえました。教員としてまだまだの私ですが、勇気ある行動に力がわいてきます。ありがとうございました。
◎ 改めて、正しいことを正しいと言える環境は大切だと感じました。そのためには、まずは正しいことが何かを判断できる力が必要だと思います。今日の話を聞いてパワーをもらいました。自分を見失わず、これからもがんばりたいと思います。
◎ 土肥さんの熱い話、大変おもしろかったです。最近熱い管理者、見ないですからね。管理者が熱いと、こっちも熱くなれます。内容については、ニュース、新聞で聞くことばかり、いろいろな話が次は北海道か…と、ゾッとなりました。そして、東京の話がまったく遠い話には聞こえなかった事も驚きでした。
◎ 昔の都教組を知っている身としては、一人の独裁者、石原都知事の存在だけでこうも変わるものかとつくづく情けなく思っていました。都教組を批判するのではなく、我々も通るかも知れないという、つらい現実として。講演を聞いてその感を深めましたが、一人ひとりは弱いから、皆で支え合うことが本当に大切なことだと再確認しました。本当に教師がものを言えない、教師の言論の自由がなくなれば、必ず児童・生徒の言論の自由も奪われ、日本は滅びの道へ進むと実感しました。
◎ 生徒の書いてくれた色紙、土肥さんの素晴らしさ、教育活動の信念が根づいていることを証明してくれています!!
◎ 元校長という方が組合の後援会で講演されるということは今までにないことで、大変勉強になりました。職員会議での言論の自由が弾圧されているということでありますが、十勝の学校でも、だんだんそのような状況に近づいていると思います。しかしながら、会議の時間も限られていて、また時間をとるのも大変だから、意見を言うのも面倒に感じることもあります。でも、不当な権力の行使や弾圧には闘っていかなければならないということを改めて感じました。
◎ ありがとうございました。大切なものを学ばせてもらいました。がんばってください。毎日、いろいろなことに流されている自分が恥ずかしくなりました。言論の自由ってとっても大切だと思いました。
◎ なんとなくしか知らなかった東京での様子を具体的に話していただき、とても衝撃でした。認められないものには、絶対ダメだと言えるのはとても大変なことだと思います。でも、子どものために大切なことだと感じました。
◎ 都教委の現状や私たちに勇気を与えてくれる話をユーモアを交えて話していただき、大変有意義な時間を送ることができました。ありがとうございました。

2010年9月9日木曜日

第8回口頭弁論の報告







第8回口頭弁論 ==

9月2日(木)午前10時より第8回口頭弁論が東京地裁527号法廷で 行われました。
連日の残暑のきびしさにもかかわらず、この日も傍聴席は満員でした。  
 
当日の審理
 ・原告側(土肥側)人証申請の提出 
 ・被告側(都側)人証申請の提出  
 ・進行協議の日程打ち合わせ     

進行協議(双方の証人決定と今後の審議日程確認)は11月1日になりました。
その時に次回の口頭弁論の期日も決まります。  進行協議において原告側
(土肥側)は、当事者以外3名の同席を認められました。


   報告集会(於弁護士会館5階)==

1.吉峯弁護士の解説 

これまで双方の主張を述べた書面を出してきたが、今日はその主張を裏付ける
”人”の証拠(人証)の申請をした。こちらからは13人(被告都職員4人、
教育評論家、元校長や教員など5人、生徒やPTAなど4人)。 

 東京都の方は6人の申請があった。うち2人は原告からも証人申請をして
おり重なっている。
最近は陳述書提出が主流になって、陳述書をもって主尋問にかえる代わりに
反対尋問の時間を多くとる傾向がある。こちらからは120通以上の陳述書
を出した。向こう(都側)からはまだ陳述書が出ていない。


11月1日の進行協議で証人の決定と尋問事項の確認、今後の審議の期日
を決めていく。
当方としては来年3月くらいの口頭弁論終結を念頭において進めたい。
運動と訴訟を関連づけながら、東京都の教育を変えるために皆さんと共に
頑張っていきたい。

2.高橋弁護士の解説 
 今日、生徒や保護者の方からの肉筆の陳述書122通を提出した。
これを読むだけでも土肥先生が非凡な先生だということがわかる。
裁判所もこの先生が何で不合格なのかと思うはずの有力な証拠だ。
すでに色紙を証拠として提出しているが、陳述書は土肥先生が
慕われている具体的な理由を示す資料で、あらためてすごい
校長先生だと感じた。最終準備書面でも引用していきたい。


3.土肥元校長の話
 今日はどうもありがとうございます。おどろいたのはこちらが申請した証人9人を
都側が「必要ない」と全員拒否したこと。教育の裁判で生徒の声を聞かないでどうする。

証人になるのは大変なことで、多くの方が証人に立ってくれて本当にうれしかった。

その一人、全日制の先生には僕が法令順守であることを証言してもらいたい。
定時制の先生には僕が個別的職務命令を出していないことを証言してもらうつもり。
生徒(全国大会に進出したときのサッカー部キャプテン)には僕がどういう校長
だったかを証言してほしい。きっと絶好調(校長?)と言ってくれるだろう。
保護者には僕がPTA活動に対してどういう姿勢だったかを。
中立的立場の学校連絡協議会の人が評価してくれたこともうれしい。
都立高校元校長も、「都教委が校長にどれほどひどい圧力を加えているか」を
証言してくれる予定。教員の2人には、業績評価の指導と職員会議での採決禁止
に関連して学校の実態を証言してもらいたい。

被告都職員の証人は「米長教育委員が来る」と言った張本人と、非常勤教員
採用試験の面接官だったが、拒否された。
最後に尾木先生。尾木先生の「校長が色紙をもらったことにジェラシーを
感じた」発言に「ヤッタ!」と思った。

僕のためにいろいろな人が力を貸してくださることをうれしく思う。
今後ともよろしく。


質疑応答(抜粋)
Q1
:都職員が、現職時の土肥先生に対して言ったことを「言ってない」と
証言したら、偽証罪になるのではないか? 

A1(吉峯):民事裁判は偽証だらけ。裁判所も承知の上で証人の言うことを全部本当だとは思っていない。しかし、ウソをつきとおすのは意外に難しい。そこに反対尋問の意味がある。主尋問でウソがあったら、反対尋問でその矛盾を突く。裁判官はそれを見ていて、全体で真偽を判断する。私の経験では、裁判官は意外によく見ているというのが実感だ。 
しかし裁判員裁判になると、事実認定や量刑判断に世の中の傾向が反映されやすくなる面はあるのかもしれない。

2010年7月15日木曜日

土肥元校長の講演日程(8月以降)

土肥元校長の講演日程(8月11日現在)
講演日程  (何も書いていない場合は一般参加不可です)

 8月24日(火) 小平市 (一般参加可能。 042-345-1583)
 9月 9日(木) 北海道幕別町
 9月24日(金) 北海道滝川市
 9月26日(日) 埼玉入間市 (一般参加可能。連絡先0429-32-1843)
 9月30日(木) 東京都文京区 (一般参加可能。090-4830-3540)
10月 2日(土) 東京・四谷区民ホール(地下鉄丸の内線新宿御苑前徒歩5分) 
            土肥裁判報告集会(土肥元校長の裁判を支援する会主催)
                (一般参加可能。連絡先090-5443-0782)
10月 9日(土) 町田市 (一般参加可能。連絡先042-722-4692) 
10月23日(土) 佐高信氏(評論家)との対談 東京大学農学部キャンパス予定(場所が変更になりました)
10月30日(土) 千代田区 (一般参加可能。03-3230-2166)
11月20日(土) 法政大学市ヶ谷校舎 (一般参加可能。連絡先03-5970-9890)

2011年
 7月30日(土) 広島市

土肥元校長への講演のご依頼は dohisaibansien@gmail.comへどうぞ







2010年7月11日日曜日

土肥先生の本が発売されました。

















支援者の皆さん、お元気ですか

 このたび、作家澤宮優さんが
「人間土肥信雄」を描いた

生徒がくれた“卒業証書” 
―元都立三鷹高校校長土肥信雄のたたかい
を旬報社より出版して下さいました。

 この本を出版するに当たり、澤宮優さんは「私の都教委との闘いを書くのではなく、人間土肥信雄
を描きたい。」と言われたのです。澤宮さんからそのように言われた時、私は澤宮さんに是非書いて
もらいたいと思いました。

何故私が現職中にリスクを負いながら、都教委とのたたかいを始めたのか。

それを知るために、私の生まれた時からの環境や私の生き様、そして教育者としての私の教育活動を丁寧に取材して下さいました。

この本を読んでいただければ、人間土肥信雄が、都教委とたたかいを始めた
理由がご理解いただけると思います。

 また、東京都教育委員会の実態を明らかにした岩波ブックレット

学校から言論の自由がなくなる」が昨年の岩波ブックレット在庫売り上げNO1となりました。

生徒がくれた卒業証書」とともに「学校から言論の自由がなくなる」も宜しくお願いします。

      
 2010年7月10日

                               土肥 信雄

 『生徒がくれた“卒業証書” ―元都立三鷹高校校長土肥信雄のたたかい』
    旬報社  電話03-3943-9911   (定価)1500円+税

★ 『学校から言論の自由がなくなる』  岩波ブックレットNo.749
    岩波書店 電話03-5210-4111  (定価)480円+税

    

