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土肥先生の活動日記、お宝目録、スケジュールなどのコンテンツ盛り沢山です。是非ご覧ください。
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2010年3月15日月曜日

第5回口頭弁論 「私の思い」

3月11日の第5回口頭弁論で、土肥先生は意見陳述を希望しましたが、裁判官は
認めませんでした。ただし裁判の節目、節目で意見陳述の機会をもうけるとの
ことです。以下に当日、土肥先生が予定していた陳述内容を掲載いたします。


第2次世界大戦の大きな過ちを犯した日本は、その反省のもと、日本国憲法の前文に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」と不戦の誓いを述べ、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三原則としたのです。
戦前においても、多くの人が戦争に反対だったと思います。しかし何故第2次世界大戦を止められなかったのでしょうか。それは言論の自由がなかったからです。私が大学生の頃、母に「どうして戦争反対と言わなかったのか」と詰問したことがあります。母の答えは「信雄、言いたくてもいえない状況だったのよ。多くの人は戦争反対だったと思うけど、もしそれを言ったら命がなくなるのよ」でした。戦前においては治安維持法により、言論弾圧が行われ、死を覚悟して戦争反対をいわなければならない状況だったと思います。戦争反対を言うことは非常に勇気のいることであり、それを言えなかったことについて私も理解しました。
言論の自由が保障されていれば、戦争は起こらなかった可能性が強く、日本の歴史は大きく変わっていたと思います。
そして戦後多くの人が「あの時戦争反対といっていれば」と後悔したのも事実だと思います。それ故に、私は憲法の三原則の中の基本的人権の一つである言論の自由の保障がとても重要であると思っています。
その言論の自由が、教育の現場でなくなる可能性があるからこそ東京都教育委員会(都教委)を訴えたのです。しかも現在は戦前と違って言論の自由は保障されているはずですから、命を賭ける必要はありません。私の場合でも職を賭けたのであり、命の重さに比べれば、比べ物になりません。「あの時、都教委を訴えておけば」という後悔だけはしたくなかったのです。
現職中に都教委に何度も公開討論を要求しました。どちらが正しいか、都民、国民の皆さんに判断していただきたかったのです。しかし残念なこと都教委は公開討論に応じてくれませんでした。やむを得ず裁判に訴え、口頭弁論という公の場で公開討論をしているのです。
私も、都教委も子どものために全力をつくしています。したがってお互いにそれぞれの主張を出し合って、判断してもらえば良いのです。
しかし、都教委の反論(準備書面)を見ると、事実と違うことが書かれています。お互いが主張するにも、その前提は「事実」から出発すると言うことです。「事実は一つ」であり、その事実にもとづいて主張すべきではないでしょうか。
一例を挙げます。私は密告により間違いなく3回指導を受けました。3回目の指導では参事の新井氏が「教育委員の米長氏が近々に三鷹高校を訪問します。」と私に伝えたのです。それが都教委の反論では、指導は2回だけで、3回目の「米長氏が行く」指導は記録になかったとなっています。絶対に許せません。何故3回指導を行ったと言わないのですか。「かくかくしかじかの理由で米長氏が三鷹高校に行って土肥を指導するのです」と、正々堂々と言ってください。私はその時「是非来て下さい」と答えました。なぜなら私は、私の教育実践に自信を持っていたので、米長氏に是非私の教育実践を見ていただきたかったのです。教育の現場においては子ども達に「嘘をつくな」と教えています。「嘘つき」は教育関係の仕事に携わってはいけないのです。
事実は一つです。都教委も事実に基づいた主張をして下さい。私の願いは、ただその一点です。

2010年(平成22年)3月11日
土肥 信雄

2010年3月13日土曜日

第5回口頭弁論の報告

3月11日(木)午前10時より第5回口頭弁論が東京地裁606号法廷で
行われました。
傍聴席は、今日も満員。土肥元校長の教え子の姿もありました。
 
 当日の審理は
 ・原告(土肥)準備書面2の提出
 ・西原博史早稲田大学教授の鑑定意見書の提出
 ・木ノ切弁護士より「原告準備書面2」についての説明
          (特に西原教授の鑑定意見を中心に)
 
 
 土肥先生は意見陳述を希望しましたが、今回は認められませんでした。
 口頭弁論は約15分程で終了。
 次回口頭弁論は5月27日(木)午前10時より606号法廷。



 (注:西原教授「鑑定意見書」へのリンク先は本記事の最下段にあります)