2010年7月2日金曜日

第7回口頭弁論の報告

第7回口頭弁論 ==


6月28日(月)午前10時半より第7回口頭弁論が東京地裁527号法廷で
行われました。
傍聴42席は満員。教員をめざす大学生や教育学専攻の大学院生など
若い人の姿が目立ちました。


 当日の審理
  ・原告(土肥側)準備書面4の提出 
  ・浪本勝年立正大学教授の鑑定意見書の提出
  ・木ノ切弁護士より「準備書面4」についての説明  


    次回口頭弁論は9月2日(木)午前10時より527号法廷。

(今回と同じ)




報告集会(於弁護士会館5階)==

1.吉峯弁護士の報告と解説

 原告側、被告側からの書面の提出は今回をもってほぼ終わり、これから実質的な
主張のやりとりに入る。8月17日までに証人の人証申請を行う。通常、裁判所は
進行協議をもつのが慣例だが、今回は傍聴の関心も高く、また都教委のさまざま
な違法行為を明らかにしていく目的もあるので、公開法廷でやってもらうよう
依頼した。
今回の準備書面は、被告側準備書面(3)についての反論。例えば職員会議の
挙手・採決禁止をめぐる高橋史朗教授の文章についての都教委の主張は、
都教委が意図的に詭弁を弄している証拠である。
 浪本教授の鑑定意見書は、教育行政のあり方、教育委員会の役割、職員会議
の役割に関する歴史的な議論を踏まえて、都教委の各行為が、「(行政による
教育の)不当な支配」にあたるもので違法であるとした貴重なものである。 

  

2.木ノ切弁護士の解説 

 今回の準備書面に対しては都側も「反論しない」ということで、主張のやりとりが
終わりホッとしている。今後は、この事件のことを理解して証人になってくれる
という方が、 集まってきているので、立証の準備をしっかりやって行きたいと思う。



3.土肥元校長の話

>
 今回も意見陳述を断られたが、2回もさせてもらえるのは異例なので
しかたがない。
言いたいことは私の本人尋問の際に爆発させたい。122人もの方から122通の
意見陳述を寄せて頂き、本当にうれしい。
 また元都立高校の校長と、教員の人が証人に立ってくれることになり有難い。
 職員会議は教員にとって最高の研修の場だ。それは教育現場にいる人は誰でも
実感している。

4.浪本勝年立正大学教授の話

 これまでに裁判の鑑定意見書を何回も書いているが、今回は準備書面の中でも
きちんと言及されていてうれしく思う。
教育委員会のあり方については与謝野晶子の1919年発表の論文から書き起こした。
戦後は『教育行政の主たる役割は教育条件整備にあり、教育内容へ権力的に
介入すべきでない』との基本原理が確立された。しかし1954年の教育職員
免許法の改正により、教育長、指導主事、校長の免許状制度が廃止され、
教育長の教育専門性が軽視されていることに注目をすべきだ。教育行政機関(=教育委員会)
と教育機関(=学校)とは役割が違い、教育委員会は一定の節度をもって学校に
接するべきなのに、都教委はそれを放棄して禁じられている『不当な支配』を
恒常的に行っている。







>


5.土肥元校長について書かれた新刊書の紹介

吉峯 「大変読みやすくていい本なので、ぜひ知り合いに薦めて多くの方に読んでほしい。」
土肥 「澤宮さんの力作。人間土肥信雄を書くために私の生育環境や生き様、そして教育者
としての教育活動を丁寧に取材して下さった。なぜ私が現職中にリスクを負いながら、
都教委とのたたかいを始めたのか。この本を読んでいただければ、その理由がご理解
いただけると思う。」



質疑応答(抜粋)


Q1
この事件に限らず「何でこうなってしまったのか」という事態がすすんでいる。普通の人が声を挙げ、一歩を踏み出すとどうなるかという典型として受けとめている。これは都教委に固有の問題なのか、
それとも日本全国の問題なのか?

A1(吉峯):基本的には全国的な問題だ。しかし他県から見ても東京都(都教委)は突出している。
その東京に土肥先生のように勇気をもった人がいて果敢に闘っていることを情報発信していきたい。

Q2
都教委は職員会議に代わるものとして分掌会議があると言っているが、それでは現場の
声は間接的にしか反映されない。それについて主張すべきでは?


A2(土肥):教員の声を直接聞けるのは職員会議が一番の機会だ。個別に聞いたり、間接的に吸い上げるのは現実には無理で、そのことは当然主張していく。


Q3:

122通の陳述書提出にはどのような意味があるのか?また都側はどのような人が来たのか?

A3(吉峯):裁判は提出された証拠にもとづいて行うので、122通もの陳述書は都教委による土肥先生へのオールCの評価をくつがえす有力な証拠のはず。都側は弁護士が1人と代理人の職員2人が出廷した。



以上のほか、傍聴した学生、院生など9人に感想をもらいました。


●裁判を実際に傍聴したのははじめて。こんなに傍聴者がいる土肥先生は間違っていないと実感した。 

●教育は人が行うものだから現場が大事にされるべき。土肥先生が明るい人なので自分もそういう先生に  なりたい。

●小学生のころ、職員会議は先生方が真剣に話し合う大切な場だと感じていた。何で必要なものをなくして  しまうのか。

●今まで小・中・高には土肥先生のような校長先生はいなかった。ただ威厳があるだけの存在だった。
 ●今の先生たちに聞くと、「教育委員会の眼があって、意見が言い辛い。」と言う。若い教員が何でも  言える学校にしてほしいので土肥先生を応援している。                          
 (以下略)
                                         以上

2010年6月12日土曜日

講演日記(16) ― @ 国際基督教大学

2010年5月31日(月) 東京都三鷹市
場所: ICU(国際基督教大学) 
時間: 午前10時10分から午前11時20分まで

 今回はICUの学生が対象の特別講義でした。テーマは「教育と言論の自由」。
実はICUに私の新宿高校時代の同級生の大西教授がいて、私が三鷹高校の
校長に赴任した時、久し振りに再会したのです。 それから毎年、大西教授の
講義の1時間を私の特別講義にしてもらっているのです。

 私は現在、都教委と言論の自由をめぐって争っていますが、私自身は言い
たいことを言ってきたので、正直いって言論の自由は十分にあったと思います。
恐ろしいのは、若い人達が自由に発言できなくなってきたということです。実際
三鷹高校でも、若い先生達の発言が極端に少なくなってきたと思っていました。
したがって大学生にこの問題について考えてもらうことは、将来の日本にとって
も、とても有意義なことだと思い、毎年この特別講義をとても楽しみにしています。

今年の学生の中に都立小山台高校出身の学生がいてとても懐かしく思いました。
私は小山台高校の定時制の教頭をしていたことがあったからです。今回の講義
でも、皆が真剣に聞いてくれて、全員が素晴らしい感想を書いてくれました。
全員(約60人)の感想を載せたいところですが、量的問題もあり一部の学生の
感想を掲載しました。全員の感想を載せられなくてICUの皆さんお許しください。


講義の感想

◎ とても熱意のある講義ありがとうございました。すごく興味深かったです。
相手と全く意見が違っていても、相手の言論自体は100%保障すると言う
スタンスには、本来の民主主義の姿なのではないかと思いました。声が大き
いのも素敵です(笑)

◎ 教育の主体は生徒だ!といっていたのがとても印象的でした。もっと
もだと思います・言論弾圧にも屈せずこれだけ教育に対して熱い思いを
もっている先生はなかなかいないだろうな、だからこそ先生が先生の考え
を通して頑張ってほしいです。私は今、教師になるか迷っていますが、
教育関係の授業をとっているので土肥先生のお話はとても心に響くもの
でした。


◎ 都教委が教職員の意向の挙手採決を禁止している、ということを
知りませんでした。土肥先生の話を聞いて都教委の考えのレベルの
低さに驚きました!!批判すれば呼び出して指導したり土肥先生の
公開討論の要請に応じなかったり、何だかばかばかしいなあと思って
しまいます。先生が言うように教育の主体は生徒であり、生徒の身近
にいるのは教師です。挙手を禁止するなんて、おかしいです! 私は
教育に興味があり教職もとっているので、本当によかったです。
このような機会を設けていただきありがとうございます。色紙を見て、
先生がどれだけ生徒に慕われていたかが分かりました。

◎ 情熱のこもった大変興味深いお話しを聞かせていただきました。
ありがとうございます。様々な問題も基盤となりうる教育の場にこんな
パワフルな方がいるんだと学生の身ながら嬉しく思いました。国旗の
件など言論や行動の規制は年々この影を強めているように感じます。

◎ 職員会議の役割を奪ったり密告者や監視役が身近にいたりする
といった話は、戦前の日本がファシズム化していった過程とよく重なり
恐怖を覚えました。ただ、卒業式での国旗掲揚はなされるべきだと思って
います。もし教育現場からそのようなナショナリスッテイックなシンボルが
完全に消されてしまったら、生徒はそれについて考え、“敬礼するかしな
いか”といった主体的な選択をする機会すら失ってしまうと思います。
生徒をそのような無菌状態におくのは果たして彼らのためになるので
しょうか。