   
>報告集会(於弁護士会館5階)==

1.吉峯弁護士の報告と解説
 「西原教授の鑑定意見書は水準の高い素晴らしいものだ。教育委員会、校長、
 現場の各立場の 権限が、子どもの教育権の観点からどうとらえられるかを
 提起した。各権限の関係について先例的な意義がある。裁判所側も関心を示して積極的な対応をし
てくれている。
  浪本先生、尾木先生の鑑定意見書も次回提出の予定。」


2.高橋弁護士の解説 
「原告準備書面2は2つの部分から成っている。
  
都教委側の準備書面に対する反論
Ⅰの反論では、原告側は新たな主張はない。都教委が消滅事項だと言っているのは
  時効権の乱用である。

Ⅱの西原鑑定意見書では次の2つの論点を述べている。
  
 論点1.土肥先生の表現の自由への侵害

職員会議での挙手・採決禁止への反対は「公的表現行為」である。
教職員の業務評価への問題提起(守秘義務違反とされたが)や
批判も「公的表現行為」である。
 
論点2.校長としての独立した職務権限への侵害

校長は教育と教育行政の二元性がある。
  教育行政権限のみ持っている都教委が教育についてまで権限を行使しようとしている。

3.木ノ切弁護士の解説 

 都側の準備書面は今までの繰り返し。都側の主張する「企画調整会議」の位置づけ
は机上の空論である。原告側は形骸化の事実を示していく。

高橋史朗氏の引用も言葉尻だけを都合よく取り出している。現実がわかっていない。


4.土肥元校長

都教委に「ウソをつくな」と言いたい。例えば「米長が三鷹へ来る」と
いう3回目の指導はなかったとウソを言う。事実にもとづいて議論をしたい。

都教委は職員会議を伝達の場にとどめようとしているが、職員会議は教員との
最大のコミュニケーションの場だ。全く現実を知らない。
具体的根拠を欠いているのは都教委の方だ。
   
>質疑応答(抜粋)
Q1:都立の教員で今年定年だが再雇用試験で不合格になった。組合でも取り組まない

。業績評価はデタラメだ。そのことで苦情申し立てを3回行ったが全く意味がない。

吉峯:身分に関する差別が一番悪質な差別だ。都高教が取り上げないのは疑問。
土肥:苦情処理の行き先は学校経営センターで、行政の身内同士。
第三者機関ではない。まともに審査するはずがない。

Q2:たとえ職員会議がなくとも企画調整会議がきちんと機能すればいいということに
ならないか?
土肥・吉峯:それでも職員会議は必要。トップダウンとボトムアップの両方が
機能しなければ。

Q3:裁判に勝つには、はば広い支援が必要だが、この支援運動の反応は?
土肥:講演するたびに、どんどん支援者が増えている。特に東京の実態は
全国に波及するので、非常に関心が高い。 岩波ブックレットも
昨年のブックレットの中でベストセラー(第7位)になった。

Q4:保護者と教師が子どものいのちを守る活動をしている。最近仲間の教師が
どんどん飛ばされている。たった2年で異動とか。都教委の人事権乱用に対して、
できることはないか?
吉峯:都知事を代えることですね。

Q5:この裁判で裁判所は憲法判断に踏み込もうとしているか?
吉峯:こちらとしては憲法にもっていきたい。鑑定意見書提出を受け付けるという
ことは、裁判所側でも憲法判断を選択肢としてもっているということではないか。

                               以上 

                           報告会参加は約50人

(西原博史教授「鑑定意見書」へのリンク先 =>学校に言論の自由をもとめてブログ)

2010年3月6日土曜日

講演日記 - @横須賀

講演日記(13)

2010年2月26日(金) 神奈川県横須賀市
場所: ヴェルクよこすか 
時間: 午後6時30分から午後8時30分まで


 今回の講演は、2000年12月に横須賀市の弁護士、学者、労組役員OB等が
呼びかけ人となり地元の平和を求める市民団体32団体と27名の個人が立ち上げ
た「教育の場における【思想・信条の自由】を考えるつどい」実行委員会が主催
する第10回目の集会でした。講演の依頼は実行委員会参加団体の(さんきょうそ)
からでした。三教祖の正式名は三浦半島地区教職員組合です。私にとっては忘れ
られない名称です。私が教員として出発したのが、神奈川県寒川町の旭小学校。
その地域の組合が湘南地区教職員組合(寒川町、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市)。
この湘南教組と三教組は、神奈川県教職員組合の「でべそ」と言われ、神教組の
中の暴れん坊として有名で、とても仲が良かったのです。
 その意味で忘れられないのです。
 とにかく神奈川は様々な問題で東京の追随をしているため、東京の動向に非常
に敏感になっていることが感じられました。特に「日の丸・君が代」については
不起立教職員名の収集に対し第3者機関である「個人情報保護審査会」が不適当
であると答申したにもかかわらず、県教委は氏名収集を継続するという異状な
状況だからです。したがって私の講演内容に非常に興味を持っていることがひし
ひしと伝わって来ました。とにかく都教委の暴走を食い止めないと大変なことに
なるという思いと、絶対に裁判に勝たなければならないという強い意志を持つ
ことが出来ました。
 講演が終わった後の懇親会も、楽しい時間をすごすことが出来ました。
 皆さんありがとうございました。
                               