◎ 土肥先生の講義をきいて、批判能力の優れたICU卒業生は
日本社会には適応しにくいと感じた。世界人権宣言の視点からみても
教育委員の言論の自由を奪う行為はおかしいと思う。弾圧的な行為は
最終的に組織崩壊を招く要因となる。

◎ 私は将来教員を目指しているので、今日のお話を聞いて本当に
良かったです。私も教育が人を育て、国を動かす力を持たせると思い
ます。だから教育が閉鎖的であったり情報統制したり、ましてや言論
の自由が奪われるということはあってはならないと思いました。道程は
長いと思いますが、信念を貫き通してください。陰ながら応援しています。

◎ 今日まで日の丸問題や都教委の問題はあまりよく知らなかった。
都と学校行政の実態や土肥先生の裁判についてもっと調べてみようと
思う。今の話は土肥先生の側の話しか聞いてないのでどっちがおかしい
とか分からないですが、今まで全く興味がなかったのはよくなかったなあ
と思います。アメリカの国旗の問題も含めて愛国心の問題、アメリカで
重視される国に対する忠誠心の問題などもっと勉強していきたいと思う。

◎ 土肥先生は非常に情熱的で、大変おもしろい授業でした。僕も
こんな校長先生に会いたかったです。言論の自由を求めどんな障害や
天敵をものともせずに突き進んでいく姿勢には感銘を受けました。
無気力な若者が増えていると安易に批判される昨今、僕達も信念に
負けず打ち込めるものを見出したいと思います。

◎ 土肥さんのお話はとてもエネルギッシュで楽しかったです。生徒の
ために頑張る姿や生徒と交流している姿、そして生徒からもらった色紙
を見てすごく感動し、高校をなつかしく思いました。私は社会人入学した
ので高校時代はもう10年以上も前になりますが、都立久留米高校を
卒業しました。校長先生の思い出はありませんが、先生との交流が
とても楽しかったことを思い出し、土肥先生が校長だったらもっと楽し
かっただろうなと想像しました。言論の自由については、民主主義の中
での教育の現場で起きている理不尽さに驚きました。エネルギーのいる
運動だとは思いますが、先生の教え子をはじめ、たくさんの人が(私も)
賛同し支援しているはずです。頑張って下さい。ありがとうございました。

◎ 色紙をもらう校長先生は見たことがないし、ビデオにあった集会
にもあの沢山の人々が集まったということは土肥先生の人望が厚い
ことは明白だと思う。非常勤教員採用の件に関して言えば、教育委員会
だけの判断ではなく、生徒や保護者、教員やその他学校のスタッフの
意見を信任投票みたいにして取り入れるべきだと思う。


2010年6月7日月曜日

講演日記(15) ― @ 三鷹市

2010年5月22日(土) 東京都三鷹市
場所: 三鷹市市民協働センター 
時間: 午後1時30分から午後3時30分まで



今回の講演は私の地元三鷹市(?)。何故地元なのかといえば、最後の教員
生活4年間を三鷹高校で過ごし、三鷹高校サッカー部が全国大会出場時には、
地元三鷹の皆さんに、物心両面の絶大なるご支援をいただいたため、心の中
での地元なのです。

全国大会出場で、校長としての最初の悩みが財政的な問題でした。その時
三鷹市の皆さんがカンパ等で資金援助をしていただき、本当に助かったことを
今でも忘れられません。また初戦は国立競技場での対高知中央戦でしたが、
地元三鷹の多くの皆さんが国立競技場に駆けつけていただき、国立競技場を
三鷹のチームカラーの白一色に染めたことを昨日のように思い出します。
 
今回の講演で驚いたことがありました。たまたま隣に座っておられた老婦人の
ことです。始まる前に少し時間があったのでおしゃべりをすると、何と小学校の
先輩だったのです。 お話の中で、大阪の宝塚の話しが出て、阪急宝塚線の
石橋に住んでいたとのこと。私もその隣の駅の蛍ヶ池に住んでいたのです。
私の小学校は、数年前宅間が学校に乱入し、多くの児童を殺害して有名に
なった大阪教育大付属池田小学校です。その話をしたところ、老婦人も同じ
小学校で、しかもまだ師範学校時代の付属小学校だったとのことでした。
本当に懐かしく大阪時代を思い出し、偶然を感じました。


 ― 参加者の感想

◎ 孤独な戦いに立ち上がられた勇気に感動しました。先生の生き方
そのものが子どもたちへの教育になっていらっしゃると思いますし、
子どもたちだけでなく、つい易きにながれてしまう心弱い大人たち
(自分を筆頭に)にとっても大切なことを教えていると感じました。

◎ 迫力ありますね。生徒をひきつける魅力いっぱいの先生です。
人気ある先生だというのがよくわかりました。 正義は勝つ!応援します。
今、高3の娘にも三鷹高校に行ってほしかったと思いました。

◎ 「先生の授業は楽しく最高でした」と言いたくなる様な講演でした。
私も若くなって(10代に戻って)先生の教え子になりたかった。本心
からそう思います。はじめのDVDを見て「卒業証書」を卒業生から
貰ってあんなに喜ぶ校長先生の姿を見ていて、目頭が熱くなりました。
他の男性も何人か目頭を押さえている方がいました。それ程感動的でした。

◎ 都教委の小心な“指導”の詳細を知れて興味深かった。批判と反論が
ないと増長する。権力は腐敗すると確信しました。

◎ 私は鷹高の18期卒業生です。土肥先生は私達の誇りです。

◎ 言論の自由が学校現場で阻害されているのは、大変危険なことと
思います。教育委員会に対し勇気をもって反論したことは素晴らしい
ことだと思います。裁判、頑張って勝って下さることを願っています。
元気をいただいたように感じます。


◎ 「相手と100%意見が違っても相手の言論は100%保障する」
なかなかむずかしいが実行しなくてはいけませんね。

2010年6月6日日曜日

次回法廷のお知らせ

「学校に言論の自由を!」裁判!
第7回は6月28日 です!!

今回は土肥の反論と、私の支援者である浪本先生(立正大学)の鑑定意見書を提出する予定です! ぜひ、裁判の傍聴に駆けつけてください!その後報告集会も行います。(法廷の場所、時間、が変わりました)
*******************************************************************

◇東京都教育委員会(都教委)の「職員会議で教職員の意向を聞く挙手・採決を行うことを禁止する」という通知に対して、土肥元校長は『禁止によって教職員の間に自由な討論ができなくなっているとして通知の撤回を要求し、都教委に公開討論を求めてきました。しかし、都教委は応じませんでした。
◇土肥元校長は定年退職後、非常勤教員としての再雇用を希望しましたが、都教委は、それを不合格にしました。定年退職後の非常勤教員としての採用を不合格にしたのは「報復」であり、不当として、都教委を相手に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。
◇ 裁判という形で、公開討論を実現させようという「学校に言論の自由を!」裁判も7回目になりました。この裁判は教育のありようを問う重要な裁判なのです。

日時●6月28日(月)午前10時30分~
★傍聴席の定員は42名です。(法廷は変わりましたが定員は変わりません)開始時間間際ですと入れません。できれば、30分前位には、お越しください。

場所●東京地方裁判所 527号法廷


※裁判終了後、弁護士会館(502AB)で報告会を行います。
ぜひそちらにもご参加ください。
連絡先●090-5642-6304(高本)090-2780-7728(平山)                              「土肥元校長の裁判を支援する会」

2010年5月28日金曜日

第6回口頭弁論の報告

第6回口頭弁論 ==
5月27日(木)午前10時より第6回口頭弁論が東京地裁606号法廷で
行われました。
傍聴席は満員で、10人程の人が入れませんでした。この春から土肥先生が
講義をしている大学の学生も傍聴に来てくれました。
 
 当日の審理  
 ・原告(土肥側)準備書面3の提出
 ・尾木直樹法政大学教授の鑑定意見書の提出
 ・田口弁護士より「準備書面3」についての説明
 ・都側の準備書面の提出(事実関係および前回提出の西原教授鑑定意見書に対する反論)          
 
 
  次回口頭弁論は>6月28日(月)午前10時半~
     527
号法廷。
                 (法廷が変ります)



 (注:尾木直樹教授「鑑定意見書」は近日アップの予定)



   
報告集会(於弁護士会館5階)==

1.吉峯弁護士の報告と解説
 「提訴よりほぼ1年経過した。鑑定意見書を書いてくれた専門家や、皆さんはじめ多数の方の支援に
感謝したい。
  5月13日に教育関連裁判で画期的な判決があった。良心を貫く先生に管理職が不当な業績評価を
  付けることで圧力をかけるという基本的な構図は、土肥先生の裁判と同じだ。
  きちんとした主張を積み上げていけば、裁判所も公平な判断をしてくれるという好事例となり、
  勇気づけられた。
  今回は尾木先生の鑑定意見書にもとづき、準備書面を作成した。
  尾木教授の現場教員としての経験や研究活動を通じて得た、教育の臨床的知見により、教育の本質と
  教育行政のあり方を定義した貴重な鑑定書である。浪本先生の鑑定意見書も次回提出の予定。」


2.木ノ切弁護士の解説 

 都側も準備書面を出して来た。内容は
 1.事実関係の詳細 2.(前回提出の)西原鑑定意見書への反論 である。
 都側の主張は「職員会議」の位置づけに力点があり、両者の食い違いを明らかにすることで
 討論の良い機会になるだろう。

3.高橋弁護士の解説

 大嶽裁判(教員の業績評価裁判)の説明。
 
4.土肥元校長の話

 大嶽先生の裁判ではいい判決が出てよかった。鑑定意見書を3人の先生が書いて下さり感謝する。
 そして陳述書は現在までに66通も寄せてくれて、大変うれしかった。
 今心配なのは若い人たちが何も言わないこと。自分は今大学で教えているが、教育実践から理論を
 組み立てた。教育はまず生徒を信ずること。それが教育の原点で、陳述書にもその例の一件が書いてあり
 泣けた。
 しかし都教委の反論の書面を読むと気持ちが暗くなる。なぜ毎回ウソを書いてくるか。
 これがまかり通ったら 日本はどうなるか。




   
質疑応答(抜粋)
Q1:もの言わない教員がふえた発端は、校長会の解散が
 きっかけか。現場の声を伝えた校長がつるし上げにあったという話を聞いた。

土肥:
校長会とは、地区毎に校長会(任意団体)主催で開かれた会議で、そこに指導主事を呼び、校長も自由に意
見を出し、指導主事に様々な要望を出していた。ある都立高校の問題をきっかけに校長会主催の会議は中止。
都教委主催の校長連絡協議会になった。そこは完全なトップダウンだ。つるし上げではなく都教委からの圧力。


Q2:被処分者の会の原告だが、鑑定意見書には「一度も違法・違反行為をしたことがない(土肥)氏を採用しないということは、都教委による氏への一種の「いじめ」行為であり~~到底容認できるものではない。」とある。
私たちは都教委から非違行為を再三行ったとされているので、このように書かれると、私たちの処分は当然だとなるわけであり、つらいものがある。

吉峯:
当方でも同様の訴訟を手がけてきた。日の丸君が代裁判では、不当に非違行為と決め付けられて処分される基本構造自体が問題である。ハードルが高いが頑張ってほしい。
土肥元校長の裁判では日の丸君が代裁判とは立場が違うが、土肥裁判で勝つことが教育裁判全般の突破口となるのでぜひ勝たなくてはならない。

各裁判の当事者の立場からすれば、教育権の所在(国家にあるのか、国民や教育者にあるのか)については、見解の相違があり、学者の中でも意見が分かれている。公開討論などでじっくり論議すべき論点だろう。
しかしいずれの立場からみても、やはり都教委のやり方はおかしい。
                                  以上
                    (撮影:平田泉氏)

2010年5月10日月曜日

講演日記(14) - @多摩市

>2010年5月3日(日)憲法記念日 東京都多摩市
場所: 多摩市関戸公民館 ヴィータホール 
時間: 午後2時30分から午後4時30分まで


 今回、私の大好きな日本国憲法の記念日に多摩市で講演することが出来、とても嬉しく思いました。私の信条は「基本的人権の尊重と平和主義」であり、それはまさしく日本国憲法の精神そのものなのです。特に憲法第9条の平和主義は、日本が誇れる人類最高の文化であり、この平和を世界に広めることが日本の使命だと思っています。三鷹高校では、全校集会の時には必ず「基本的人権の尊重と平和主義」に関する話をしていたので、ほとんどの生徒は私の信条を知っていると思います。

 今回の集会は「音楽と講演のつどい」であり、私の講演の前にオーボエ奏者の川本真理さんの演奏がありました。正直言って、オーボエ演奏が終わったら観客がいなくなるのではないかと思い少し心配していました。驚いたことに川本さんは都立駒場高校の出身、とても親近感を持つことが出来ました。何故かというと、私は同じ2学区(学区制の頃)の新宿高校の出身で、駒場高校と新宿高校は必ず同じ日に学園祭をやって交流し、中学の友達も多くいたからです。しかもほぼ同じ年代を過ごし、平和に対する熱い思いを感じることが出来ました。 オーボエ演奏が終わっても、幸いなことに帰られる人がなくホッとしました。(笑い)

 今回の皆さんは平和への願いを強く持っておられ、学校に言論の自由がなくなると、平和そのものが危なくなるという私の主張を、うなずきながら熱心に聞いてくださいました。
 
 私事ですが、今回の講演は私にとっても忘れられない講演になりました。実は講演会の数日前に、新宿高校で3年間担任であった恩師の佐藤喜一先生から「聖蹟桜ヶ丘駅は自宅から歩いて15分位なので、講演聞きに行くよ」と電話がありました。佐藤先生は国語の先生でしたが、私は理系で国語が大の苦手、特に古典は全然ダメで、佐藤先生にコテンパンにやられました。(わかるかな?このダジャレ)
 
 その佐藤先生から講演後お手紙をいただきました。『昨日はご苦労様! 話、良かったよ。学者らしくないのでいい。自分の体験を情熱的に語る、それがいい。俺は文句なくオールAをつけます。』新宿高校卒業後40数年にして、国語の佐藤先生からからようやく及第点がもらえました。私は佐藤先生の評価を信じたいと思います。(とにかく都教委はオールCなのですから)


参加者の感想

◎ 土肥さんの話に涙が流れて仕方がなかった。本当の感動をもらいました。
◎ とてもよかった。「戦争の準備は教育から」と実体験した80歳まじかの人間ですから今回の企画に感謝します。
◎ オーボエ&ピアノの演奏良かったです。土肥さんのDVD・講演ごちそうさまでした。教育と言論の自由と平和のために学校にも言論の自由必要ですね。
◎ 教員が土肥先生みたいな方ばかりだったら 子ども達は本当に幸せだと思いますが・・・。勇気と正義感ある先生に直接お会いできて感激です。すばらしい一日でした。
◎ 土肥先生の話 はじめて聞きましたが、都の教育現場での実態がよくわかって本当によかった。
◎ 昭和を生きた人間として、教育の自由がいかに大切かということは身にしみて分かっている筈ですが、現実に教育の現場がどうなっているのか積極的に知る努力をしないと、簡単に逆戻りする危険があることを強く感じました。

2010年4月17日土曜日

大学生の感想

4月から嬉しいことが始まりました!

立正大学と法政大学の授業開始です。
教壇に立つのは1年ぶり、学生とのやりとりが楽しくてたまりません。
立正、法政共に最初の授業をやりましたので学生の感想文も含め感想を書いてみました

◎ おひさしぶりです。卒業して3年経ってからまさか大学で校長先生の授業が受けられると思いませんでした。相変わらず元気そうで良かったです。授業の方も高校の時と変わらぬスタンスでしかも教育の大切さが良く伝わる内容でした。これからも半年間よろしくお願いします。

◎ 先生の授業とっても楽しかったです。私は中高の免許がとりたいので先生の話を聞きながら、自分の将来を考えて楽しみになりました。先生の実体験を聞いたら感動して泣きそうになりました。これからよろしくお願いします。

◎ 最初はギャグばかり言っていて心配になりましたが、聞いていくうちになかなか熱い先生だと分かり、科目名の「教職入門」に合った授業が受けられそうで安心しました。

◎ テレビで見たことがあるのでまさかと思ってびっくりしました。とっても熱い先生で楽しいので楽しいタメになる授業期待しています。

◎ 先生のおっしゃることには正論が多いと思いますが、一部は私とは違うものもありました。その疑問が解けるように、半期勉強したいと思います。

◎ 久々というか、初めてに近い「考えさせられる授業」というものを受けました。正直、土肥先生の授業を受けれるというのはラッキーだと思いました。楽しく、寝るのがもったいない内容でした。

◎ エネルギッシュな授業でとても楽しかったです。私は教職をとるか迷っているのですが、先生の授業は面白くて是非とりたいと思いました。動物と人間の話や人間の評価どれも興味深かったです。

◎ 大学に入ってから初めて、90分間集中して授業を聞けました。これからもよろしくお願いします。

◎ 今日の授業、とても楽しかったです。自分は社会人としての経験もあるのですが、学校においても社会においても、結果だけを評価するという考え方が好きではないので充実した授業になりました。

◎ 熱い先生が昔から苦手だったが、土肥先生はすごく面白かった!授業も実際の経験を話してくださるので、納得できてとてもタメになった。わかりやすく教えてくださるので次回が楽しみです。

◎ 平等な社会を人間は目指しているが、会社とかは実力主義なため全然平等ではないため、少しむじゅんしていると思った。だが、これは平等だけがすべてではないのだと思う。