参加者の感想

◎自分の組合が争議団等のかかわりで「日の丸・君が代」処分の先生との交流があり、都庁へ行って教育委員会の申し入れや要請の大衆団交にも参加したことがあります。その際の教育委員会代表(広報課長ら)の対応にはあきれてどなりつけたほどです。

◎土肥先生の子どもを戦場に送らないために言論の自由をまもるという筋の通った生き方に感動いたしました。先生お一人をりっぱだと感心してばかりでなく、より多くの人間が後に続かなければいけないと思いました。

◎以前、偶然、土肥さんが出ているテレビを見て、今回の講演をとても楽しみにしていました。教育者に必要な勇気を分けてもらえたように思います。応援していますので頑張ってください。

◎「日の丸・君が代」に対する思い・考えが自分自身には特になく、まずは学ぼうと思い本日の会に参加させていただきました。土肥先生のお話を聞き、上からの強制をされていくということが自分や職場の意欲を無くさせていくことにつながる恐ろしさがよくわかり、良い勉強になりました。

◎若い組合員が増えています。もっとたくさんの人たちの集まる集会であったらよかったと思います。また、未組の人たちにも聞いてもらいたい話でした。今日のDVDは以前テレビで見ました。土肥先生を三教組としてもっと支援していいのでは?新しくやってきた校長が卒業証書授与を壇上に戻そうとしています。職場会で意思統一をはかり、がんばります。

◎校長の立場でこのような考え方の人がいることを新聞で見て驚き、現場の教職員がエールをもらった気がしました。その方の講演を本日聞くことができ、とてもよかったです。  勇気と元気をもらいました。ありがとうございました。

◎もともと興味があったので参加しました。明るく元気で話が明快な土肥さんのファンになりました。学校現場のあり方について考えるよい機会にもなりました。神奈川も東京のようにならないか心配です。岩波の本を買い、職場のみんなにも話して話題にしていきたいです。今後の土肥さんの活動に注目していきたいです。日頃の疲れも吹っ飛ぶ楽しいお話でした。

◎土肥先生のお話を聞けて良かったです。言いたいことを言えない人が多い中、すばらしいですね。子どもたちのため、教員のためがんばって下さい。お身体に気をつけてください。

◎抵抗する教師の存在が生徒への最高の民主主義の教育。その教師が抑圧されない社会が民主主義社会、こういう社会の回復をしない限り、教育は空洞化する。すでにこれははじまり若者の学習意欲は減退している。日本がこのままでは崩壊する。

2010年3月4日木曜日

講演日記(12) - @世田谷

2010年2月24日(水) 東京都世田谷区
場所: 世田谷区役所ブライトホール 
時間: 午後6時30分から午後8時30分まで


 今回の講演は世田谷区の職員の皆さんを対象にした講演でした。
私は中学2年の時、父の勤務の関係で下北沢に転居し、
世田谷区立富士中学校に転入し卒業しました。その意味で
世田谷区は私にとっては思い出のある場所です。
 講演でも話しましたが、初めて東京に出てきた時、渋谷駅で
地下鉄が一番高いところにあるのを知って驚いたことをよく
覚えています。地下鉄は地下にもぐっているもんだとばかり
思っていましたので・・・。
 それと講演会に、私の後輩となる富士中の卒業生がいらしており、
本当に懐かしく思いました。ただ世田谷区役所が、松陰神社前に
あるとは全く知りませんでした。てっきり小田急線か京王線の沿線に
あると思っていました。

 講演している間、ほとんどの人が東京の教育(特に都立高校)の
実態について信じられないような表情で真剣に聞いてくださいました。
 世田谷の講演会でとても印象に残ったことがありました。講演後、
一人の若者が来て「私は某都立高校の出身ですが、校長は生徒の意向を
全く無視して、強引に私服を制服に変えました。」と語ってくれました。
とにかく「職員会議で教職員の意向を聞く挙手・採決の禁止」以降、
校長の独裁的学校運営の傾向がとても強くなっている証拠だと思います。
権力ある都教委に対しては何も言えないのに、自分より弱いものに対し
ては、有無を言わさず従わせる、本当に卑怯です。私が恐れていることが
現実に起こっていることを知らされて、ますます裁判を通して今の東京の
教育の現状を変えなければならないと思いました。