上記の感想文は、私がこの4月から立正大学(生活指導の研究・約20名)と法政大学(教職入門・約120名)で教えることになり、最初の授業に対する学生の感想文の一部です。
嬉しいことに、三鷹の卒業生もいて私も感激しました。(最初の感想文)
昨年4月三鷹高校を退職して、全国各地での講演会そして裁判を通して多くの方と知り合い、多くの方に応援してもらい、寂しさは全くありませんでした。ただ私として少し残念だったのは、生徒(子ども)と接する機会がなくなったことでした。その中で昨年ICU、文教大学、獨協大学、立正大学で特別授業を行った時の楽しさは忘れられませんでした。幸いなことに、4月から非常勤講師として勤めることになったのです。
「捨てる神あれば、拾う神あり」私の今の実感です。世の中、悪い人たちだけではないのですね。人間の優しさを感じることが出来ました。
私は今、「学校に言論の自由を求めて」闘っていますが、正直、私自身の言論の自由はほぼ保障されてきたと思っています。私が心配するのは、若い人たちの言論の自由がなくなってきていることです。言論の自由がなくなれば生徒のためにも、日本のためにも絶対に良くないことを授業を通して教えていきたいと思っています。
感想を見ると、かなりエキサイトして授業をしているようです。やはり久し振りの授業で興奮しているのでしょうかね?しかし私のギャグはどこでも止まらないようです(笑い)
これからも時々学生の授業の感想等、授業の様子を知らせたいと思います。

2010年3月15日月曜日

第5回口頭弁論 「私の思い」

3月11日の第5回口頭弁論で、土肥先生は意見陳述を希望しましたが、裁判官は
認めませんでした。ただし裁判の節目、節目で意見陳述の機会をもうけるとの
ことです。以下に当日、土肥先生が予定していた陳述内容を掲載いたします。


第2次世界大戦の大きな過ちを犯した日本は、その反省のもと、日本国憲法の前文に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」と不戦の誓いを述べ、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三原則としたのです。
戦前においても、多くの人が戦争に反対だったと思います。しかし何故第2次世界大戦を止められなかったのでしょうか。それは言論の自由がなかったからです。私が大学生の頃、母に「どうして戦争反対と言わなかったのか」と詰問したことがあります。母の答えは「信雄、言いたくてもいえない状況だったのよ。多くの人は戦争反対だったと思うけど、もしそれを言ったら命がなくなるのよ」でした。戦前においては治安維持法により、言論弾圧が行われ、死を覚悟して戦争反対をいわなければならない状況だったと思います。戦争反対を言うことは非常に勇気のいることであり、それを言えなかったことについて私も理解しました。
言論の自由が保障されていれば、戦争は起こらなかった可能性が強く、日本の歴史は大きく変わっていたと思います。
そして戦後多くの人が「あの時戦争反対といっていれば」と後悔したのも事実だと思います。それ故に、私は憲法の三原則の中の基本的人権の一つである言論の自由の保障がとても重要であると思っています。
その言論の自由が、教育の現場でなくなる可能性があるからこそ東京都教育委員会(都教委)を訴えたのです。しかも現在は戦前と違って言論の自由は保障されているはずですから、命を賭ける必要はありません。私の場合でも職を賭けたのであり、命の重さに比べれば、比べ物になりません。「あの時、都教委を訴えておけば」という後悔だけはしたくなかったのです。
現職中に都教委に何度も公開討論を要求しました。どちらが正しいか、都民、国民の皆さんに判断していただきたかったのです。しかし残念なこと都教委は公開討論に応じてくれませんでした。やむを得ず裁判に訴え、口頭弁論という公の場で公開討論をしているのです。
私も、都教委も子どものために全力をつくしています。したがってお互いにそれぞれの主張を出し合って、判断してもらえば良いのです。
しかし、都教委の反論(準備書面)を見ると、事実と違うことが書かれています。お互いが主張するにも、その前提は「事実」から出発すると言うことです。「事実は一つ」であり、その事実にもとづいて主張すべきではないでしょうか。
一例を挙げます。私は密告により間違いなく3回指導を受けました。3回目の指導では参事の新井氏が「教育委員の米長氏が近々に三鷹高校を訪問します。」と私に伝えたのです。それが都教委の反論では、指導は2回だけで、3回目の「米長氏が行く」指導は記録になかったとなっています。絶対に許せません。何故3回指導を行ったと言わないのですか。「かくかくしかじかの理由で米長氏が三鷹高校に行って土肥を指導するのです」と、正々堂々と言ってください。私はその時「是非来て下さい」と答えました。なぜなら私は、私の教育実践に自信を持っていたので、米長氏に是非私の教育実践を見ていただきたかったのです。教育の現場においては子ども達に「嘘をつくな」と教えています。「嘘つき」は教育関係の仕事に携わってはいけないのです。
事実は一つです。都教委も事実に基づいた主張をして下さい。私の願いは、ただその一点です。

2010年(平成22年)3月11日
土肥 信雄

2010年3月13日土曜日

第5回口頭弁論の報告

3月11日(木)午前10時より第5回口頭弁論が東京地裁606号法廷で
行われました。
傍聴席は、今日も満員。土肥元校長の教え子の姿もありました。
 
 当日の審理は
 ・原告(土肥)準備書面2の提出
 ・西原博史早稲田大学教授の鑑定意見書の提出
 ・木ノ切弁護士より「原告準備書面2」についての説明
          (特に西原教授の鑑定意見を中心に)
 
 
 土肥先生は意見陳述を希望しましたが、今回は認められませんでした。
 口頭弁論は約15分程で終了。
 次回口頭弁論は5月27日(木)午前10時より606号法廷。



 (注:西原教授「鑑定意見書」へのリンク先は本記事の最下段にあります)



   
>報告集会(於弁護士会館5階)==

1.吉峯弁護士の報告と解説
 「西原教授の鑑定意見書は水準の高い素晴らしいものだ。教育委員会、校長、
 現場の各立場の 権限が、子どもの教育権の観点からどうとらえられるかを
 提起した。各権限の関係について先例的な意義がある。裁判所側も関心を示して積極的な対応をし
てくれている。
  浪本先生、尾木先生の鑑定意見書も次回提出の予定。」


2.高橋弁護士の解説 
「原告準備書面2は2つの部分から成っている。
  
都教委側の準備書面に対する反論
Ⅰの反論では、原告側は新たな主張はない。都教委が消滅事項だと言っているのは
  時効権の乱用である。

Ⅱの西原鑑定意見書では次の2つの論点を述べている。
  
 論点1.土肥先生の表現の自由への侵害

職員会議での挙手・採決禁止への反対は「公的表現行為」である。
教職員の業務評価への問題提起(守秘義務違反とされたが)や
批判も「公的表現行為」である。
 
論点2.校長としての独立した職務権限への侵害

校長は教育と教育行政の二元性がある。
  教育行政権限のみ持っている都教委が教育についてまで権限を行使しようとしている。

3.木ノ切弁護士の解説 

 都側の準備書面は今までの繰り返し。都側の主張する「企画調整会議」の位置づけ
は机上の空論である。原告側は形骸化の事実を示していく。

高橋史朗氏の引用も言葉尻だけを都合よく取り出している。現実がわかっていない。


4.土肥元校長

都教委に「ウソをつくな」と言いたい。例えば「米長が三鷹へ来る」と
いう3回目の指導はなかったとウソを言う。事実にもとづいて議論をしたい。

都教委は職員会議を伝達の場にとどめようとしているが、職員会議は教員との
最大のコミュニケーションの場だ。全く現実を知らない。
具体的根拠を欠いているのは都教委の方だ。
   
>質疑応答(抜粋)
Q1:都立の教員で今年定年だが再雇用試験で不合格になった。組合でも取り組まない

。業績評価はデタラメだ。そのことで苦情申し立てを3回行ったが全く意味がない。

吉峯:身分に関する差別が一番悪質な差別だ。都高教が取り上げないのは疑問。
土肥:苦情処理の行き先は学校経営センターで、行政の身内同士。
第三者機関ではない。まともに審査するはずがない。

Q2:たとえ職員会議がなくとも企画調整会議がきちんと機能すればいいということに
ならないか?
土肥・吉峯:それでも職員会議は必要。トップダウンとボトムアップの両方が
機能しなければ。

Q3:裁判に勝つには、はば広い支援が必要だが、この支援運動の反応は?
土肥:講演するたびに、どんどん支援者が増えている。特に東京の実態は
全国に波及するので、非常に関心が高い。 岩波ブックレットも
昨年のブックレットの中でベストセラー(第7位)になった。

Q4:保護者と教師が子どものいのちを守る活動をしている。最近仲間の教師が
どんどん飛ばされている。たった2年で異動とか。都教委の人事権乱用に対して、
できることはないか?
吉峯:都知事を代えることですね。

Q5:この裁判で裁判所は憲法判断に踏み込もうとしているか?
吉峯:こちらとしては憲法にもっていきたい。鑑定意見書提出を受け付けるという
ことは、裁判所側でも憲法判断を選択肢としてもっているということではないか。

                               以上 

                           報告会参加は約50人

(西原博史教授「鑑定意見書」へのリンク先 =>学校に言論の自由をもとめてブログ)

2010年3月6日土曜日

講演日記 - @横須賀

講演日記(13)

2010年2月26日(金) 神奈川県横須賀市
場所: ヴェルクよこすか 
時間: 午後6時30分から午後8時30分まで


 今回の講演は、2000年12月に横須賀市の弁護士、学者、労組役員OB等が
呼びかけ人となり地元の平和を求める市民団体32団体と27名の個人が立ち上げ
た「教育の場における【思想・信条の自由】を考えるつどい」実行委員会が主催
する第10回目の集会でした。講演の依頼は実行委員会参加団体の(さんきょうそ)
からでした。三教祖の正式名は三浦半島地区教職員組合です。私にとっては忘れ
られない名称です。私が教員として出発したのが、神奈川県寒川町の旭小学校。
その地域の組合が湘南地区教職員組合(寒川町、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市)。
この湘南教組と三教組は、神奈川県教職員組合の「でべそ」と言われ、神教組の
中の暴れん坊として有名で、とても仲が良かったのです。
 その意味で忘れられないのです。
 とにかく神奈川は様々な問題で東京の追随をしているため、東京の動向に非常
に敏感になっていることが感じられました。特に「日の丸・君が代」については
不起立教職員名の収集に対し第3者機関である「個人情報保護審査会」が不適当
であると答申したにもかかわらず、県教委は氏名収集を継続するという異状な
状況だからです。したがって私の講演内容に非常に興味を持っていることがひし
ひしと伝わって来ました。とにかく都教委の暴走を食い止めないと大変なことに
なるという思いと、絶対に裁判に勝たなければならないという強い意志を持つ
ことが出来ました。
 講演が終わった後の懇親会も、楽しい時間をすごすことが出来ました。
 皆さんありがとうございました。
                               

参加者の感想

◎自分の組合が争議団等のかかわりで「日の丸・君が代」処分の先生との交流があり、都庁へ行って教育委員会の申し入れや要請の大衆団交にも参加したことがあります。その際の教育委員会代表(広報課長ら)の対応にはあきれてどなりつけたほどです。

◎土肥先生の子どもを戦場に送らないために言論の自由をまもるという筋の通った生き方に感動いたしました。先生お一人をりっぱだと感心してばかりでなく、より多くの人間が後に続かなければいけないと思いました。

◎以前、偶然、土肥さんが出ているテレビを見て、今回の講演をとても楽しみにしていました。教育者に必要な勇気を分けてもらえたように思います。応援していますので頑張ってください。

◎「日の丸・君が代」に対する思い・考えが自分自身には特になく、まずは学ぼうと思い本日の会に参加させていただきました。土肥先生のお話を聞き、上からの強制をされていくということが自分や職場の意欲を無くさせていくことにつながる恐ろしさがよくわかり、良い勉強になりました。

◎若い組合員が増えています。もっとたくさんの人たちの集まる集会であったらよかったと思います。また、未組の人たちにも聞いてもらいたい話でした。今日のDVDは以前テレビで見ました。土肥先生を三教組としてもっと支援していいのでは?新しくやってきた校長が卒業証書授与を壇上に戻そうとしています。職場会で意思統一をはかり、がんばります。

◎校長の立場でこのような考え方の人がいることを新聞で見て驚き、現場の教職員がエールをもらった気がしました。その方の講演を本日聞くことができ、とてもよかったです。  勇気と元気をもらいました。ありがとうございました。

◎もともと興味があったので参加しました。明るく元気で話が明快な土肥さんのファンになりました。学校現場のあり方について考えるよい機会にもなりました。神奈川も東京のようにならないか心配です。岩波の本を買い、職場のみんなにも話して話題にしていきたいです。今後の土肥さんの活動に注目していきたいです。日頃の疲れも吹っ飛ぶ楽しいお話でした。

◎土肥先生のお話を聞けて良かったです。言いたいことを言えない人が多い中、すばらしいですね。子どもたちのため、教員のためがんばって下さい。お身体に気をつけてください。

◎抵抗する教師の存在が生徒への最高の民主主義の教育。その教師が抑圧されない社会が民主主義社会、こういう社会の回復をしない限り、教育は空洞化する。すでにこれははじまり若者の学習意欲は減退している。日本がこのままでは崩壊する。

2010年3月4日木曜日

講演日記(12) - @世田谷

2010年2月24日(水) 東京都世田谷区
場所: 世田谷区役所ブライトホール 
時間: 午後6時30分から午後8時30分まで


 今回の講演は世田谷区の職員の皆さんを対象にした講演でした。
私は中学2年の時、父の勤務の関係で下北沢に転居し、
世田谷区立富士中学校に転入し卒業しました。その意味で
世田谷区は私にとっては思い出のある場所です。
 講演でも話しましたが、初めて東京に出てきた時、渋谷駅で
地下鉄が一番高いところにあるのを知って驚いたことをよく
覚えています。地下鉄は地下にもぐっているもんだとばかり
思っていましたので・・・。
 それと講演会に、私の後輩となる富士中の卒業生がいらしており、
本当に懐かしく思いました。ただ世田谷区役所が、松陰神社前に
あるとは全く知りませんでした。てっきり小田急線か京王線の沿線に
あると思っていました。

 講演している間、ほとんどの人が東京の教育(特に都立高校)の
実態について信じられないような表情で真剣に聞いてくださいました。
 世田谷の講演会でとても印象に残ったことがありました。講演後、
一人の若者が来て「私は某都立高校の出身ですが、校長は生徒の意向を
全く無視して、強引に私服を制服に変えました。」と語ってくれました。
とにかく「職員会議で教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止」以降、
校長の独裁的学校運営の傾向がとても強くなっている証拠だと思います。
権力ある都教委に対しては何も言えないのに、自分より弱いものに対し
ては、有無を言わさず従わせる、本当に卑怯です。私が恐れていることが
現実に起こっていることを知らされて、ますます裁判を通して今の東京の
教育の現状を変えなければならないと思いました。


- 参加者の感想 -

◎いつもゆとりがなく、自分の事ばかりで精一杯の生活をしていますが、
先生の話を聞いてまだ真の考えを持った教育者がいることがわかり、
とてもうれしかったです。社会的リーダーがこれからどんどん増えて
いき、良い社会になるようにみんなで支えあっていくことがとても
大事なのだと思いました。

◎都の教育委員会が、言論の自由を制限してことをはじめて知り、
とても驚きました。“教員の自由な発言なくして生徒の幸せはない”
という熱い思いが印象的でした。

◎市民的成熟のない現代人にとって(私も)今夜の講座は制裁を
受ける1人の人間の闘いについて考えさせられた。絶望的な現代社会
に慣れている私たちは、このような先生を強く支援していきましょう。

◎「学校は生徒のためにある」「生徒のことを1番良くわかっている
のは教師だ。」教育や子どもの未来を本当に真剣に考えていて自分の
職で失っても、闘い続ける姿勢はすごいと思いました。子どもが先生
の考えを良く理解している点も、今までの実績で素晴らしいと思います。
メディアも利用し日本中にどんどん活動を広げてほしいです。
生徒さんの色紙を見せて頂き、子どもの心に自分の考えをきちんと
主張するということや、基本的人権、平和主義の考えがしっかり根付いて
いると思いました。

◎DVDから土肥校長先生の教員生活の様子は、この時代にこんなにも
生徒と近く生徒を大切におもい、情熱を傾けている先生がいらっしゃる
ことに驚きました。そんな先生と過ごせた生徒は、幸せだと羨ましく
思うと同時に今の都教委はどうなるのか不信感でいっぱいになりました。
そしてこれからの生徒にとっても、これからの全ての子どもたちのために、
ひとり一人の人権が尊重される社会をという想いが印象的でした。
色紙に書いてあった社会的リーダーの話も最後に聞けてよくわかりました。

◎“色紙”の中に、先生のやってきたことの全てが詰まっていると感じた。
とても有意義でした。ありがとうございました。

◎区民のための良き職員であり、良き組合員として働くべきであるという
ところ。

◎「1人1人の基本的人権の尊重」「平和」は、私が仕事をしていく上
でも大切なことだと思っています。今年度やっと実現して都立高校の教師に
なった息子は、授業の中で憲法9条について話しているようです。
これから卒業式があります。高校生の時の野球大会で立たなかった息子ですが、
はたして…。がんばってください。

◎先生がものを言えなくなると、生徒の人権が壊されてしまう-これは本当に
その通りだと思います。私は実は去年都立高校を卒業したばかりです。
私のいた高校では、都教委の言いなりの校長のもと、恐怖政治が行なわれて
いました。私が生徒の人権を盾にして、教員や校長と対立していくと、
「生徒に人権などない」とズバリ言われてしまいました。この先の社会は
そうあってほしくないです。

◎温かい土肥先生の姿に胸に熱くなりました。子どもと子どもの育ちに
携われる仕事をするものとして「人権を守る」ということは大切なことです。
我がことに必死になってるのではなく、子どもたちのために本質を見失わない
でいられる先生がそばにいた。これは子どもの育ちにとって、素敵なお手本に
なったと思います。私も都立高校出身ですが、生徒が自由な発言、行動する
ことが守られてきました。その先生たちが、発言が自由にできないなんて
不自然です。「生徒が主体」を貫けた愛が一番印象に残りました。

第5回口頭弁論は 3月11日!