- 参加者の感想 -

◎いつもゆとりがなく、自分の事ばかりで精一杯の生活をしていますが、
先生の話を聞いてまだ真の考えを持った教育者がいることがわかり、
とてもうれしかったです。社会的リーダーがこれからどんどん増えて
いき、良い社会になるようにみんなで支えあっていくことがとても
大事なのだと思いました。

◎都の教育委員会が、言論の自由を制限してことをはじめて知り、
とても驚きました。“教員の自由な発言なくして生徒の幸せはない”
という熱い思いが印象的でした。

◎市民的成熟のない現代人にとって(私も)今夜の講座は制裁を
受ける1人の人間の闘いについて考えさせられた。絶望的な現代社会
に慣れている私たちは、このような先生を強く支援していきましょう。

◎「学校は生徒のためにある」「生徒のことを1番良くわかっている
のは教師だ。」教育や子どもの未来を本当に真剣に考えていて自分の
職で失っても、闘い続ける姿勢はすごいと思いました。子どもが先生
の考えを良く理解している点も、今までの実績で素晴らしいと思います。
メディアも利用し日本中にどんどん活動を広げてほしいです。
生徒さんの色紙を見せて頂き、子どもの心に自分の考えをきちんと
主張するということや、基本的人権、平和主義の考えがしっかり根付いて
いると思いました。

◎DVDから土肥校長先生の教員生活の様子は、この時代にこんなにも
生徒と近く生徒を大切におもい、情熱を傾けている先生がいらっしゃる
ことに驚きました。そんな先生と過ごせた生徒は、幸せだと羨ましく
思うと同時に今の都教委はどうなるのか不信感でいっぱいになりました。
そしてこれからの生徒にとっても、これからの全ての子どもたちのために、
ひとり一人の人権が尊重される社会をという想いが印象的でした。
色紙に書いてあった社会的リーダーの話も最後に聞けてよくわかりました。

◎“色紙”の中に、先生のやってきたことの全てが詰まっていると感じた。
とても有意義でした。ありがとうございました。

◎区民のための良き職員であり、良き組合員として働くべきであるという
ところ。

◎「1人1人の基本的人権の尊重」「平和」は、私が仕事をしていく上
でも大切なことだと思っています。今年度やっと実現して都立高校の教師に
なった息子は、授業の中で憲法9条について話しているようです。
これから卒業式があります。高校生の時の野球大会で立たなかった息子ですが、
はたして…。がんばってください。

◎先生がものを言えなくなると、生徒の人権が壊されてしまう-これは本当に
その通りだと思います。私は実は去年都立高校を卒業したばかりです。
私のいた高校では、都教委の言いなりの校長のもと、恐怖政治が行なわれて
いました。私が生徒の人権を盾にして、教員や校長と対立していくと、
「生徒に人権などない」とズバリ言われてしまいました。この先の社会は
そうあってほしくないです。

◎温かい土肥先生の姿に胸に熱くなりました。子どもと子どもの育ちに
携われる仕事をするものとして「人権を守る」ということは大切なことです。
我がことに必死になってるのではなく、子どもたちのために本質を見失わない
でいられる先生がそばにいた。これは子どもの育ちにとって、素敵なお手本に
なったと思います。私も都立高校出身ですが、生徒が自由な発言、行動する
ことが守られてきました。その先生たちが、発言が自由にできないなんて
不自然です。「生徒が主体」を貫けた愛が一番印象に残りました。

第5回口頭弁論は 3月11日!

「学校に言論の自由を!」裁判!
第5回は 3月11日 です!!

今回は都教委の不当な反論に対する私の反論を展開します! 
ぜひ、裁判の傍聴に駆けつけてください!
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◇裁判という形で、公開討論を実現させようという「学校に言論の自由を!」裁判も5回目になります。この裁判は、教育のありようを問う重要な裁判だ!と各方面から注目を集め、毎回、法廷に入りきらないほど大勢の方々が支援の傍聴に駆けつけてくださっています。

日時●3月11日(木)午前10時~
★傍聴席の定員は42名です。開始時間間際ですと入れません。できれば、30分前位には、お越しください。
場所●東京地方裁判所 606号法廷
※裁判終了後、弁護士会館(502A・B)報告会を行います。
ぜひそちらにもご参加ください。

連絡先●090-5642-6304(高本)090-2780-7728(平山)