「学校に言論の自由を!」裁判!
第5回は 3月11日 です!!

今回は都教委の不当な反論に対する私の反論を展開します! 
ぜひ、裁判の傍聴に駆けつけてください!
********************************************************************************

◇裁判という形で、公開討論を実現させようという「学校に言論の自由を!」裁判も5回目になります。この裁判は、教育のありようを問う重要な裁判だ!と各方面から注目を集め、毎回、法廷に入りきらないほど大勢の方々が支援の傍聴に駆けつけてくださっています。

日時●3月11日(木)午前10時~
★傍聴席の定員は42名です。開始時間間際ですと入れません。できれば、30分前位には、お越しください。
場所●東京地方裁判所 606号法廷
※裁判終了後、弁護士会館(502A・B)報告会を行います。
ぜひそちらにもご参加ください。

連絡先●090-5642-6304(高本)090-2780-7728(平山)

2010年2月24日水曜日

講演日記 ― @福岡

2010年1月30日(土) 福岡県福岡市
場所: 全労済モルティ天神ビル 
時間: 午後2時から午後4時まで


 私にとって初めて訪れる福岡市での講演会でした。福岡市立の高校の
先生方を主な対象にした講演会です。講演の依頼が来たのは何と昨年の6月。
東京から遠く離れた福岡の人が、よく私のような者を講演者として呼んで
くれるなと思いました。

 そして福岡の講演会で最高に嬉しい出来事があったのです。
始まる直前になって会場に入り、前を見ると若い人がいるので
福岡では若い先生も講演を聞きに来てくれるのだと思った瞬間、
何とその若者は私の教え子の久宗君だったのです。本当に驚くとともに、
とても嬉しかった!久宗君は昨年の三月、私とともに三鷹高校を卒業し、
現役で九州大学に合格し福岡で暮らしていたのです。
 最初に私の教育活動を撮影したDVDを上映した後、早速久宗君に
卒業証書を読んでもらい、手渡してもらいました。その後、彼に
私のポリシーはと質問しました。
もし答えられなかったら卒業証書を返してもらって、九州大学入学も
取り消しだ!(笑い)。久宗君は基本的人権の尊重と平和主義
即座に答えてくれたのです。このこともとても嬉しかったのです。

 土曜日の休日にもかかわらず、講演会には予想を上回る人が参加し、
真剣に聞いてくださいました。私は小学校の教員の経験があるため、
講演中に手を挙げさせたり、質問したりするのでびっくりされたと
思います。質問した時に恥ずかしそうに答えて下さった方の表情が
忘れられません。きっと、どきどきしながら答えられたのでしょうね。

 講演が終わったあと、多くの人から「講演はとてもよかった」と
言われ、正直ほっとしました。講演の後の懇親会でも教育の問題で
盛り上がり、楽しい時間をすごすことが出来ました。

 次の日は世話役の方が、大宰府や福岡の街を案内してくださり
とても楽しい福岡講演旅行となりました。
福岡の皆さんありがとうございました。

参加者の感想

◎先生の話を聞いた後、学校で見える景色がかわったような気
 さえします。生徒とのコミュニケーションを大切にしていきたいと
 強く思いました。裁判頑張ってください。

◎市立4校の校長を含め、全職員に講演を聞いてほしかった。
 職員会議は最高の議決機関とすること、又労働組合は必要です。
 基本的人権と平和主義の大切さを聞き、感動を覚えることが出来ました。

◎とても話が上手で引き込まれて聞きました。たった一人で本当に
 頑張っている人がいるんだなあと感銘しました。これからも頑張って
 活動してください。応援しています。

◎教育者の良心に忠実に行動される土肥先生に心から感動しました。

◎都教委の言論統制の実態がよく分かるお話でした。そしてあらためて
 組合の存在意義を確認することが出来ました。

◎市立4校の活性化を考えるのであれば、形式的ではなく、人間的に
尊敬される人材を管理職にしていくのが早道ではないかと思う。

◎本来、円滑な学校運営とは職員が自由に議論を尽くして、納得して
 結論を出し、それを校長が尊重することによってなされると思います。
 先生の裁判、陰ながら応援しています。頑張ってください。

◎真の管理職は生徒に目線を向けるべきで、生徒をちゃんと見ていれば
 教師と繋がっていくと私は考えます。私は先生の教育理念に同調し、
 先生の勇気や、権力に屈しない強さ迫力に、ただただ敬服いたします。
 先生の教育への情熱を若い人たちに引き継がなければならないと思いました。
 非組(合員)の若者にも先生のような管理職がいらっしゃったことを
 伝えていきたいと思います。
 

2010年2月13日土曜日

講演日記@桐朋学園

2010年1月23日(土) 東京都国立市
場所: 桐朋学園 (桐朋中学校・高等学校)
時間: 午後2時から午後4時まで

 今回は国立市にある桐朋学園(桐朋学園小学校・中学校・高等学校)の
先生方に招かれて講演を行いました。(組合の研修会)
 
 最初の講演依頼のメールが来た時、私は今でもこのような民主的な学校が
あるのかと驚いたのです。何を驚いたかというと、校長は教職員の選挙で
選ぶということでした。まさに私の理想としている学校だったのです。
 本来教育は意見の相違はあっても、校長、教職員が一体となって教育活動
をすることにより最大の教育効果が発揮できると思っていたからです。
 
 今の都立高校の実態はそれとは大きく違うが故に、講演をするとともに、
桐朋学園の様子も知りたいという思いもありました。

 やはり違っていました。講演の最初の方で、校長先生が講演会に参加して
いることがわかったのです。しかも参加していても全然違和感はなく、
まるで都立高校とは違いました。
 桐朋学園の先生方にとって、今の都立高校の実態は信じられない話ばかり
だったようです。講演の途中でしばしば桐朋学園のことを聞くと、まるで
都立高校とは違い、職員会議では当然自由に発言し、民主的に運営されて
いるようで、羨ましい限りでした。
 
 私の講演が終わった後、皆さんとフリートーキングをした時、ほとんどの
人が「東京都の実態を初めて知って驚いた。職員会議で自由に発言することは
あたりまえだと思っていた。」と語っていました。私は「そのような民主的な
学校運営を絶対続けてほしい。教育の主体である生徒のために汗をかいてほしい。」
と発言し、最後に「優秀な人材がいる桐朋学園だからこそ他者、特に社会的弱者に
対する配慮が出来る社会的リーダーを育ててほしい。」とお願いして講演会を
終わりました。
 その後の有志による反省会でも教育問題で大いに盛り上がり、終わったのは何と
午後9時半!帰宅したのは午後11時でした。本当に楽しい講演会&反省会でした。
桐朋学園の皆さんありがとうございました。





参加者の感想
◎人事権を盾に行われる実質上の言論統制。「業績評価」があるために拘束される自由な発言。都から派遣される役人による無言の圧力。実際にそれを体験した土肥先生の口から紡ぎだされる言葉の数々はとてもリアルで、平穏無事に暮らす自分にとってはショッキングなものでした。それでいて、土肥先生はそんなシリアスな事件をとても面白おかしく語って下さいました。それは、都教育委員会の弁明があまりにも不体裁で、公の場でこれらの実態の是非を問えば、どちらが正しいかなどは明白だからだと思います。

◎たった一人で都の教育委員会に異議を唱えた人、とはどんな人なのか(失礼ですが)と思って出席しました。が、お話を伺って、ほんとうに信念のある方で、子ども達のことを思っている先生なのだ、ということがよくわかりました。トップダウンではない桐朋民主主義をもう一度見直して、みんながそれぞれの責任を果たし、子どもたちにとってもよい学校であるようにと思いました。

◎公立高校でのヒエラルキー、権力構造と、その中での業績評価をおそれて、余分なことはせず、自分の仕事だけをたんたんとこなすだけの教員が多くなっている、という話にも愕然とした。その一方で、「組合員が生徒のために汗をかかなくなった」という話もあった。何よりも、「生徒のため」に、「言論の自由」と「平和主義」を実践する土肥先生だからこそ、その言葉に力がある。遠く及ばない自らのあり方を考えさせられた。残された桐朋での時間、少しでも今日の経験を生かせるようにしたい。

◎登校してくる生徒達に、名前を覚えたいというお気持ちから、毎朝声をかけていらしたそうですが、朝から声をかけてほしくない生徒もいるだろうとわかっていらっしゃる上でなさっているところが素敵だなあと思いました。生徒達に、自分の考えを言いなさいと伝えてきたことを、保身のために裏切らないという姿勢、そして、反論や批判も受け止めた上で、少数派に怯まず、評価におびえないという姿勢は、人間として誠実な生き方であり、それを示すことは何よりの教育だと思います。土肥さんの生き方に共感するのは簡単なことですが、では、自分は何をしていくのか、自分自身の課題をいただく機会でした。

2010年2月11日木曜日

2.6集会資料 ご希望の方に差し上げます。

さる2月6日開催いたしました
 「モンスター都教委さま、裁判へようこそ」集会で、
配布しました資料ですが、
  いつも集会後もご希望の方がいらっしゃるため
 今回は多めに印刷いたしました。
 
遠方やご都合などのため集会においでになれず、
資料送付をご希望の方は、
 メールで、
ganbaredohi@yahoo.co.jpまたは
dohisaibansien@gmail.com へ
 ご氏名と郵便番号、送付先住所をお知らせください。

 <資料内容>

 1.プログラム
 2.裁判の経過報告(吉峯弁護士)
 3.土肥裁判の損害賠償対象の人権侵害について
   (裏面【解答乱麻】高橋史朗氏)
 4.非常勤教員採用選考推薦書兼業績評価書
 5.国民の教育権からみた職員会議の役割(醍醐教授)
                      他

2010年2月7日日曜日

2.6集会成功!ありがとうございました。


2月6日に開催いたしました「モンスター都教委さま、裁判へようこそ」集会は
300名以上のお客様にご参加いただき、予定どおり終了いたしました。

ご参加くださった方、ご支援くださった方、お世話になった方、

見守ってくださった方、
本当にありがとうございました。






寒風の吹く中、会場外でお待たせしてしまったお客様には
まことに申し訳ございませんでした。



アンケートの声もおおむね好評で、内容的には”よかった”
という回答が86%を占めました。

詳しい会のもようは、これから活字に起こして、お伝えしていく予定です。


土肥元校長の裁判を支援する会

2010年1月24日日曜日

講演日記@稲城市

2009年12月19日(土) 東京都稲城市
場所: 稲城市立iプラザホール 
時間: 午後1時30分から午後2時40分まで

 今回の講演は今までと違って、私の講演と中川美保さんのサクソフォンコンサートとのコラボレーション。私の講演が前でよかった。中川さんのコンサートの後だったら観客が誰もいなくなるところでした。(笑い)

私は正直言って昔から音痴で音符も読めず、音楽はからきし苦手でしたが、中川さんのサクソフォンの演奏には聞き入ってしまいました。やはり生演奏は素晴らしいですね。中川さんありがとうございました。
 
私が商社を辞めて先生になった大きな理由の一つが、憲法第9条による日本の平和を永遠に続けるために、未来を担う子ども達にこの平和の思想を伝えたかったからです。商社に勤めていた頃、海外に駐在したほとんどの人が「本当に日本は安全な国だ」と言っていました。特に女性が「アメリカなんか夜一人では歩けない」の言葉が印象的でした。小さな頃から徹底的な非暴力主義だった私は、憲法第9条の理念は人類が創り出した最高の文化だと思っています。
日本が世界に誇れるものは科学技術、勤勉性等さまざまありますが、なんといっても第一は憲法第9条による平和です。この平和こそ世界中に広めていく責務が日本にあるのです。日本の世界に対する貢献は、人間の命を奪うために汗をかくことではなく、人間の命を守るために汗をかくことなのです。即ち、戦争に加担するのではなく、災害救助に汗をかくことが日本の使命だと思っています。
 そして人類最悪の文化が戦争です。戦前の日本を見れば明らかのように、言論の自由がない社会は独裁国家となり、戦争への道へと歩んでいくのです。特に教育の現場で言論の自由がなくなったとき、平和な国家はありえないのです。戦前の教育を反省した教職員の「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンはいつまでもその輝きを失ってはならないのだと思います。
今回私が東京都教育委員会(都教委)と闘っているのは、実際に私自身が言論弾圧を受け、東京都の教育の現場で教職員が自由に物を言えなくなってきているからなのです。
今回の講演で私自身に対する言論弾圧だけでなく、生徒の掲示物に対する言論統制、教員に対する言論統制について話しました。戦前を思わせるような都教委の非常識な言論統制に、集会に参加した皆さんは信じられないような表情で真剣に聞いてくださいました。本当に楽しい講演が出来、どうもありがとうございました。
 
最後になりましたが、若葉台は私にとっても忘れられない場所です。今から約30年前、都立小川高校(町田)でサッカー部の顧問をしていたときに稲城高校(現若葉総合高校)にサッカーの練習試合に来たことがあります。その時は周りには何もなく、吹きさらしのグランドで、えらい田舎の学校だなと思いました。今回講演した稲城市立iプラザホールを初め近代的なビルが立ち並んでいるのを見て驚くとともに、私も年を取ったんだなとため息が出ました。

参加された皆さんの感想
◆東京都の石原知事、教育委員会の実態を一層明らかにし、前近代的な動きに早く歯止めを! と強く思いました。
◆黙っていたら本当に恐ろしい言論弾圧、よく立ち上がってくださいました。二度と戦前のようにならぬよう、国民一人ひとりが考えていかなくてはいけませんね。自由の侵害に敏感になろう!
◆教育の大切さを再認識した。もっと長く話を聴きたかった。
◆話の内容が教育と9条と結びついていて、大変わかりやすく胸に落ちた。元気でフランクな話に好感がもてた。
◆全部おもしろかったです(10代女性)。
◆事実を的確に指摘し、わかりやすいお話でした。先生の勇気と努力に感心し、応援します。
◆ボーっと暮らしていましたが、身のまわりのことにもっと気を配っていかなければと強く思いました。
◆教育基本法の改悪に象徴されるように、行政は教育条件の整備から教育を指揮するものへ、戦前の忠君愛国を思い出させるような恐れを感じます。子どもたちの能力を十二分に発揮させるためには自由こそ必要です。
◆本日は講演ありがとうございました。まったくおっしゃるとおりです。因みに息子は三鷹高校の卒業生です。でも土肥先生の時代じゃなくて残念。
◆ちょっと早口でついていけないところもありましたが、楽しいながらも難しい問題を分かり易く話してくださいました。

2010年1月19日火曜日

第4回口頭弁論と報告会

年明けの1月14日、「学校に言論の自由を!」裁判の第4回口頭弁論と報告会が行われました。



[裁判

裁判そのものは2分で終わった。
開廷してすぐに裁判長が都準備書面(2)が提出されたのを確認して、都側に「何か言うことはありませんか」と質問し、都側も「特にない」と発言してそれで終わり。次回の日程は3月11日(木)午前10時から。606号法廷。





[報告集会


その後隣接の弁護士会館で報告集会を行った。
最初に土肥元校長が挨拶。「都側の反論はいつも早く終わる。都教委には説明責任があるのに、肝心なところについて全く説明しない。そのような都教委の姿勢を皆さんに考えてもらいたい。」



吉峯弁護士:

今回の都の準備書面では次の3つが書かれている。
1. 原告主張の1~7についての反論・・=>当方は事実関係を各項目について争う。
2. 本件不合格処分について・・・=>土肥元校長が生徒・保護者・同僚から得ている高い評価をみると、校長の適性について疑う余地のないことは明らかで、都の低い評価は「はじめから不合格にするための恣意的なものと言わざるを得ない。
3. 消滅時効(不法行為が成立しているけれど時間が経っているので不問に付す)について・・=>消滅時効の主張をしてきているのは都側が不法行為の成立について不安になっているためか。
今後憲法的観点や教育学的見地から学者の鑑定意見書を提出したい。すでに3氏に依頼している。




土肥元校長:

都教委の反論は事実と違う。なぜ事実を認めないのか。(具体的事実を列挙)。提出資料の高橋史郎氏のサンケイ新聞コラムについては、どうして都教委のように解釈できるのか。彼は校長の意思決定の参考のために職員の意向を聞く採決・挙手は構わないと言っている。
都教委に「個別的職務命令を発することと、卒業式の適正実施とどちらが重要か」と質問したら、職務命令だと答えたのには呆れた。都教委は自分の命令に従わせることの方が重要で、その結果が招く事態についてはどうでもいいのだ。私は都教委のロボットになるために校長になったのではない。人間として生徒に接していきたいから校長になった。ゆえに当然校長の人権も尊重されなくてはならない。
(参加者約45名)



次回法廷は3月11日(木)午前10時。
東京地裁606号法廷

2010年1月1日金曜日

明けましておめでとうございます


皆様への年賀状


昨年は私にとって激動の年でした。
3月、三鷹高校の離任式でもらった生徒からの卒業証書と全クラスからの色紙は私にとって宝物です。
「連帯を求めて孤立を恐れず」の心境で社会に訴えましたが、今では多くの皆さんの暖かいご支援に元気をもらい、孤立感は全くありません。
「力及ばずして倒れることは辞さないが、力尽くさずして挫けることは拒否する」が今の心境です。言論の自由と平和な日本を築くことが、生徒のため東京のため日本のためであり、私の力の限り頑張りたいと思います。

2月6日(土)には府中グリーンプラザ
(京王線府中駅徒歩1分)
で私の集会が開かれます。ぜひご参加下さい。

 
本年もよろしくお願い致します。

               2010年 元旦

土肥 信雄


<追伸>1月14日(木)午前10時より私が提訴した「学校に言論の自由を!」裁判の第4回口頭審問が行われます。東京地裁606号法廷にて。こちらの方にもお越しください。(傍聴席42) なお終了後弁護士会館502CD会議室にて報告集会を行います。